2022年05月13日

村ごとの独自性を生かすワイン


雨続きですね
やっぱり雨が降ってると静かだわ

色々とワイン入荷しています。

フランソワ・ミエ2019が再入荷しました

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各2本です(レジョナルだけ4本)。
フランソワ・ミエさんはヴォギュエの醸造長さんです、二人の息子さんと自宅の醸造設備でネゴシアンを始めました。

2019で3つ目のヴィンテージです

これまでの経験と人脈が活かされてるであろう、貴重なブルゴーニュです
てんちょ、まだ飲んだ事なくて(生産が元々少ない上に入荷も少ないので)、ヴォギュエと比べてどうでしょうか??


ミッシェル・グロ ヴォーヌロマネ1erクロ・デ・レア2019 160周年復刻ラベルも入荷しました ↓

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こちらは他の2019との5本セット販売のみ。
グロ家がクロ・デ・レアを取得した1859年から160年になるのを記念した特別ラベルです
かなり限定です
2009年の150周年を覚えてる方もいると思います



今日はこのワインを紹介します

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デヘサ・ガゴ2020

ホントはg(ガゴ)が買いたかったのですが、売り切れでこちらになった

今日のワインはスペイン、トロの赤ワインです
ブドウはティンタ・デ・トロ(テンプラニーリョ)100%

トロはここ ↓

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この縮尺で分からない人はないよね

…HPの住所にワイナリー表示がないねぇ


作っているのは、スペインの若手醸造家として活躍するテルモ・ロドリゲス氏です
この方、とても有名なので知ってる方も多いと思います。

てんちょは今日のガゴで初めて知ったかなぁ、20年以上前だね
その頃はシルシオンとか、アルバロ・パラシオスとか新しいワインの話題が次々出ていたスペイン。
輸出向けの世界標準で作られたレベルの高いモダンワインがどんどん出て流行ってました。

最近はスペインらしさを持ったワインがより尊重されるようになっています
固有の品種、土地のやり方、って言うのは大事ですね

で、テルモ・ロドリゲスさんは、
リオハの名門ワイナリーのレメリュリに生まれたおぼっちゃまです
若い頃は蔵を継ぐべく、ボルドー大の醸造学科を出てメドックのコスやローヌのシャ―ヴで修業。
1989年に実家に戻ったんですが、ワイン作りの意見が父親と対立して、彼は94年に家を出てしまいます

新しい世界を見てきた息子、これまでのやり方を変えない父親、二人が衝突するのはよくある話。

家を出た彼はボルドー大の同級生でやはり優れた醸造家のパブ・エクズギサ氏と一緒に自分のワイナリーを立ち上げます
こんなお二人 ↓

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HPより

その頃のスペインはカベルネやソーヴィニヨンブラン等国際品種を植えるのが流行していて、ブドウ畑ではスペイン固有の品種からそうした国際品種への植え替えが急速に進んでいました。
このままではスペインの伝統が潰えてしまうのを心配した彼らはナバーラ近郊で古木のガルナッチャの畑を見つけます。
この畑が最初のワインを生んだ場所になります

当時のスペインでは、安いワインはマズイ、と思われていて、値の張るカベルネやメルローを買うのが確実に美味しいワインを飲む秘訣だと考えられていました。
テンプラニーリョやガルナッチャの安価なワインでは美味しくならない、と言うのが市場の常識だったんです。

二人はそんな思い込みを払拭すべく、土着の品種で低価格でも美味しいワインが作れることを証明しようと、ガルナッチャで凝縮したワインを作って売り出すと、途端にワインは評判になり、スペイン国内よりも輸出市場で盛んに販売されるようになりました

この成功を弾みに、翌年の95年にはリベラ・デル・デュエロ、96年にはルエダとマラガ、更に98年に今日のトロへと進出します
(同年に故郷のリオハへも戻り、ワイナリーを作っています)
伝統品種を使い、細かな区画ごとの個性を生かしたワインを作るのには、当時のスペインのワイン法は対応できておらず、今になってようやく時代が追い付いてきた感があります。

トロでは樹齢が古いティンタ・デ・トロが残っており、接ぎ木なしの全て株仕立てと言う伝統的な畑を入手し、デヘサ・ガゴを作りました
今では8軒の栽培農家と協力してブドウを得ています。

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確かにかなり樹齢高そう

彼らは地元のブドウ農家と協力する事で、伝統を絶やさず地域が発展するようにワイン作りで貢献しているんですね。
こうした事が実際に出来る人ってそうはいない、行動力・センス・人的魅力、色んなものが備わってるんだろうな、ロドリゲスさん達

目を引くラベルのガゴはグラフィックデザイナーと共同で製作したそうです。
黒地にただ「g」と書いてあるだけのラベル、シンプルですがインパクトあっていいですね

アレハンドロ・フェルナンデス(ペスケラの生産者)にもデヘサ・ラ・グランハというワインがありますが、デヘサとは牧歌的なカスティーリャの田舎の風景を差すそうです
こんな風景かな ↓

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HPより、如何にもカスティーリャの乾燥した土地ですね


彼らの挑戦はずーっと続き、
今ではスペイン国内に合計80ha、335か所の区画を所有、43種の伝統品種を育てています

あちこちに…
地元の農家さんと共同でやってる畑も多いんだろうけど、それでもめっちゃ忙しいんじゃない??
これを「エキサイティングな旅の成果」とサラッと言えるのはかっこいいですね(HP)



今日のワインは、中々しっかり目のフルボディ、スペインらしいドライな香りが特徴的です
しっとりした感じよりも、さらっとごつっとしたイメージです。

緻密で細やかですが、全体としては骨太でアルコール度数はやっぱり14%もあります
飲んで胃
(醸造は樽なしなので、一層ブドウの凝縮感が伝わります)

岩塩をまぶした羊のアサード(炭焼き)にはとても良く合いそうです

価格も魅力的です
このリッチな内容で2200円税込

素晴らしい、試す価値ありあり
テンプラニーリョ好きな方には是非、甘い香りばかりが支配的とは言えませんがスペインの伝統を感じられる良いワインです

スペイン行きたくなってきた〜















posted by cave MITSUKURA at 18:19| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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