暑い〜
いきなり夏になりましたね、これから梅雨もあるのに。
昨日、業界のニュースで知ったんですが、
アルザスについにピノノワールのグランクリュが出来る
そうです
でもね、フルシュテンタムじゃないのです
(まぁ、あそこはグランクリュがひしめく一等地で白の評価が絶対なので)
グランクリュになるのは、
ヘングストHengst
キルヒベルク・ド・バールKirchberg de Barr
の二つ。
ヘングストはコルマールのすぐ隣、南西にあるヴィンツェンハイムにある区画です
アルザスワイン委員会HPより、以下も同様
区画名は「雄馬」という意味。
泥灰土の土壌で、どっしりしたボリュームのあるワインが出来るそうで、名前のイメージ通り
アルザスワイン委員会のHPでも、
「このテロワールでは数十年前からピノ・ノワール(3.5%)が、力強く、複雑で、しっかりとしたストラクチュアの偉大な赤ワインを生み出しています。」
と言う表記がありますので、ピノノワールの特級認定も納得なのでしょう。
…飲んだ事ありませんが
もう一つのキルヒベルグ・ド・バールは、ストラスブールとコルマールの間の北よりにある集落です。
クレイデンヴァイスのアンドローが近い。
アルザス・グランクリュの中では北半分(バ・ラン県)に位置しています。
(この360度ヴュー、めちゃくちゃいいですね
アルザスワイン委員会のサイトは日本語なので、アルザスワインを調べるにはまずここだ)
キルヒベルグのワインはしっかりした酸が特徴で、それに支えられた堅牢な骨格が長熟を保証し、若いうちは清涼感をもたらします。
熟成向きのグランクリュらしい。
特にピノノワールには言及がありませんが、何か特別な理由があるからグランクリュになれたんでしょう。
(たとえそれが政治的な背景でも)
市場に出るのはまだ先ですが、そう言えば、アルザスの「1級畑」もどうなったんだろう…
と言う事で、アルザスワインを紹介すべきところかもしれませんが、今日はこのワインを紹介します
フランソワ・ミクルスキ ブルゴーニュ・コートドール・ブラン2019
フランス、ブルゴーニュの白ワインです
シャルドネ100%の辛口。
この人気ドメーヌはご存知の方が多いでしょう
蔵の歴史はまだそれほどではありませんが、名門の家系で一族のドメーヌを継承するフランソワ氏。
彼はミクルスキの名前から分かる通り、父方がポーランド出身です。
ドイツかと思ったら違った。
母方の叔父がムルソーのピエール・ボワイヨ氏で、若い内にヴィニョロンになるつもりでボーヌの醸造学校を卒業後、カリフォルニアのカレラで修業しました
84年にムルソーに戻り、叔父の蔵を手伝いますが91年に叔父さんが引退する事になり、ドメーヌを引き継いでフランソワ・ミクルスキと改名したのが始まりです
樹齢の高い、管理された畑を引き継ぐことで優れたワインを生産できた彼は、すぐに優良生産者の仲間入りを果たし、ワインは世界中で人気になります
彗星の様な登場ですね。
現在はムルソーを中心に8haを所有、だからあまり沢山作れず、最近はかなり品薄続きです
こんな方 ↓
HPより
90年代のラベルが好きだった方もいるのではないでしょうか?
てんちょ、そうです
緑と紫の幻想的なデザインで素敵でしたが、デザイナーとの契約の関係で現在は使えないそうです
その後は今日の様なシンプルなラベルになっています。
これはこれでいいけれど
やはりムルソーの作り手なのでムルソーに定評があるミクルスキですが、今日のシャルドネにもムルソ―や周辺のブドウが贅沢に使用されています
村名区画だけではありませんが、それに近い場所のブドウだけを使っているので自ずと「ミニ・ムルソー」な味になっていて、非常にお買い得です
樽で10ヶ月熟成していますので、香りとコクがはっきり分かります
香りが調和するまでもう少し待つと最高でしょうが、今飲んでも早すぎる感じはしないのが最近のブルゴーニュです
2019年は18年と同様に暑い年で、成長も収穫も早めでした。
開花の時期に気候が荒れたために収穫は少な目、しかし採れたブドウの質は高い、というここ何年かと似た状況になっています。
暑さで熟したブドウですが酒石酸の含有が高く、これが高貴さや爽やかさを保ってくれたおかげで、バランスの取れた良いワインになりました
大きめのグラスでゆっくり飲むのがおすすめです。
クリーム煮やバターをたくさん使ったムニエルやコートレットなどがよく合います
余韻の相乗はそれは素晴らしいでしょう
ほんとは、夏より冬の方が美味しいワインなんですが
冷やし過ぎない方がオススメです。
これが一葉さんでおつりが来る、お買い得です
元々少ない上に、日本向けの出荷の減っているようで増々入手困難になって来ました。
輸入元では上級クラスも全て完売。
貴重なデイリーワインです。
今買って冬まで置いておこう〜