2023年01月10日

ヴィオニエはいいぞ


北風が強くて寒い〜
まだあと2カ月はこんなですよね


新春ワイン福袋のシャンパーニュに、これを追加します

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ドン・ペリニヨン2012

分かりやすいのを

シャンパーニュもブルゴーニュも6000円以下の物が入ってると書きましたが、それでも5000円台です。
マイナー過ぎるレコルタンや、ブルゴーニュでもボジョレーは入っていません
(素晴らしいクリュ・ボジョレーは多々あるものの)

ブルゴーニュはレジョナルが1つだけ、フーリエが入ってますが、それでも8200円なんで。
あとは全て村名以上です。

挑戦者、待ってます
14日(土)からです〜



今日はこのワインを紹介します

その前に…

2021年のフランスワインは春の霜害でどこも減産、ブルゴーニュでは平均7割減という壊滅的な減収に見舞われました

例年の30%しかないワインを世界各国で取り合う訳ですから、
そりゃー物がないよねー
そりゃ―高くなるわなー

と、全然うれしくありません

今年入荷するはずの2021年を見越して、早めに今ある在庫を確保しておこうという動きが活発で、既に市場は枯渇&高騰
2年経っても状況が好転するように思えないのが更に怖い

シャンパーニュでもそうですが、他地域でも高評価のドメーヌなどでは同様の現象が起こっています。
今日のワインはそんな品薄ワインの一つです ↓

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ジョルジュ・ヴェルネ ヴィオニエ ル・ピエ・ド・サンソン2020

フランス、コート・デュ・ローヌの白ワインです

ワインの産地呼称は、IGPコリーヌ・ロダニエンヌ
昔のヴァン・ド・ペイです。

ちょっとワインの話の前にこのIGPなるカテゴリーについて簡単に説明します
内容がちゃんとわかってる方は少ないと思いますし、我々ワイン産業に従事してても分かってない人も多いかも。
なお、アルファベットの略語はご自分で調べてね

フランス産地呼称の歴史は、フランスワインの品質保護の為、1935年に最初のAOCであるシャトー・ヌフ・デュ・パプが誕生し、その後各地で産地呼称が定められていくところから始まります。

高名なワインの名前にあやかって(と言うと聞こえはいいが要は偽物)、他産地の安ワインを混ぜたりと本家の信頼を脅かすようなけしからん行為が横行していた時代。
AOCという制度は品質保証には有効なのですが、生産者からすると決まりが厳しすぎて作業が大変だったり、もっと低価格でいいから沢山作りたい、など現実的な要望もある訳です。
その為に、広域ワインの名称も制定されることになります。

1949年にはAOCの下位になる、もう少し規制の緩やかなVDQSというカテゴリーが登場しますが、生産は伸びず。
1979年に更にその下位に、ヴァン・ド・ペイ(地域ワイン)というカテゴリーを作ったところ、こちらはロワールや、コート・デュローヌ、ラングドックでは盛んに生産されるようになります。

ヴァン・ド・ペイ・ドック
という、皆様も聞いた事あるでしょう。
オック県で生産されるワインが最も生産されていました

ヴォークリュズ(ラングドック)、ジャルダン・ド・フランス(ロワール)も良く聞く名前です。

で、時は過ぎ、EUが拡大するにつれ、各国のワインカテゴリーの在り方がバラバラでは良くない、EU全体で共通の指標を作ろうと言う事になります。
そこで新しいヒエラルキーと名称が考案されますが、基本的にはフランスの制度を基礎に据えています。
AOCはAOPとなりますが、フランスAOCはAOPの範疇なのでそのままAOCを継続する事に。
AOPという表記でももちろんOK,イタリアでも同様。

で、その時フランス政府は、有名無実になっているVDQSや名称だけあって生産がゼロのヴァン・ド・ペイ(これが結構あるんだ)を見直すことにしたんです

VDQSは廃止、AOCに昇格するか(統合もあり)、ヴァン・ド・ペイと同じカテゴリーに遷移するかどちらかになりました。
ヴァン・ド・ペイはIGPというEUのカテゴリーを名乗る事になり、フランス9地域で73(のはず)の名称に刷新されました。

73って多いようですが、フランス全体なんで。
92年に最後に改正された時、ヴァン・ド・ペイの名称は157もあったんです

因みに生産ゼロの名称の一つ、
ヴァン・ド・ペイ・ド・ラ・セーヌ・エ・マルヌ(なんとシャンパーニュ地方のヴァン・ド・ペイ)
もちろん見た事ありません

これも超マイナー
ヴァン・ド・ペイ・ド・デュッシェ・ドゥゼ
↑ どこの名称かわかったらすごい(ラングドックらしいが、どこだ)、一度も見た事ない


そうして出来た新たなIGPですが、中身はヴァン・ド・ペイの基礎を踏襲しています。
数を精査したんですね

現在、IGPの中には

広域の地方名を名乗る名称
県名に順じた名称
小産地を名乗る名称


の3つの種類があります。


今日のIGPコリーヌ・ロダニエンヌは、「ローヌの」と地方名を名乗る広域名称です
コリーヌは丘
この名称は北ローヌ(セプテンリオナル)に与えられた名称で、コートロティやコンドリュー等のAOCの外側に当たる地域で作られた正に丘のワインです

で、やっと今日のワインですが(前置き長い?)

名前の通り、ワインはヴィオニエ100%

ヴィオニエのワインと言えばコンドリューです
シャトー・グリエでもいいけど、今日はあの特別なワインは置いといて。

元々栽培が難しく、病気にもかかりやすいヴィオニエ。
どこでも栽培できるシャルドネとは大違い、一部の土壌でしかその高貴さを出しません。
とても難しい品種です。
その香りの良さ、酸の上質さを認める人は多くても、コンドリュー以外では広まりませんでした。

第二次大戦後、耕作する人がいなくなってしまった事もあり、コンドリューではヴィオニエが絶滅の危機に瀕します。
それを救ったのが、今日のジョルジュ・ヴェルネさんです

彼は私財を使って畑を開墾、農業がしやすい環境を整え、自らもワイン販売の拡大に努めます。
その努力が何十年も続き、コンドリューの名前は世界で注目され、賞賛されるようになります。

そうして栽培地は拡大したのですが、今度は畑を広げ過ぎて、コンドリューとしてどうなんだろう、という議論も起こります
儲かると思って参入する人が増えると質が落ちる、ってよくある事ですが。

そこで、コンドリューの生産者が集まって(もちろんジョルジュ・ヴェルネ氏も中心メンバー)、もう一度しっかりとコンドリューの畑を線引きする事にしました。
そうして標高が高すぎる畑や、斜面の下過ぎる畑は「コンドリュー」の名称からは外されることになり、
代わりにヴァン・ド・ペイ・ド・コリーヌ・ロダニエンヌを名乗る事になったんです


そうやって出来たのが今日のワインです。
これだけ言うのに、長かったー

ジョルジュ氏は既に鬼籍ですが、今でも狭いコンドリューでは、ジョルジュ・ヴェルネの名前はみんなから尊敬されています
ジョルジュ・ヴェルネの
コンドリュー コトー・ヴェルノン
コンドリュー シャイエ・ド・ランフェール

は、絶対飲んでおくべき古典コンドリューです

今、全然入荷しませんけど
あったら買いですよ

コリーヌ・ロダニエンヌはコンドリューの名称は名乗れませんが、その分お値打ち。
しかも名家ジョルジュ・ヴェルネのヴィオニエです

いい香りです〜
酸があるので、ゲヴェルツみたいに飲み飽きません、そこがいいね
下手なコンドリューよりもいいかもしれません。

20年になってラベルの文字が紫色になりましたね
19年まで青だった。

コンドリューだと諭吉覚悟ですが、これなら一葉さんでお釣りが来ます

寒いけど白飲みたいっていう時にどうですか〜
樽香がないので和食にもいいですよ、意外かもしれませんがスパイス(四川やカレーとか)も引き立つんです

あ、店頭にはちゃんとジョルジュ・ヴェルネのコンドリューもありますよ
テラス・ド・ランピールですが。

過去のジョルジュ・ヴェルネのブログはこちら ↓
https://cave-mitsukura.seesaa.net/article/480360403.html







posted by cave MITSUKURA at 19:57| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする