2024年03月22日

本格的な泡:イタリア編


最初に。
来週の月曜日、3月25日は臨時休業します
何卒宜しくです。



もうお彼岸過ぎたのに寒いです
明日は雨になるようですが、これで寒さも終わり??

今日の名古屋はお天気はとてもいいので、車に乗ってる人はきっとぽかぽか暖かいんだろうなぁ



フランスのブドウ畑も始まってますよ

気温が上がってくると樹液が流れ出すので、ブドウの樹がを流します ↓

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シャンパーニュ・クレマンSNSより
冬に選定した枝からぽたぽたと、これが春の印です。

ブルゴーニュでも萌芽が始まりました ↓

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ルイ・ジャドSNSより

畑にタンポポが咲いてて、春って感じです
が、ヨンヌ県(シャブリ周辺)では軽くではありますがが降ったようで、4月の霜がとにかく心配です


今ちょうどブルゴーニュではグランジュールやってますね(大規模なワイン博覧会みたいなのです)
サンヴァンサンには一般の方、グランジュールには業界人って感じでしたが、コロナもあって少し変わってきてるようですね




今日のワインはこちらを紹介します

フォンタナフレッダ アルタ・ランガ.jpg

フォンタナフレッダ アルタ・ランガ リミテッドエディション2018

イタリアのスプマンテです

フォンタナフレッダバローロの名門としてめちゃくちゃ有名なので説明不要かもですが。

イタリア統一後の初代国王、ヴィットーリオ・エマヌエーレ2世の息子アルベルトが所有地をもらい始めたワイナリーです。
彼は同時にミラフィオーレ伯爵となり、現在その名前でもワインが生産されています
(アルベルトは嫡男ではなかったために、父国王の死後に王位を主張しないことを条件に伯爵に封じられています)

フォンタナフレッダとはイタリア語で「冷たい泉」を意味していて、実際に醸造所のそばに泉があるとのこと。
今でもあるらしいですが、てんちょが行った時には見られませんでした。

バローロでは最も権威ある作り手と言ってよいであろうフォンタナフレッダですが、アルタ・ランガも作ってることは知らない方も多いでしょうか?



アルタ・ランガって何? という方へ

アルタ・ランガはバローロと同じく、ピエモンテ州のワインです。
南のリグーリア州に接する地域で、バローロのあるクーネオ県、その東隣のアスティ県、さらに東のアレッサンドリア県に広がる産地です。

ランゲ地方の高地を意味するアルタ・ランガという名称は、スパークリングワインだけに認められたDOCGで、
スプマンテ 白またはロゼ
スプマンテ・リゼルヴァ 白またはロゼ
の4つしかありません

ピノ・ネロまたはシャルドネをブレンドもしくは単独で90%以上使用し、瓶内二次発酵で瓶熟期間は最低でも30か月(リゼルヴァでは36か月)という長期熟成が義務付けられています

DOCGとしての認定は2011年と最近ですが、もともと18世紀のサヴォイア公国領の時代から瓶内二次発酵のスプマンテを生産していた歴史のある土地です

しかし、その後アスティでフルーティな甘口のスプマンテが作られると、そちらが人気になり、安価なシャルマー方式のスプマンテが主流になっていきます
ピエモンテには「王のワイン・ワインの王」のバローロがあるのでブドウ畑はほぼ赤ワイン用にに使われていたことも、スプマンテの生産が進まなかった一因です。


現在、世界で最も消費されているスパークリングはプロセッコです。

うーん、イタリアにはフランチャコルタや、トレントなど優れたスプマンテも沢山あるんですけど、お手軽な価格には勝てませんねぇ
なので、ワインに詳しくない人は、イタリア人であってもフランチャコルタやアルタ・ランガを飲んで、
「このプロセッコ、おいしいねー」となるらしく、嘆かわしい事です


と、
法的には後発のスプマンテなので、シャンパーニュやフランチャコルタの上を行こうと、かなり厳しい規定になってます

なので、お値段も結構ご立派なものが多い…
イギリスのスパークリングもそうですが、既にいい物が知られている中で新しい物を出すには、それの上をいくしかない訳です。
円安で、何もかもが高い今の日本では嬉しくないけど

そんな高品質なアルタ・ランガですが、今日のフォンタナフレッダの限定醸造はそれでもお値打ちな方です

フォンタナフレッダは1990年代の初めから、ピエモンテのブドウでスプマンテを作ろうと取り組みを始めており、これがアルタ・ランガDOCGの認定に大きな役割を果たしています
標高500〜600mの高地のブドウを使うものもあり、バローロをドサージュに入れてる特別なスプマンテもありますよ。

畑の眺めがすごい ↓

Alta Langa 2.jpg
輸入元HPより



今日の限定スプマンテは、ピノネロとシャルドネ使用(内訳不明)、瓶熟期間、ドサージュについても言及なし
こらー、何にも分からないじゃないの。

しかし、味は流石です
香りも香ばしいあの香り、味わいは結構ドライですが、これからは冷やすことを考えてそのくらいドライなほうがいいでしょう

私は個人的にはコクのある方が好きなので、キレッキレの辛口はやや苦手。
なのでMLFしてる方がいいし、シャルドネよりはピノノワールが好きです
ですが、これは美味しかったです、好きな味

このアルタ・ランガは、バランスよくてお値段もそんなに高くない
税込みで一葉さんは必要ですが、良いアルタ・ランガは諭吉クラスなのを思えばお手頃。

細やかな泡、複雑な香りと長い余韻、薄くシルキーなのに重なりがあるアンビバレンツなワイン、それが瓶内二次発酵のスパークリングです
こういう本物を味わってほしいですね。














posted by cave MITSUKURA at 16:55| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする