2024年03月23日
右岸を愛する方へ
雨で寒いー
早く暖かくなって欲しい
くどいようですが、明後日の
3月25日月曜日は棚卸で臨時休業します。
ご迷惑をおかけしますが、覚えておいてください。
集中力を切らさないようにひたすらワインを数えます(休憩は必要ですけど)
何かいい発見が… ないと思います(あったら問題だ)
今日はこのワインの紹介です
シャトー・トロタノワ
今日はヴィンテージに関係なく。
写真はHPより拝借しました。
フランス、ボルドー右岸、ポムロルの高級ワインです
ポムロルは隣のサンテミリオンと同じく、赤ワインだけに認められたAOCなので白やロゼ、スパークリングはありません。
サンテミリオンとは違って、公式の格付けはありませんが、著名ワインは多数あります。
一番の有名シャトー、高級ワインの筆頭は間違いなくシャトー・ペトリュス
ル・パンも高額ですが、ペトリュスの方が格上ですね
天国の鍵を胸の前で持つペテロが描かれており、今では正規品でも80万円前後、ネットでは信じられない高額がついてます
ミツクラにも極僅か入荷する時がありますが、今後は難しいかも。
過去の写真 ↓
2018年7月のこの時点で1本30万円以下、安い
あっという間に売れていきましたが。
6年で倍以上になってます
偽物も多く、巷でも見かけません。
そんな幻のワイン、ペトリュスのオーナーはJPムエックス社
元々ボルドー右岸で最大のワイン商でもあり、いくつかのシャトーも所有している名門です。
現在のオーナーはクリスチャン・ムエックスさん ↓
HPより
ムエックス帝国を拡大し、カリフォルニアでドミナスも経営してることは有名ですね
このムエックス社がシャトー・トロタノワのオーナーでもあります
所有は1953年から。
トロタノワの名前の由来はとても面白いのですが…
シャトーのある場所はポムロルの中心からやや西寄りの場所で、粘土と砂利が混ざった保水性の高い土壌です。
(ポムロルはそうした場所が多くて、ペトリュスの畑でもサツマイモが植えられえるんじゃないかと思うほどの粘土です。
もちろん表土が薄くてお芋には向きませんが)
トロタノワの土壌は雨が降った後には硬く固まってしまうために、耕すのが大変で「うんざり大変」とか「疲れ過ぎ」という意味の名前(trot anoy)で呼ばれて、トロタノワとなったそうです
シャトーは居住者がいるためでしょうか、今は場所も非公開になってます。
が、道路から杉並木の奥のシェを見ることくらいは出来そうです
ル・パンも近い。
サンテミリオンとは異なり、ポムロルは平地だと思われがちですが、実際には緩やかにでも傾斜があります。
おそらくポムロルの中心部、ペトリュスがある場所が頂点になっていてそこから南西に向かって下がっています。
土地のトップには砂利が露出していて、斜面を下るにつれて粘土が優勢になります
…平面じゃ全然分かりませんね
矢印の方角がドルドーニュ川です(リブルンヌ周辺で蛇行してますが)、なのでそちらに向かって低くなってます
自分で3Dで見てみてください。
HPより
シャトー前の杉並木が見えます。
ポムロルの多くのシャトーは畑をあちこちに分散して持ってることが多いんですが、ペトリュスとトロタノワは一か所に固まっています。
トロタノワはムエックスの所有の前から評価の高いワインで、黒く凝縮した外観と味、複雑で終わりがなくずーっと続く香りと余韻、他のシャトーが不作や悪天候で困難を極める年にでも一定のレベルのワインを生産してきた確かな名声があります
値段からすればペトリュスの何十分の一ですが、緻密なワインで喜びは非常に大きいのです
大好き
個人的な事ですが、てんちょ、幸運な事に、これの2001年をごく最近飲む機会に恵まれました
ひゃっほーっ、と叫びだしたいのをぐっと我慢して猫をかぶり、静かに堪能しましたが、いい熟成でした
ものすごく贅沢な欲を言えば、香りの円熟まであと一歩、そして自分が花粉症じゃなかったら最高だったのに。
かなぁ
罰当たりな発言でしょうか、段々と贅沢になってゆくような
話を戻して。
かつては違う年もあったようですが、現在はメルロー100%
平均樹齢35年で、畑の面積は7.2ha(少ない)
手摘み収穫で2回選果、コンクリートとステンレスタンクで発酵後、50%新樽で16から18か月熟成。
と、至ってシンプルな醸造です。
HPには、
トロタノイは、自然に深みがあり、複雑で、濃厚に凝縮されたワインで、優れた熟成の可能性を秘めています。
このワインは、深い色と濃厚で力強い香りを持ち、クリーミーでダークチョコレートの香りが加わり、非常に古いブドウの木による独特の風味の凝縮が口に広がります。
と記載されています
評論家はあの有名な言葉「鉄拳ベルベット」を使ってます。
2009年を初ヴィンテージとしてセカンドワインの、エスペランス・ド・トロタノワの生産も始めています
ボルドーワインでありながら、ニューワールドのカルトワインにも負けない内容のトロタノワ、是非とも知覚と経験を総動員して飲んでください
どんなにいいワインであったとしても、自分がベストでなければワインもベストにはならず、自分の知見が足りなければ理解できないでしょう。
ワイン道は続くよ、どこまでも〜
あ、店頭にはセカンドならあります。