2024年04月15日

イングリッシュスパークリングあれこれ


すっかり気温が高くなって夏日も出始めるらしい今週の名古屋
しかし、いつまでも花粉が飛び散ってますね、今年はたまらんです

フランスのブドウ畑では展葉が始まってます
今年は霜害もなく、このまま順調にいってほしいです



今日はイギリスのスパークリングワインをいくつか紹介します
店頭にある物とない物が混ざってますので、ご了承ください。

最初に書いときますが、今日は長いです

てんちょ、2月にお休みもらって個人的にロンドンに遊びに行きました

IMG_3285.jpg
王立取引所

イギリスと言えば、イングランド南部やウェールズでのスパークリング生産が盛んで注目されていますが、ご存知でしょうか?

温暖化でかつてのランスの気候が現在のロンドン北部に当たるそうで、シャンパーニュから続く白亜質の土壌もある事から、ブドウ栽培がこの30年で飛躍的に拡大しています

元々、シャンパーニュの輸出先として最重要国であるイギリス、市場も大きくてスパークリングワインは特に人気があります
王室御用達の銘柄もいくつもあり、晩餐会や結婚式でどの銘柄がふるまわれるかがいつも話題になっています。
自国のスパークリングワインを求める需要も大きいのは納得の事情です。


2月の訪問は数日の短い物でしたが、日本で手に入らない銘柄をできるだけ買って来ようと意気込んでいたものの…
市内のワイン専門店と言えども、どこも同じような物しか置いてなくて、全然見つけられませんでした

しかも、今はロゼが人気です
ロゼ、いいんですけど、高いんですよね〜

イギリスのスパークリングワインは後発ですので、既に知られているシャンパーニュの上を行こうと、長い瓶熟で高額な物が多い。
新興産業のワイン生産に参入してくるのは他業種で成功して資金が潤沢にあるドメーヌが多いので、余計に手間暇かけた高級品ばかりなんです。
そうすると庶民にはやはり高嶺の花なんでしょうか、市内ではあまり探せなくてちょっと驚きました

圧倒的に見かけるのが、ナインティンバーでした。
次にハッティングレイバレー、それからガズボーン
ハンブルドンもあちこちにありました。
この4つは日本でも買えますので、ちとがっかり

あちこち歩きまわったのに



では、この7本を紹介します

イギリスのスパークリングワイン.jpg

左から、
1.ハッティングレイ・バレー クラシック・リザーヴNV
2.ラスフィニー クラシック・キュヴェNV
3.ウィンザー・グレート・パーク2016
4.フォートナム&メイスン ブリュットNV
5.バルフォア クラシック・キュヴェNV
6.レックフォード・エステート ブリュット2019
7.デフィニション ブリュットNV


1〜3、5は日本でも買えます、あとは輸入なし(と思います)

1.ハッティングレイ・バレー クラシック・リザーヴNV

ここは現在、イギリスを代表するスパークリングワインメーカーとして一番の知名度を誇っています
ロンドンの西南西100キロ弱のウィールドという場所にあります。
ここ ↓

ハッティングレイバレー.png

1999年設立ですが、そこから5年かけて土壌の調査と研究を重ね、2008年にようやく植樹を始めたと念の入れ様です
オーナーさんは有名な弁護士なので収入では無問題なんだろうなー
コンクールでの入賞も多数あり、醸造長に若きマスター・オブ・ワインを迎えて、ますます発展しています

ハッティングレイバレー2.jpg
HPより 以下同様

ハッティングレイバレー1.jpg

これが蔵の最もベーシックなワインです。
シャルドネ 47%、ピノノワール 32%、ピノムニエ 19%、ピノノワール・プレコス 2%
瓶内二次発酵で24〜48か月の瓶熟。
蝶のマークが示すようにサステイナブルな農業を推進しています
 

2.ラスフィニー クラシック・キュヴェNV

ここはまだ新しいドメーヌです、2010年設立。
オーナーはドライバー夫妻、それぞれ金融業と弁護士として活躍してて、ここもお金の心配なし

ラスフィニーはイングランド南部、サセックス州のアルフリストンという場所にあります
ここ ↓

ラスフィニー.png

ラスフィニー1.png

海まですぐのチョーク質土壌でシレックスが混ざる珍しい土地です ↓

5.jpg

日照量がイギリスで最も多い地域で、低収量と低いドサージュ、全てのキュヴェがヴィンテージという拘りを貫いています

ピノノワール50%、シャルドネ35%、ピノムニエ15%
ドザージュ5g/L.
瓶内二次発酵で瓶熟30か月


3.ウィンザー・グレート・パーク2016

これは高級品です
作っているのはレイスウェイトさん、元々イギリス最大手のワイン商を営んでる方です。
ここも資金いっぱーい

ウィンザーの名前からも分かる通り、ウィンザー城内の敷地にブドウ畑があります
ウィンザー城はヒースロー空港から西へちょっと ↓

ウィンザー城.png
ブドウ畑は南へ5キロくらいの場所にあります
流石、広大な敷地


ウィンザー城1.png
HPより

かつて、ヘンリー2世の時代(12世紀)にはそこでブドウ栽培がおこなわれていたそうですが、いかんせん、その当時では寒すぎでしょう
糖度も十分上がらず、良いワインになったとは考えにくいですね。
そしてブドウ畑は消滅して、イギリスは自国産のワインを持たない時代が長く続きます。

レイスウェイト氏はそれを復興させるべく、2011年に僅か3haに植樹を始め、2016年にファーストヴィンテージの2013を2000本だけリリース、即座に完売したそうです

今日のはその3年後に当たります。
樹齢がまだ若いかもしれませんが、どうなんでしょうか(飲んだことなくて味は不明、すみません)
シャルドネ 64%、ピノノワール 29%、ピノムニエ 7%
瓶内二次発酵で瓶熟36か月


4.フォートナム&メイスン ブリュットNV

紅茶で有名なデパートのオリジナル・スパークリングワインです
シャンパーニュも作ってますが、今回はイギリス産に拘って。
ブランドブランをカフェで飲みましたが美味しかったです

スパークリングワインを作っているのは、コーンウォールのサム・リンドで自社でキャメル・バレーという銘柄のスパークリングワインを生産しています。
シャンパーニュで言うところのMA=マルキ・ダシュテールですね。
OEMです

キャメル・バレーも日本に輸入されている銘柄で知名度高いと思います
1989年創業の老舗です

キャメル・バレーはウェールズの西端にあります ↓

キャメル・バレー.png

キャメル・バレー1568627140W7EBM-large.jfif
綺麗な眺め

シャルドネ、ピノノワール、セイヴェル(割合不明)
熟成の情報なし(ですが瓶内二次発酵で間違いないでしょう)

因みに、フォートナム&メイスンの紅茶味のノンアルコール・スパークリングワインもありまして。
非常に気になりましたが、ノンアルを買うのにも抵抗がありまして買いませんでした(飲んでもいません、酒飲みの悲しい性分)


5.バルフォア クラシック・キュヴェNV

これも日本で買えますがミツクラでは扱っておりません。
この蔵はケント州ハッシュヒースにあります ↓

バルフォア.png

1503はワイナリーのある場所に建ってる古いマナーハウスの築年です。
2002年創業、04年に発売したロゼのスパークリングで有名になりました
ここはスティルワインも作ってる大手です。

ピノノワール、シャルドネ、ピノムニエ(これも割合不明)
瓶内二次発酵で瓶熟9か月
熟成が短いのでオートリゼの香りがするかなぁ


6.レックフォード・エステート ブリュット2019

ここもイングランド南部、ハンプシャーにあります ↓

レックフォード・エステート.png

レックフォード・エステートはロンドンの大手スーパーのウェイトローズが経営する共同農場でワイン以外の農業も行っています。
また、ゴルフや釣りなどのレジャーもできる施設があるような巨大な農園です
美しくて広大な庭があって、ガーデニングが盛んなイギリスらしいです

レックフォード・エステート1.png

ブドウの植樹は2009年から、畑は5ha
シャルドネ、ピノノワール、ピノムニエで作られていますがこれも割合不明です
瓶内二次発酵で瓶熟24か月

7.デフィニション ブリュットNV

このスパークリングワインはロンドンのワインショップのマジェスティックのオリジナルブランドで、ハンブルドンが作っています。

ハンブルドンはイギリス屈指の老舗で、1952年創業です
外交官で軍人のジョーンズ少将が自分の邸宅の庭にブドウを植えたのが始まりです。
イギリス最古の商業用ブドウ畑ですが、ワイン生産は一時休止したのちに1999年に売却され、現在は別の所有者になっています。

ハンブルドン.png
HPより お屋敷って感じ

畑は、クリケット発祥の地であるハンプシャーにあります ↓

ハンブルドン1.png
ここも白亜質の土壌が豊富にあります

シャルドネ、、ピノノワール、ピノムニエ(これも割合不明
ハンブルドンでは瓶内二次発酵で瓶熟35か月ですが、ディフィニションの情報なし。


と、こんな感じです。
あんまり珍しい銘柄が手に入らなかったのは残念でした












posted by cave MITSUKURA at 17:12| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする