2024年07月29日

左岸下流でも白


週末はもう8月ですね
来週は多少、雨になりそうですが、依然として暑いまま…

9月末まで夏の間は静かにしています



少し先ですが、8月も試飲会を開催します
8月28日水曜18:30〜
夏に美味しい爽やか白&スパークリングワインを中心に出します

8月になったら改めて正式に案内を載せますので、少しお待ちください


前回、6月の試飲会ではテルトル・ブランが好評でした ↓

テルトル・ブラン.jfif

最近、ボルドーの白ってあんまり売れないんです…
ソーヴィニヨンブランだったらロワールやニュージーランドの方がお手軽なんでしょうか?
グラーヴの特選銘柄なんて、全然問い合わせも来ません
すっかり忘れてるような



そんなボルドーで、店頭には1本だけ、美味しいメドックの白ワインが残ってます

コス白.png

レ・パゴド・ド・コス ブラン2020

ぱごど・ど、って言いづらいですね

このワインはボルドー、メドック2級のシャトー・コス・デストゥルネルが作ってます。
セカンドワインに「レ・パゴド・ド・コス」がありますが、その白です。

コス・デストゥルネルにも白がありますが、やはりセカンドの方がお値打ちです

コス・デストゥルネルサンテステフにあります、ここがオーメドックで一番北(下流)にあるアペラシオンです。
メドックは赤ワインしか名乗れませんので、今日のワインは唯のAOCボルドーとなっています

このワインは2018年がファーストヴィンテージです
2020年はソーヴィニヨンブラン90%、セミヨン10%

ラベルの塔が、ワイン名のパゴダです。

コス.png
HPより

コスはサンテステフでも南寄りにあって、すぐ隣はポイヤック村のラフィットです。
D2の道を走るとすぐ見えてきます。

コスのこの特徴的なシャトーですが、これは19世紀最初のオーナー、ガスパース・デストルネル氏がインドに競走馬とワインを売りに行っていたことがあるので(実は最初はワインはついでみたいなもんでした)、その時に現地で見たパゴダをまねて作られています
それで、ちょっとオリエンタルな雰囲気になってます。
シャトーの内部にも像の置物があったり。

ガスパール氏は「サンテステフのマハラジャ」って呼ばれてたそうです
シャトーの名前は、畑のある場所がコスと呼ばれていた事と、ガスパール氏の名前を合わせて出来ています。


…昔、NHKの「みんなのうた」で、美保純さんのマハラジャの歌があったの知ってる方いませんか?
「インドへ行ったら会いたい人は? ラジャ、ラジャ、マハラジャー♪」っていう
てんちょ、多分今でも歌えます

↑ 無視してください(超蛇足)


コス、最初はインドでワインがあんまり売れなかったそうなんですが、持ち帰ったワインが船旅で美味しくなっている事を発見
これに気付いた彼は、良いワインを追求するべくお金も時間も労力もかけてシャトーを改良します。
こうして、名声を築いたコスは晴れて1855年にメドック2級の地位を獲得するのですが、ガスパール氏はその2年前に他界しており、何とも残念です…

その後、数件の所有者の手を経て、現在のオーナー、ミッシェル・レイビエ氏の所有となってます。
このオーナーさんはシャンパーニュも作ったり、とお金持ち
精力的にシャトー経営を進めてます。
今では物凄くかっこいい醸造所&セラーに生まれ変わってます。


さて、今日の白ワインですが、詳しい醸造の情報がありません
ですが、非常にボリュームのある香りの辛口で美味しいです

フローラル&フルーティな香りで、樽を使ってるのも感じられます。
味はきりっと辛口、ですが余韻にはやはり樽由来らしいコクがあります

樽の使い方がうまいですね

バランスの良い辛口です、欠点がないですねぇ
ソーヴィニヨンブランのグリーンなイメージと、白桃や洋ナシみたいなフルーツ感が上手く調和しています。

コス1.png
HPより、イメージ通りの味

20年なら税込みで諭吉以下ギリギリ(もう諭吉って言わなくなるんですよね、栄一君って言わなくては)
セカンドでもまーまーご立派なお値段

お手頃価格とは言えませんが、中身は非常に価値が高いです

たまには贅沢してみませんか??













posted by cave MITSUKURA at 14:46| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする