2024年12月17日

熟成ワイン・古典の魅力


晴れが続く名古屋です
乾燥が気になりますね。


寒い日には嬉しいホットワインにお揃いの紙コップが付いてきました

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可愛いですね、1本に3個です、無くなり次第終了です




今日は初心に返って?、このワインを紹介します

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Ch.ラ・トゥール・デュ・パン・フィジャック1999

古さを感じさせるラベル、個人的にこういう「字が多いラベル」が好きです

記載にある通り、フランス、ボルドーのサンテミリオンのワインです。
ですから当然赤ワイン。

グランクリュ・クラッセです

ちょっと話が逸れますが、
ラベルにはサンテミリオン・グランクリュと言うAOCの記載があります。

サンテミリオンには、
サンテミリオン
サンテミリオン・グランクリュ

の二つのAOC があるだけです。

サンテミリオンではグランクリュは収量制限を守ればほとんど誰でもグランクリュを名乗れますので、大きな意味はないと言ってもいい
余り知識のない消費者を騙すような表記にも見えるかもしれません。

そして格付けワインはは、このサンテミリオン・グランクリュの中から選ばれます
ここが重要

グランクリュ・クラッセ、中でもプルミエ・グランクリュ・クラッセになる事にはとても意味がありますし、名誉な事です。
クラッセとついてる事が大事なんです

この違いを理解できていない人がエキスパートでも多くいますね


2022年の格付けでは、プルミエ・グランクリュ・クラッセがAB合わせて14、グランクリュ・クラッセが73、選出されています

しかし、この年から長年のツートップのオーゾンヌとシュヴァルブランは格付けに不参加、アンジェリュスも申請せず、ラ・ガフリエールも同様に辞退、と著名シャトーがいないので、少し価値が薄れた感も否めません

10年に1度見直しがされることになっているサンテミリオンの格付けですが、過去には大揉めに揉めてます
訴訟になって反訴あり、最終決定までに何年もかかってます。
次回の2032年にはどうなっているでしょう??


話を今日のワインに戻しまして。

このシャトーは19世紀後半には記録があるような名門シャトーですが、現在は小規模なシャトーになっています

まず、名前からしてお分かりの通り、シャトー・フィジャックと所縁のあるシャトーです
サンテミリオンでもポムロルに近い場所です。
すぐ南西にシュヴァルブランがあり、近所はシャトー・フィジャックを始め、なんたらフィジャックが沢山あります。

ここ ↓

ラ・トゥール・デュ・パン.png

googleマップでは「閉業」になってますが、今でもワインはちゃんとありますよ。
2014年までは同じラベルの様ですね… HPにはそれ以降の記載がない


輸入元の資料から歴史を抜粋しますと…

1879年に、シャトー・フィジャックは分割し売却され、シャトー・フィジャックとシャトー・ラ・トゥール・フィジャックになり、
その2年後、シャトー・ラ・トゥール・フィジャックがさらに分割され、シャトー・ラ・トゥール・フィジャックとシャトー・ラ・トゥール・デュ・パン・フィジャックが別のシャトーとなりました。

1923年にベリヴィエ家がシャトー・ラ・トゥール・デュ・パン・フィジャックを購入しますが、
1947年にムエックス家が一部を買収。ムエックス家が名を変えずに造り続けていたため、シュヴァル・ブランに売却する2006年まではベリヴィエ家のシャトー・ラ・トゥール・デュ・パン・フィジャックとムエックス家の二つのシャトー・ラ・トゥール・デュ・パン・フィジャックが存在することとなりました。

ベリヴィエ家のシャトー・ラ・トゥール・デュ・パン・フィジャックは1972年からギロー家に継承され、現在に至ります。
以上

今日の1999のワインは、その後の格付け(1996年)に選出された当時の物で、ラベルにもオーナーのギロー・ベリヴィエの名前が書かれています

一部分割された土地が別ワイナリーになって、それがさらに二つに分かれ、その片方が今日のワイン、という訳です。
ややこしぃ?

メルロ75% カベルネ・フラン25%

25年を経ていますので、澱もいっぱいですが、きっといい香りがするでしょう〜
渋沢君でおつりが来ます。

飲むときは1週間は立てておいた方がいいでしょう
パニエが使えなかったら、そぉーっと注いでください。
ぎったんばったん、してはだめですよ、すぐに澱が舞って濁ってしまうので

しかし、最後の1本になってしまいました。
これを飲む人は幸運です







posted by cave MITSUKURA at 15:32| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする