今日はよく晴れている名古屋です

明日からは最高気温がいきなり13度くらいになるそうですね

朝晩の気温差が広がるので体調管理に一層気を付けないといけません。
今日は昨日書けなかったこのワインを紹介します


ロス・ヴァスコス クロマス グランレゼルバ

カルムネール2020
カベルネソーヴィニョン2019
どちらもチリの赤ワインです

ロスヴァスコスは有名なので知ってる方が多いと思います

これ ↓
ラベルデザインが変わりましたね
経営しているのはボルドーの1級シャトーを持つラフィットグループです

ロスヴァスコスはラフィットが初めて海外拠点として築いたワイナリーで、1988年に2200haもの土地を購入して始まりました。
最初のブドウ畑はそのうちの10分の1ほどですが、それでも広大な畑です。
この地で長らく農業を営んできたスペイン系のバスク出身者に敬意を表し、「バスク人の土地」と言う意味でロスヴァスコスと名付けられました。
ラフィットはボルドーで培ったノウハウや、豊富な資金を使って、テロワールの緻密な調査を行い、チリならではのワイン作りを進めています

今日のグランレゼルバのワインの熟成にはラフィットの樽を使用する等、差別化を図っています

現在、ロスヴァスコスでは4ランクのワインを生産しています。
下から、
ロスヴァスコス
ロスヴァスコス・チャグアル(オーガニック)
ロスヴァスコス クロマス
ロスヴァスコス クロマス ル・ディ
今日のワインは上から2番目のクロマスです。
ワイナリーは首都のサンチアゴの南、コルチャグアバレーのペラリージョと言う町の近郊にあります ↓

DOセントラルバレーの中にあって、マイポバレー、クリコバレーなどチリの主要産地が集まっている地域です

HPより
ボルドーとは全く違う景気ですね

チリはフンボルト寒流の影響で夏でも涼しく乾燥しており、日照が十分ある中で寒暖の差があり、ブドウ栽培に向いた土地です。
乾燥や海からの風のおかげで病虫害が発生しづらく、アンデスの雪のおかげで地下の水脈にも恵まれている理想的な産地なのです

これが「ハズレなし」のチリワインの発展の要因です。
チリワインの現状としては、日本のワイン市場でもすっかりお馴染みになってるように堅調な輸出に支えられて順調に成長を遂げています

しかし、世界の隅々にまで行き渡った感のあるチリワインは、もうこれ以上の拡大は難しいのではないかとの懸念を抱えてもいます。
さらに、安旨ワインの代名詞になっているチリワイン、ハズレがない代わりにヴィンテージの違いや畑の個性も追い求められていません

温暖化で高アルコールのワインが増える中で、エレガントさを保った食卓向きのワインを模索する中で、チリのワイン業界は高級路線へと舵を切りたいと切望しています

より小さな区画に限定されるようなテロワールの個性が反映されたワイン
ヴィンテージの良し悪しが語られるような歴史のあるワイン
古酒への訴求
このような、ブルゴーニュやボルドーなどヨーロッパの高級ワインには当然あるような要求が、残念ながらチリワインにはないと思われているのが現状です

確かに、いつでも美味しく飲めるチリワイン、ヴィンテージや細かな産地を気にして購入してる方はほとんどいないでしょう。
これが転換するかどうかにチリワインの未来がかかっているかもしれません

いつでも美味しい水準以上で、お手頃価格のチリワインはそれはそれでいいと思いますが。
いくつかの生産者は、新しいスタイルを模索して、中心部を離れて北のコキンボ、南のイタタ等へ進出しています

ロスヴァスコスの様な中心部の大規模ワイナリーでも、より小さな区画の選抜ワインを高級品として販売する動きが盛んになっています。
今日のクロマスはそうしたワインの一つです

クロマスとはギリシャ語で「色」を意味する言葉に由来した名前です。
ロスヴァスコスではワインの色は自然の表現だと捉えています。
自社畑の内で、長期熟成可能なブドウが取れる区画を品種ごとに選抜しており、一段上のワインになっています。
カベルネソーヴィニョンとカベルネフランはサンタルチアの丘陵地から、
カルムネールはアンデス山脈の赤い土地から、
シラーは海岸側の花崗岩の険しい土地から、
それぞれ土地に向いた品種を植えています。
醸造はボルドーのラフィットを作る時と全く同じ手法を用いています

ステンレスタンクで発酵の後、ラフィットで使用したフレンチオークで12か月熟成させています。
品種の記載がありますが100%ではなく、10%程度他品種がブレンドされています。
どちらも外観はしっかり濃く、黒めの色合いになっています。
(グランレゼルバはスペインとは異なり、アルコール度数が通常品よりも高く、樽熟成を経ていれば名乗ることが可能です)
抽出の豊かなフルボディです

南米のBBQ、アサードにはぴったりです

正直、販売されている現行ヴィンテージよりも古い店頭の19年と20年ですが、まだ若く硬い印象です。
今飲んでも、そこまで感動しないかも。
その分、これからの寿命は長く、熟成の後には非常に良い変化を伴うであろう期待が持てます

1年、いや3年待てば、きっといい香りになると思います

その後も長く熟成可能です。
買って置いておくのがおすすめです

お値段もお手頃、全く高いワインではありませんので、この内容は素晴らしいです
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