2025年02月24日

フェニキア人も飲んだか


寒さは今日まででしょうか…
桜島が冠雪したとのニュースに驚くばかりですが、快晴続きの名古屋は本当に平和でありがたい事です



今日はこのワインについて書きます

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セッラ&モスカ テッレ・ビアンケ トルバート・アルゲーロ2022

ラベルが変わりました。

イタリア、サルデーニャ島の白ワインです
土着品種のトルバート100%の辛口です

DOCアルゲーロです(お恥ずかしながら、よく知りません

サルデーニャ島は南のシチリア島と並んで地中海の主要な島の一つです。
大きさはあんまり変わらないのですが、地中海ではシチリア島が最大で、サルデーニャ島が2番目に大きな島なのです。

イワシのオイル漬けのサーディンはこのサルデーニャが語源になってます


セッラ&モスカはこの島で1899年に設立されました

エンジニアのセッラ氏と弁護士のモスカ氏が共同で始めた蔵です。
彼らはサルデーニャのアルゲーロという地区の手つかずの土地に魅せられ、最初はブドウの苗木を販売する業者としてスタートしました。

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生産者SNSより、こんなに発展してます

サルデーニャ島の主要な都市は南端のカリアリで、ここはフェニキア人の植民都市があったほど古い町です。
サルデーニャ島には石器時代の遺跡=ヌラーゲが沢山あって研究が進んでいると、この前TVの世界遺産で見ました。

アルゲーロは反対の、北西にあります ↓

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大戦後にはワイン作りも始め、1989年に初めてカベルネソーヴィニョン100%のワインを作り、それが大変な評判になりました
セッラ&モスカは土着のブドウを大事にするワイナリーですが、同時に国際市場でも競争できる可能性のある作りにも挑戦しており、それがカベルネ100%の成功につながっています。
(2013年にはガンベロ・ロッソ社が刊行する「イタリアワインガイド」で“ワイナリー・オブ・ザ・イヤー”も受賞しています)

このカベルネの赤ワインは非常に多くの受賞歴があり、セッラ&モスカのワインでは今日のトルバートと並んで有名です ↓

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飲んだことある方いますか?


と書いておきながら…
…ですが、わたくし、この赤ワインは飲んだことがありません
どっかイタリアンで飲ませてくんないかな



海から近い場所にあるアルゲーロの畑で今日のトルバートは栽培されています
この地ではお馴染みの古い品種です。

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輸入元HPより

黄色いなぁ、晩熟って感じです。

元はスペイン原産のブドウです。
しかしながら、トルバートは病気になりやすい上に果汁が少なく、さらには晩熟で収穫が遅いという欠点がありました
良くない要素だらけかも…
秋から冬に近づくと、雨や嵐が増えますので(日本の台風と同じ)、果実の収穫は遅すぎない方がいいのです。

こういう点では、お利口さんのシャルドネを植える人が増えても仕方ないと言えます。
リスクが大きいので、敢えて労力と時間をかけた上に最後は神頼み(自然相手)というのは、収入を考えたら積極的にやる人が減るのも当然です。

それをセッラ&モスカは根気強く頑張ったんです
すごい
手を加え、丁寧に世話をして、人でもお金もかけました〜

その結果、トルバートは再びサルデーニャ島の固有品種としての地位を取り戻した訳です
気を抜くと平凡でつまらないワインになってしまうこの品種、扱いが大変そうです。

そこにしかない品種が大好きなわたくしとしては、これは応援せねばなりません


今日の白ワインは、そういう心配は一切ありません
非常にレベルの高い良いワインです。

黄金色の外観からも分かるように十分な日照がある場所で育っています
黄色いブドウですが、うまくコントロールされていい酸も持っています。
この酸味がなかったら、寿命が短く、メリハリのないワインになってしまうところです。

香りは柑橘系でちょっと磯の塩っぽさも感じられます。
流石、島のワインです

清涼感のある辛口で、魚介には非常にいい相性です

牡蠣やアサリのワイン蒸し(是非このワインで作ってください)
タコのトマト煮
ペスカトーレ
イカのフリッター(レモンかけて)
アンチョビやサーディン

うー、お腹空いてきますね

冬でも冷やして飲んでください。
この酸味は冷たくないと美味しくないので
暖かくなったら是非お試しいただきたいです。


セッラ&モスカではトルバートのスプマンテも作っていて、それも美味しいのです
夏になったらまた仕入れようかな。











posted by cave MITSUKURA at 15:09| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする