花粉が本当に多い今年

薬飲んでても、これほどとは。
今日は風も強くて寒い

関東や九州で雪の様ですね、気温の乱高下が激しすぎませんか




明日はもうお彼岸ですね。
今日はこのワインを紹介します


シャトー・クーテ2009

黄金色が綺麗です

16年を経てますので、いい熟成になってるはずです

今日のワインは甘口です、貴腐ワインです

フランス、ボルドーのソーテルヌ1級格付けの白ワインです。
ソーテルヌの格付けは、1855年のメドックの格付けと同時に行われました。
1級のトップ、シュペリュールにシャトー・ディケムがただ一つ選出されたほか、1級に11,2級に15のシャトーが選ばれています。
メドックが1級から5級まであるのに対して、ソーテルヌは1級と2級のみの格付けです。
ソーテルヌを中心に、周囲のバルザック、ボム、プレイニャック、ファルグのシャトーが含まれています。
法的な表記としては、AOCソーテルヌ、AOCバルザックの二つがあり、バルザック産のワインはどちらを名乗ってもいい事になってます。
なんでかなぁ
当時の村長が「わしの村の名前は絶対に譲らん!」とか頑張ったんでしょうか…(邪推

今日のクーテは、AOCバルザックを名乗っています。
ワイナリーはもちろんバルザックに在ります↓

ジロンド川に近いですね
クーテは13世紀の要塞跡をシャトーにしています ↓

googleマップより

HPより
1643年にワイン作りを始めた記録がある非常に古いワイナリーです。
その後100年以上を経て、1787年にトーマス・ジェファーソンが「最高のソーテルヌ」と日記に書いています

グルメのジェファーソンをめぐっては少し前に偽物ボトルの詐欺事件もニュースになりましたが、その当時の見識眼は確かな物があったに違いないでしょう。
その後、いくつかの所有者を経て現在の所有者であるバロン・フィリップ(ムートンと同じ経営)になっています。
今、甘いワインは主流の売れ筋とは言えませんが、やはり貴腐の高貴さには感動を覚えます

複雑な香り、甘いだけじゃない、少しの苦さや焦焙のアクセントがあって余韻がずーっと続きますね

沢山飲むワインではありませんが、美食には必要な1杯です。
フォアグラのテリーヌ、ブルーチーズには最高のお供です

この組合わせが嫌いな人っているんでしょうか

ソーテルヌを貴腐ワインの産地たらしめているのはジロンド川の支流のスロン川です

早朝に、この川から上る霧が貴腐菌を育て、ブドウに付着させています。
良くも悪くも、カビが繁殖するには湿度が非常に重要なのです。
湿気を含んだ空気が冷たい水面に触れることで霧になります。
これが貴腐です ↓

HPより
菌が飛んでますね
正直、このブドウを口に入れるのって、度胸ありますよね…

余談ですが、トカイの紹介でも書きましたけど、どうしてもお酒が飲みたかった(ミサに必要だったと言えばいいかしら)修道士の執念が、あの素晴らしい貴腐ワインを生み出したのですが、これを絞ってワインにしようとするのは、なかなかの挑戦だと思います

そんな自然の奇跡ともいえる貴腐ワインですが、ソーテルヌでは最近は温暖化で気温が下がらず、霧が出なくて貴腐が付かなくなってきています

フランスでは、人工的に霧を発生させたり菌を散布することは禁じられていますので、あくまで自然発生の貴腐を待たなくて行けません。
そうなると、貴腐ワインの生産が危ぶまれる事態になってきています

それから、市場が以前ほど甘いワインを必要としておらず、貴腐ワインは売り上げが落ちています

世の中には甘いものhが溢れていますし、糖分が「悪」になってるからでしょうか…
まぁ、生産が激減したりすれば希少価値が高まっていくでしょうから、絶滅はしないと思いますが、各シャトーでは辛口へのシフトが行われいるのが現状です。
現在クーテでも辛口の生産が行われています

シャトーで作っているのは4種類。

右から、
オパリー・ド・シャトー・クーテ
2010年から生産されている辛口です。
セミヨン、ソーヴィニヨンブラン、ミュスカデル
キュヴェ・マダム
これは僅か1000本程度しか生産されていない希少品です、日本では僅かしか輸入がありません。
セミヨン100%で2つの区画のブドウを厳選しています。
シャトー・クーテ
これが今日のワインです。
オパリーと同じ3種のブドウを使用しています。
甘さが非常に上品です
シャルトリューズ・ド・クーテ
クーテのセカンドワインです。
これも甘口で、これでも十分に美味しいでしょう。
たまには甘口を楽しむのもアリです

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