予想最高気温は高い(19度)のですが、朝の名古屋は寒かったです

市内でも早咲きで有名な東区の大寒桜は既に開花しています

この1週間で満開になるでしょう(夜桜を撮影する人が多くて夜に人が増えるとびっくりします)
来週の月曜日、3月24日は棚卸で臨時休業しますので、ご了承ください。
来ちゃダメですよ

もう一度、日曜にも告知するつもりですが。
今日は気を取り直して、先日消えた記事をもう一度書くことにします

先週、フランス、コート・デュ・ローヌ南部の生産者のセミナーに行ってきました。
滅多に来日しない生産者なので、とても貴重な機会でした

来日したのは、シャトー・ヌフ・デュ・パプのクロ・デュ・モン・オリヴェからご当主のティエリー・サボンさんです


クロ・デュ・モン・オリヴェは、1932年創業で現在4代目の家族経営のドメーヌです。

輸入元HPより
創業者はティエリーさんの曽祖父のセラファンさんで、シャトー・ヌフ・デュ・パプ協会にも所属し、36年のフランス最古のAOC取得にも尽力した方です

現当主のティエリーさんも、今、協会の長を務めています。
ドメーヌはパプの町のど真ん中にあります ↓

ティエリーさんの息子ジョセフ・サボン氏(ティエリーさんの祖父)の時代に大きく成長しましたが、彼には息子が3人おり、2012年に相続の関係で畑を減らしています。
フランスでは古くからのイギリスの長子相続(しかも男子のみ、現在は撤廃)とは異なり、サリカ法が残っていた事もあり、女性にも相続権があって、子供が均等に財産を分けることになっていました。
その為、ドメーヌは世代を経るに従い細分化されてしまう傾向にあり、さらに相続税が非常に高額な事もあり、ドメーヌの継承の上での問題となっています

そこで、13年からクロ・デュ・モン・オリヴェでは、畑の減少に対処すべく、ローヌ川右岸のリラックに新たに畑を取得しています

(シャトー・ヌフ・デュ・パプは左岸です)
因みに、ドメーヌ名の「クロ・デュ・モン・オリヴェ」は、所有する最大の区画、Montolivet =モントリヴェの名前を取って付けられました。
ここ ↓

www.chateauneuf.dkより
細かくて見えませんね…
パプの畑は合わせて3400ha以上もありますので、リューディも非常に多いのです。
シャトー・ヌフ・デュ・パプはパプの町を中心に5つのコミューンからなっています。
シャトー・ヌフ・デュ・パプ
クールテゾン
オランジェ
ソルグ
ベダリード
オランジェの町が歴史的には古いですね、ローマ人が入植したのはここです。
そのずっと前にギリシャ人がマッセリア(現在のマルセイユ)に移住していますので、ブドウ栽培の歴史は2000年以上あります

セミナー中は、スライドで全ての試飲ワインのリューディを説明してくれるのですが、基礎知識がないので、どれがどこか全然分からなかったです

しかも早いし、どんどん進むのでついていけませんでした。
お店で復習してます

さらに真ん中あたりに座ったら、スライドは全然見えないし

残念

パプのワインは95%以上が赤ワインで、クロ・デュ・モン・オリヴェの生産もほとんどが赤ワインです。
ですが、今後は白やロゼの比率を増やす考えだそうです

試飲で出ました、リラック・ブラン2023は、グルナッシュ・ブラン、クレレット・ブランシュ、ユニブラン(あと内緒の1種類)の珍しいブレンドでしたが、非常に上品な酸がある爽やかないいワインでした

軽やかなスタイルで、樽を使用してるとは思えないくらいです。
今後に期待できますね

ティエリーさん、非常に謙虚で誠実な方だと思います

代々受け継がれてきた伝統を尊重し、自然に敬意を払い、努力を惜しまない姿勢は、出来たワインを飲めばすぐに良さが分かるほど、良く伝わってきます

26年にはオーガニックの認定を受ける予定だそうです


輸入元HPより
畑はゴブレ(株仕立て)、少しガレ(丸い石)も見られますね。
試飲は8種類、どれもレベルが高い


そしてお値段もね…

店頭には、ヴァンドペイの赤と、シャトー・ヌフ・デュ・パプのイグレック2017があります

このイグレック、日本向けだけの特別なキュヴェなんです。
力強く、濃厚で古典的な赤ワインで、ちょっと懐かしいかも。
今って、なんでも「エレガント」と言って軽やか綺麗になっちゃってますが、こういう重厚どっしりでも洗練されてるワインも大事だと思います

新世界の甘い赤ワインとも違うんです。
個人的にはカスレを合わせたい

是非飲んでみてください〜
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