2025年04月06日

南の冷涼ワイン


雨が上がって曇りの名古屋です
花粉が少しは落ち着いてきたでしょうか…

てんちょ、いまいち風邪が全快しませんで、その上花粉症もあって、味覚がピンチです
早く治って欲しい。



今日はこのワインについて書きます

ピュージー・ヴェイルVLPB15_1.jpg

ピュージー・ヴェイル ザ・コンツアーズ リースリング2015

オーストラリアの白ワインです

ミツクラにはオセアニアのワインがとても少ないのですが、その内の1本です。
今日はカンガルーの方です(いつもはウィーンの方の紹介が多いのです)

ピュージー・ヴェイルサウスオーストラリア州、バロッサにあるワイナリーです
1847年創業とかなり古い蔵で、イギリス人のジョセフ・ギルバートが始めました。


18世紀の後半に本格的な植民地化を進めたイギリスですが、その当時のオーストラリアは入植地というより流刑地としての役割が主体で、原住民との間に争いが絶えませんでした。
余談になりますが、アメリカ同様に白人がしれっと「自分の国」としていることに反感を持っている子孫の人たちがいるのは当然だと思います。
1851年に金鉱が発見されたことで一般人の移民が倍増していますので、ピュージー・ヴェイルの創始者の彼も同じように船に乗って旅してきた一人だと考えられます。

ギルバート氏はイングランドのウィルトシャー州、ピュージー谷の出身だったため、自身の入植地にも同じ名前を付け、ピュージー・ヴェイルとしました

ウィルトシャーはここ ↓

ピュージー・ヴェイル.png
ストーンヘンジがまぁ近い


この地の開拓者である彼は、リースリングを植え、それが今日まで続いています。

順調に成長を遂げた事業で息子さんに受け継がれた蔵は1930年代に一度衰退してしまいます。
この時期のオーストラリアでは、酒精強化ワインが大人気で、アルコール度数の低い普通のワインはあまり需要がありませんでしたので、軽やかなリースリングは特に売れなかったのでしょう。
他の品種に植え替えたりして段々生産が無くなっていきます。

1961年に新しいオーナーがピュージー・ヴェイルを買収して再興、ジャンツやダルリンプルと同じグループに属するワイナリーとして現在に至ります


ところで、蔵のあるイーデンバレーですが、Eden Valleyなので資料によってはエデンバレーと記載されています。
(ソムリエ協会の教本はイーデンバレーですが、グーグルマップはエデンバレーになってます)
まぁ、どっちでもいいのでしょうか。
現地では何と呼んでいますかね。

ピュージー・ヴェイル1.png

海に面した大都市アデレードから近いのですが、イーデンバレーは標高の高い地域で、ピュージー・ヴェイルも同様に冷涼な気候に恵まれています。
近年、とにかく暑いオージーの気候を考えるとこれは非常に貴重な事です


オーストラリアワインと言うと、シラーズと思う方が一番多いと思います。
またはしっかりした白の厚みのあるシャルドネ。
てんちょもそうです。

繊細なリースリングを思い浮かべる人は少ないでしょうが、ピュージー・ヴェイルは非常によくできています

特に今日のコンツアーズシングルヴィンヤードの特別品です

ピュージー・ヴェイル2.png
HPより

標高490〜440メートルの畑で、1969年植樹のリースリング100%
有機栽培で、樽の使用はなし。

冷涼な気候が理解できるような細く長いスタイルです。
爽やかでありながら陽気な雰囲気があるのは、やはりオーストラリアだからでしょうか?
ドイツやワッハウとは違いますね

アデレードから旅行に来たという方が絶賛していました
車で直接買いに行くって言ってましたね


今日のワインは10年熟成の2015年です

津田さんでおつりがくるくらいなので、お手軽とは言えないかもしれませんが、
新世界ワインでは中々飲む機会がない熟成リースリング、興味ある方は是非お試しください〜











posted by cave MITSUKURA at 15:05| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする