2025年04月19日

ユニブランは焼くべし


暑い
表は30度らしい、半袖の人が多い。
いきなり夏になりました…


フランスでは萌芽から展葉に至る途中です ↓

IMG_4325.JPG
Gigondas Wine SNSより

個人的にジゴンダス好きなのです
いつもSNS見てます

今年のフランス各地は、やや遅い芽吹きのおかげか、霜害もなく順調なスタートです
それでも日本と同様に夏の暑さは確実、でしょうか…
今のところ、ではありますが良好です。
豊作プリーズ、たのんます



昨日のニュースで、フランスの大手コニャックメーカーのレミー・マルタンが報道されていました。

レミー・マルタン.png
HPより XOボトル

世界中を大騒ぎに巻き込んでるトランプ関税のせいで、先行きが不透明との理由で、レミー・マルタンではボトリングを一時的に中断する決定をしたそうです。

コニャックの主要な輸出先であるアメリカで18%前後の関税がかかれば当然ながら販売は減少することに加えて、中国でもコニャックの輸入に高い関税(+30%超)を課す動きがあり、このダブルパンチで輸出が激減するかもしれない懸念による決断だそうです

工場の前で取材を受けていた主任さんが、閉まってる門を眺めながら「出荷のトラックが通らない平日があるなんで」と嘆いてました
従業員も5月いっぱい、半分しか就労しないそうで、当然報酬も半額に…

ブドウ栽培農家も「今年のブドウは全部買ってもらえないかもしれないから、そうなら畑も半分にする」って言ってました

コニャックは対象ではありませんが、フランスでは近年、売れないワイン用のブドウ栽培をやめるように促す政策がとられており、ワインが売れ残った場合に蒸留酒に加工する助成金が出なくなってたりしています。
大人気で入手困難なワインがある一方で、安価で安定した品質の輸入ワインに負けてる産地もあるんです

この減反政策は、トランプ関税とは直接関係はありませんが、このレミー・マルタンのような決定が栽培農家に与える影響は大きいです。
コニャック大手のこの決定はよろしくないですねぇ〜
あの大統領にも困ったものです…



ところで、今、レミー・マルタンのルイ13世ってものすごい値段になってますね
ブラックパールはもはや飲み物のお値段ではない。
家が買える

レミー・マルタンは歴史的にはルイ15世に恩恵があるはずなんですが(穀物転換令が出たときに例外的にブドウ畑の拡大を許されています)、なぜか13世の名前ですね。
日本ではホストクラブ御用達で、空瓶に安物のVOブランデーか何か入れてるイメージかもしれませんが、本物のルイ13世は非常に高品質で美味しいコニャックです





皆様、普段コニャックは飲みますか?
実はてんちょ、大好きです
(飲み過ぎるので買わないようにしてるくらい)

コニャックはブランデーの代名詞の様に使われていますが、フランスのコニャック地方で生産されたものでなければコニャックと言ってはいけません
もちろん、原料ブドウ、生産方法には規制があり、それに則ったお酒だけがコニャックを名乗れるのです。
シャンパーニュと同じ、原産地呼称です。

コニャック地方は、シャラント県を中心にした地域でボルドーのすぐ北に位置しています。
ボルドー市からコニャックまで車で1時間30分、近いです

ここがシャラント県 ↓

シャラント県.png

ボルドーとは同じ行政圏です ↓

Aquitaine-Limousin-Poitou-Charentes_et_provinces.svg.png
どちらもWIKI

コニャックはその中心にある街の名前ですが、お酒のコニャックの生産はここを中心にした広い地域が指定されています。

もともとこの地域でもボルドーと同じく、スティルワインを生産していたんですが、日持ちがしないワインでボルドーの赤ワインと比較するとどうもいまいちだったらしく、16世紀にオランダの商人が蒸留してこれを運ぶことを考えたのが始まりだと言われています。

新教徒が多く住んでいたこの地方、アンリ4世の時代にはワインの輸出も盛んになっていました。
アンリ4世がブルボン朝の王になって、「フランスで最も美しい」シャラント川の交通を推奨したおかげで一層生産量が増えました。

シャラント川 ↓

シャラント川.png
グーグルマップより、本当にきれいですね

いつか行ってみたいです

食後酒の習慣がある方は日本だと少ないかなぁ
コニャックお勧めです、ぜひ水割りなんでやめてストレートで飲んでください。







posted by cave MITSUKURA at 16:11| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする