2025年04月30日

一押し白品種だよ


朝晩の気温差が大きくて着る物に悩みます
昼間は暖かいけれど夜は寒いし。


皆様、どんなブドウ品種が好きですか?
一つに決められない、っていう方もいますよね。

てんちょ、基本的に「そこにしかない固有品種」が好きです
国を代表する品種や、名前を聞けばすぐに場所が思い浮かぶようなブドウです。

そういう訳で、フランス以外のシャルドネやカベルネには、実はあんまり称賛の気持ちが湧かないかも
素晴らしいワインは沢山ありますし、適応力が高いシャルドネは非常に優れたブドウなんですが。
あくまで個人的な嗜好です

地球にはまだ経験した事もないブドウとワインが山ほどあって、一生かかっても経験し尽くすことは不可能でしょう
新しい出会いは楽しいです。


で、前置きが長くなりましたが、わたくし、白ブドウで一番二番に好きな品種がヴィオニエです

アロマが豊かでありつつ、酸味がしっかりした品種が好きなのです
どちらかというと酸味優先。

温暖化で再注目されている酸が多い品種、
アリゴテ
アルバニーリョ
フルミント
ピノブラン

どれも好き

ヴィオニエはフランス、コート・デュ・ローヌ北部のコンドリューシャトー・グリエが圧倒的に有名です
ここ以上のヴィオニエはない

この品種は病害に弱くて収量も少ない上に、適応できる土地が限られているのでどこでも上手くいく訳ではないので、他地域では滅多に成功しません
深窓の令嬢ブドウなんです。
ラングドックや新世界でも栽培がありますが、そこまで良いとは言えないワインが多いような…


そんな中、例外的にレベルの高いヴィオニエを見つけました


ということで、今日はこのワインを紹介します

Viognier-sainte-fleur-SM-1-296x1024.jpg

トリエンヌ ヴィオニエ サント・フルール2022

フランス南部、プロヴァンスの白ワインです。
ヴィオニエ100%、辛口。

ワインはIGPメディテラネです。

トリエンヌの名前は知ってる方が多いと思います
違うかな。

前にも紹介しています ↓
https://cave-mitsukura.seesaa.net/article/505991233.html?seesaa_related=category

改めて簡単に紹介しますと、
このワイナリーは、1990年にブルゴーニュのデュジャックのオーナーであるジャック・セイス氏が中心になって始まりました。
彼は訳あって南仏で新しくワイン作りをするために土地を長年探していましたが、プロヴァンスの高台に良質の土地を見つけ、そこにワイナリーを建てることにしました。
資金と人手を一人で賄うのは大変なので、仲が良かったDRCのオーナーのヴィレーヌ氏に声を掛け一緒に事業をスタートさせます。
その際にパリ在住の実業家のマコー氏も誘って3人でこのワイナリーを運営することにします。

トリエンヌ3.jpg

3人で始めたのでトリエンヌと名付けられたワイナリー、今年でまだ35年しか経っていませんがとてもいい白とロゼを作っています。
赤も生産がありますが、やや樹齢が若いからか、今飲むにはまだ固い印象で、最新ヴィンテージなら2、3年は待ったほうが良さそうです。
今後に期待。

ブルゴーニュで大成功している二人のオーナーですが、プロヴァンスではピノノワールは作っていません
この辺辺の事情には面白い話もありますが、6月にトリエンヌを紹介するセミナーを開催する予定でおりますので、詳しくはそこで。
(5月はもう予定が組めませんので、6月で予定します)
また5月以降で案内します。

現在畑は40ha、一か所に固まった区画で標高400メートルの高所にあります。
ワイナリーはマルセイユから車で30分ほどですが、海に近いのに標高が高く冷涼な環境です
寒暖差があることがワインの洗練度に大きく貢献しており、海風がよく通るので病害が少ないことも利点です。
2008年よりビオに転換。

「ヴィオニエは好き嫌いが分かれる品種だと思う」
とは、ジャックさんの次男のアレックスさんの言葉

ヴィオニエが好きな彼は、できるだけフレッシュなスタイルを保つために短い醸造で樽を使わないようにしています

このヴィオニエ、花粉症のてんちょでもよく分かる程の良いアロマです
くちなしの花の香りがしっかりします
(テルペン香ってやつね)
味わいは繊細、酸がきれいでさわやかです。
よーく冷えていても香りが沈まず、いい余韻があります。

美味しいわー

今、2000年頃と比べてヴィオニエ人気が減ったかもしれませんが、当時のこってり厚みがあるような甘いヴィオニエは本来の姿ではないですね。
その点、今日のワインは品種の勉強としても非常に優れています。

この素晴らしいヴィオニエ、税込3000円以下という優秀なお値段です
ヴィオニエ好きな方には是非お勧めします。








posted by cave MITSUKURA at 13:49| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする