曇り空の名古屋、気温はやや高め

九州では豪雨になるとか



ところで、5月15日のブログで「伏見駅のエレベーター工事がやっと終わる」って書きましたが、
終わっていません

この前見たら、令和8年3月までかかる、って書いてありまして…
時間かかりすぎでしょー



一体何がどうなれば、地上から地下1階へのエレベーター工事に5年もかかるんだ

出口封鎖するのやめてほしい、非常に不便なんです

では、今日はこのワインを紹介します

ずっと前にも紹介した事ありますが、覚えてる人まずいないだろうなぁ…
2017年に訪問しました ↓
https://cave-mitsukura.seesaa.net/article/453254724.html?1749365595

ボングラン

マコン・クレッセ キュヴェ・ボトリティス1994
ヴィレ・クレッセ キュヴェ・ルヴルテ2017
ブルゴーニュ南部、マコネーの白ワインです

ですが、普通のマコンとな全く違います。
今日のワインはシャルドネ100%の貴腐ワインなのです

何年ぶりかに再輸入されました

非常に珍しいシャルドネの貴腐、てんちょ、これ以外に見たことありません

作っているのは、マコネーの中央にあるヴィレ・クレッセの生産者であるボングランです

以前はテヴネ・カンテーヌと名乗っていましたが、別のテヴネがありまして、そこのクレームが間違ってくるそうで…
だから改名したそうです。
先に産地の話をしますと、
マコン(またはマコンヴィラージュ、これは白のみに認められています)が最も広域をカバーする名称で、白ワインが圧倒的に多いのが特徴です。
コート・ドールに比べてAOCの規制も緩いので、値上がりしているとは言え、北よりも比較的安価なワインを沢山作ってるところが未だに多くあります。
その中で、
ヴィレ・クレッセ
プイイ・フュイッセ
( ↑ この隣にプイイ・ロシェ、プイイ・ヴァンゼルもあります)
サン・ヴェラン
が、単独のAOCを名乗る地区なのですが、この辺、よく分かっていない方がきっと多いと思います

特に、1級ワインの生産が始まったプイイ・フュイッセは、似た名称の畑が多かったり、そもそもふゅいっせって言いづらいし。
ヒュイッセじゃダメなのでしょうか???

この辺り、あまり飲む機会がないととくに覚えられませんね

しかし、今日のヴィレ・クレッセは結構分かりやすいのです

プイイなんちゃら以下が全てマコネの最南端(ボジョレーとの境界付近)にあるのに対して、ヴィレ・クレッセはマコネの真ん中にあるんです


地図はブルゴーニュワイン委員会より
赤い矢印の場所、ヴィレという村と、クレッセという村の名前をくっつけただけ。
(産地呼称なので当然ですが)
ペサック・レオニャンと同じ

このヴィレとクレッセの間にカンテーヌという集落があって、ボングランの蔵はそこにあります。

グーグルマップより
何代にも渡って畑は受け継がれてきましたが、今の名声を築いたのはジャン・テヴネ氏です。
彼は早い時期からシャルドネのみを栽培し、樽は一切使用せず、自然酵母による手を加えない醸造を貫いてきました。
マルヌと呼ばれる白い土壌がシャルドネに向いているそうです(ちょうどシャンパーニュの石灰質と同じだとか)
彼が蔵を継承した1972年頃にはそんなことをやる人は皆無で、みんな農薬いっぱい使って、亜硫酸は添加して、フィルターも通す、それが当たり前だったんです。
今は息子さんのゴーティエさんも一緒に仕事をしています

お父さん、地元でも仲間に尊敬されています

こちらでは収穫はすべて手摘みです

これはマコネでは珍しい。
マコンは広い産地で沢山の生産者がいますし、大規模な農協もあります

広い畑を有する所有者は、機械でガーっと収穫するところが多いのです。
しかも、他の生産者よりも1か月程遅く収穫するのです

さらに蔵では珍しい横型のホーローの発酵槽を使用していますが、これが牛乳の保存用らしい ↓
対流が起こりやすくて、手を加えなくてもいいらしい。
発酵が終わるまでほったらかしなので、1年たって発酵が終わってないこともあるそう。
しかも、理由が不明らしいのですが、先にMLFが起こって、その後に続いてアルコール発酵が起こることがあるらしい。
えー??
謎過ぎる。
そんなボングランの通常のマコンヴィラージュ、一番安価なワインですがとてもいいワインです


黄金色の外観ですが、樽を使っていないのでとてもクリーン。
ブドウの出来がいいのがすぐにわかります

幅広い食事に合いますし、これだけでも非常に美味しい

唯一、値上がりして5000円超えたのが残念です

このようにレベルの高い蔵なのですが、今日のワインは更に希少です

キュヴェ・ボトリティスは貴腐ブドウ100%の甘口
キュヴェ・ルヴルテは貴腐混ざりの中甘口
なのです。
ボングランでは所有する区画の一つに川の側の畑があるのですが、10月後半から11月にかけて、川から霧が昇ってくるそうで、それが貴腐菌をブドウに付着させるのだそうです。
これは非常に限られた環境で起こる現象で、どこでもできる訳ではありません。
しかも、これには雨が降らず、気温が下がることが条件ですが、周りの農家がとっくに収穫を終えているところ、1か月以上も待つというリスクを冒して挑戦しなければなりません

雨が降ったら、おしまい。
貴腐がつかなくても、おしまい。
その年のその区画のワインはなし、です

ですから、温暖化で最近は貴腐が付く可能性が低く、収穫を待つことはほとんどないそうです

まぁ、そうなりますよね〜
てんちょがこちらを訪問した2017年の時点で、ここ20年間で100%の貴腐ワイン=キュヴェ・ボトリティスが生産できたのは、僅かに、
1994
1995
2000
2001
2006
の5ヴィンテージのみ、だそうです。
その後も生産があったとは聞いていませんが。
蔵では2006年のボトリティス(ハーフ)と2005年のルヴルテを試飲させてくれましたが、どっちもすごく美味しかったです

いい甘口です〜
まるではちみつ&紅茶キャンディでした

香りが複雑で余韻が長く、雑味なし。
完璧な甘口です。
シャルドネって言われても分かるだろうか、って思いました。
と、そんな貴重なワインが2つ入荷しました。
ボトリティスは流石に立派なお値段です(渋沢君4人)
ルヴルテ(うさぎの事、ブドウの色が茶色くなってうさぎの色になるから)でも一人と半分くらい。
しかし、飲む価値は高いです

最後にうさぎの色ってこんなです ↓
どなたかのSNSより、たぶんボジョレーの誰か