2025年06月30日

甘口のピノノワール


日傘の男性も増えましたね、いいと思います
こんなに暑いし、日差しを避けるべき

今日で6月もお終い。
2025年も半年終わってしまったんですねー、毎年早い




今日は大人気生産者のマイナー?ワインを紹介します

IMG_4815.jpg

エグリ・ウーリエ ラタフィア・ド・シャンパーニュNV

エグリ・ウーリエの名前は知ってる方が多いと思います
シャンパーニュでピノノワール・レコルタンのトップと言っていいでしょう

ワイナリーはモンターニュドランスの南部、アンボネイにあります。
車がないと生活に不便そうなのどかな場所です

エグリ・ウーリエは家族経営のシャンパーニュメーカーとして1930年にスタートした作り手です。
ですが、現当主(4代目)のフランシス・エグリ氏 ↓ が1990年に事業を継承するまではほとんど知られていない銘柄でした。

エグリ・ウーリエ.png
輸入元HPより拝借 お嬢さんも一緒に仕事しています

今とは違い、それ以前のシャンパーニュは輸出も消費もほぼ大手メゾンの物で、世界でも(もちろん日本でも)シャンパーニュの銘柄が10個言えたら「かなりの通」だったような状況です。
(MNやRMなんて誰も知らないし、スティルワインが世界的に売れ出した時期で主流はボルドーだった時代です)
35年前にワイン通の日本人なんて、本当に僅かだったの分かりますよね??

当時は私も産地なんてちんぷんかんぷんでした
今では市場も自分も大違い
変われば変わるんだなー(遠い目)


フランシス氏は、まずブドウ栽培から見直し、出来るだけ手を加えないシャンパーニュ作りにシフトします。
更にブルゴーニュの手法に倣って(ドミニク・ローランに師事)新樽発酵を導入し、アンボネイのテロワールを表現したバランスの良い高貴なシャンパーニュを作り上げ、非常に高い評価を受けました

てんちょ、ちょうど2004年くらいのレコルタンブームの時にシャンパーニュ屋だったので、よく覚えています

エグリ・ウーリエ
ジャック・セロス

(↑ 今でもこの2大巨頭は健在ですね)
をはじめとして、

エリック・ロデス
ガティノワ
アンドレ・クルエ
(RMじゃなくなりましたが)

…シャルドネで挙げるべきって誰かなぁ、他に絶対この人っていうのが思い浮かばない(自分がPN贔屓だからかな

アグラパール
ロベール・シャルルマーニュ
ピエール・モンキュイ
ペルトワ・モリゼ


いい作り手は他にも沢山あります
(家族経営でもブドウ調達の有無によってレコルタンではない作り手もいますので、厳密に全て今もRMか分かりませんので悪しからず)

エグリ・ウーリエもジャック・セロスとブドウの交換をしていて、それぞれお相手のブドウを使ったキュヴェを生産していますが、
ラベルの表記はRMになってますね



エグリ・ウーリエの他のシャンパーニュも順次入荷して来ますが、
今日は店頭にたった1本しかないラタフィア・ド・シャンパーニュの話にします

シャンパーニュ地方のワインには発泡性のワインしかないと思っている方も多いかもしれませんが、少量ではありますが普通に赤白ロゼワインの生産もあります
コトー・シャンプノワ
ロゼ・デ・リセイ
という名称でそれぞれAOC認定されています。

特級アンボネイやブジー、アイなどのピノノワールは質が高く、普通に赤ワインとしても美味しいものが多いです。

ですが、中世の時代にそうであったように、スティルワインを作るとどうしてもブルゴーニュと比較されちゃう、ライバル関係にあるので、多くの生産者はわざわざやりませんね
てんちょ、個人的にコトー・シャンプノワが好きなので、生産者とも話をするんですが、
「ブルゴーニュと比べないでほしい」ってよく言われました

いやいや、大丈夫。
これはこれ、あれはあれ、と思っております



そして、もう一つシャンパーニュ地方にあって、シュワシュワしないワインが今日のラタフィア・ド・シャンパーニュです

このワインは知識として知っている人はそれなりにいるでしょうが、現実の生活で身近にあるという人は極稀だと思います。
それくらい生産も少ないマイナーな存在なのです。

ラタフィアとはブドウ果汁にブランデーなどの蒸留酒を混ぜて作るお酒の事です

ブドウの甘さがあっても、アルコール度数が上がるので発酵が起こりません。
それ故、アルコール度数が高め(15〜20%程)でも甘口になります

ほとんどはブドウ栽培家の自家用酒として作られていたので市場に出回らず、それは今も同じでマイナーなままで今日に至っています。

因みに、こういう製法のワインを、ヴァン・ド・リキュールと言います。

似たものに、発酵途中のブドウ果汁にブランデーを添加して発酵を止めて作るヴァン・ド・ナチュレルがあります。

どちらも酒精強化ワインに分類されており、シェリーポートと同じ仲間です。

フランスのヴァン・ド・リキュールでは、

コニャック地方のピノー・デ・シャラント
アルマニャック地方のフロック・デ・ガスコーニュ
ジュラ地方のマクヴァン・ド・ジュラ

が有名です。
この3つのヴァン・ド・リキュールはAOCに認定された銘柄です。

が店頭で扱ったこと1回くらいしかない…
ラタフィア・ド・シャンパーニュの方は今の在庫も含めていくつかあるのに ↓

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AOC認定のヴァン・ド・ナチュレルよりも有名かもしれないのですが、
ラタフィアは長らく法的な認定がなく、規制のない自由なお酒だったのです
(ある意味やりたい放題)
「まぁ、自家用ですし、別にいいんじゃないでしょうか」って感じで放置かなぁ。

それ故か、シャンパーニュ生産者委員会の公式サイトにもにも言及がありません。

しかし、最近シャンパーニュでは優良生産者が質の高いラタフィアを販売するようになっていて、しっかり法的な保護が必要になってきています。
自由なお酒は残念ながら質の低下もセットになるので、販売となると規制は必要です

現在はラタフィア・ド・シャンパーニュという名称も、コトー・シャンプノワと同様に法律で保護された(IGP認定、つまり規制がある)ワインになりました
これが2015年らしい。
随分遅かったんですね。

まぁ、法整備の背景はさておき、

エグリ・ウーリエのラタフィアは非常に少なく、珍しいのです

ピノノワールの果汁にマールかブランデーを添加して作られたらしいですが、詳細不明
甘口、とだけ。

てんちょ、エグリ・ウーリエのコトー・シャンプノワは飲んだこと何回かありますが、ラタフィアは一度も口にしていません。
知り合いがラタフィア好きでたまに購入してると聞いて、「粋だねぇ」と思ったものです

一度に沢山飲むお酒ではありませんが、食後や寝る前に少しずつ飲むには良さそうですね
やっぱり「流石エグリ・ウーリエ」ってなるんでしょうか。

店頭には1本しかありませんし、渋沢君が1人と津田さんも1人(とあとチャリン)必要ですので、お手頃とは言えませんが。
飲んでみたい〜
誰か買ってほしい〜


なんか今日は中身がグダグダになってしもた












posted by cave MITSUKURA at 15:39| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする