今日は雨
これから一雨ごとに気温が下がっていく季節ですね
そう言いつつ、何だかんだまだ蒸し暑いんだなぁ…
今日は久しぶりに入荷しました、こちらを紹介します
ジュゼッペ・クリンタレッリ アマローネ・デッラ・ヴァルポリチェッラ2017
アマローネの最高峰、ほんとに久しぶりです
今日のワインはイタリア、ヴェネト州の赤ワインです
ヴェネト州には観光地で有名なヴェネチアがありますが、ワイン産地は海から離れた内陸です。
世界で最も飲まれているらしいスパークリングのプロセッコもヴェネト州のワインです
イタリアの白ワインで知名度の高いソアベもヴェネト州で作られています。
今日のアマローネは特別なワインです
ヴェネト州のヴェローナ地区のワインがその元になっていて、コルヴィーナという土着品種を主として作られています。
ヴェローナと言えば、「ロミオとジュリエット」の舞台になった町ですが、この町の北に広がる丘陵地帯がヴァルポリチェッラです。
ミラノから車で2時間くらい、ガルダ湖に近い場所です。
クインタレッリはここ ↓
残念ながらHPなし
一度訪問してみたい
アマローネは発祥がはっきりわかってる新しいワインです
このヴァルポリチェッラのワインにはレチョートと呼ばれる甘口があり(赤ワインの甘口です)、この地の生産者はまろやかな赤と一緒に甘口も作るのが慣例でした
戦前は甘口の方が人気がありました、現在でも生産はあります。
1938年にヴァルポリチェッラで最古の協同組合であるカンティーナ・ヴァルポリチェッラのセラーで、置き忘れられて糖分が完全に発酵してしまったレチョートの樽が見つかり、試飲してみたところ、甘さはなくなっていたものの豊潤でコクの深いいいワインだったそうで、それ以降このコクを出すような醸造が行われるようになった、というのが誕生秘話です
…ヴァンジョーヌみたい、置き忘れた功績って意外と多いですよね
ロックフォールとか。
甘さが完全発酵により失われて苦くなっていたものの、とても深い味わいで、単に苦い=アマーロではなくて、偉大な苦み=アマローネと名付けて販売したのが最初です
(かなり駆け足の解説ですんません)
その後、1968年に正式にDOCの許可が下り、広く誰もが生産できるワインとなりました
それまではこの組合だけが30年くらい独自ワインとして販売していたんです。
さて、このアマローネですが、干しブドウを圧搾して作っています
(イタリアでパッシートと呼ばれる製法です)
収穫したブドウを籠(または棚)に並べて3か月ほどかけて乾燥させます。
そうすると水分が減り、糖度の高いブドウになりますので、それをゆっくり発酵させますが、アマローネは辛口なので残糖を残さずしっかり発酵させて作ります。
アルコール度数は(DOC認定当時から)14%以上必要で、最低2年の熟成が義務付けられており、レゼルバになると4年です。
しかし、たいていの生産者はもっと長い熟成でしっかり味を落ち着けてから出荷しています
手間暇かかった大事なワインです
クインタレッリでは、ブドウの出来が良い最高のヴィンテージにだけ、このアマローネを生産します
出来栄えに納得しない年には販売しなかったこともあるほどの拘りです
毎年ある訳じゃない。
天然酵母を使用、スロベニアンオークの大樽で7年熟成の後に瓶詰めされます。
妥協なしの完璧主義で知られたクインタレッリの3代目当主のジュゼッペ氏が蔵の名前を一躍有名にしました
輸入元HPより
今ではアマローネと言えばクインタレッリをおいて他にないほどの最高の評価を受けています
残念ながらジュゼッペ氏は既に鬼籍、今は娘さんとその息子(孫)のフランチェスコ氏が仕事を継いで、彼が醸造家を務めています。
(てんちょ、ミツクラに来たばっかりの頃に訃報を聞いて、不謹慎ですが在庫を買いまくった覚えがあります
その当時3万円くらいだったでしょうか。
きっと今は良い飲み頃になっているでしょうが、もちろん店頭はおろか手元にも1本もありません。
例にもれず、このアマローネも値上がりしてます。
渋沢君5人と少し
ひょえー
クインタレッリには同じ製法でカベルネで作るアルゼロというワインがあり、こちらの方が高額です。
これも非常に美味しいですよ
どちらも非常に凝縮したワインで、緻密で重くエキスがぎっしり詰まったワインです
香りも重厚で、甘く複雑です。
味わいは何といっても余韻が長い、喉奥から戻るような官能が最高です
今日の17年ではまだまだ若いので、余裕がある人は5年から10年待った方がいいです
すぐに飲む方は早目の抜栓で、デキャンタージュしてください。
変化が楽しめるので、ゆっくり飲むのがおすすめです
ラベルの字はジュゼッペ氏のお嬢さん(と言ってもいいお年ですが)の手書き
くせ字で読めないかも
自分も飲みたい〜
名古屋のワインショップカーヴミツクラの店長のブログです


