トランプ大統領の来日で東京の交通は大変みたいですね
何年か前の名古屋のサミットかなんかでも、めちゃくちゃ迷惑でした
もう来てほしくない、名古屋はほっといてくれたまへ
店頭にはちょっと珍しいブルゴーニュが入荷してきました
シャトー・ド・ラ・マルトロワ
オスピス・ド・ボーヌ ヴォルネイ1erサントノ2016 キュヴェ・ゴヴァン
長い名前。
オスピス・ド・ボーヌ買ったの久しぶりです
シャトー・ド・ラ・マルトロワは前にも紹介していますが、コート・ド・ボーヌのシャサーニュ・モンラッシェの生産者です。
15世紀にすでに記録が残るこの古いシャトーを、1940年にダニエル・ピカールが購入して始まりました。
現在はお孫さんが栽培・醸造の両方を担っています。
通常のラベル
↑ 最高峰のバタール・モンラッシェを始めとして、シャトーの真ん前にあるクロ・デュ・シャトー・ド・マルトロワは単独所有の区画です
いい眺めでしょうねぇ
さて、今日のワインはご存じ、オスピス・ド・ボーヌのオークションで落札されたキュヴェです
ボーヌの中心にあるオスピス(施療院とよく訳されていますが、中世の貧しいキリスト教徒のための病院です)が持つ畑のワインを競売で売って、その運営費や慈善活動に充てています。
競売は毎年11月の第3日曜日に開催され、金土日の3日は栄光の3日間と呼ばれます
チャリティーの精神で、多くの有名人が落札に訪れています。
この施療院跡は、今は病院経営はもう行っていませんが、クロ・ド・ヴージョにあるシャトーと並んで、ブルゴーニュを代表する歴史的建造物です。
観光客として見学可能です(てんちょ、入ったことありませんが)
中世の時代から、貴族を中心とした裕福な人たちは社会奉仕を行うことが義務であり、名誉でもあったため、自分の持つブドウ畑をオスピスに寄進し、慈善活動に役立ててもらおうとしてきました
これで天国へ行けるって訳です
オスピス・ド・ボーヌのワインは、ブルゴーニュの他のワインと同様にAOCに則った名称が付いていますが(当たり前ですけど)、キュヴェ〇〇と寄進者の名前を入れてラベルに記載されています
今日のボトルだと、寄進者はベルナール・ゴヴァン氏。
Bernard Gauvinさん、1804年に自分の全ての財産をオスピス・ド・ボーヌに寄付しています。
オスピス・ド・ボーヌの歴史でも有名な貢献者らしい。
…きっと親族ではもめたんだろうなぁ、とか つい、余計なことを考えてしまう俗物なわたくし
ワインはヴォルネイの1級、サントノです
このカメレオンな区画を知らずしてブルゴーニュワイン通にはなれません。
有名なので知ってる方が多いかと。
ヴォルネイ・サントノの区画はヴォルネイの南にあってピノノワールが植えられています ↓
南はムルソーです。
しかし、このサントノという区画は実際にはムルソーにあるんです
青い線が村の境界です ↑
ですから、ムルソー1級としてのサントノもあるんです
(例えばダンジェルヴィーユが素晴らしい白を作ってます)
赤を作ればヴォルネイ、白を作ればムルソーと名前を変えることができるカメレオンな区画なんです
今では絶対に新しくは認められませんね。
なぜこうなったかと言うと。
ヴォルネイは中世にはトップのブドウ畑で、フランス王室を始めとして沢山の名門貴族や大修道院が所有していました。
ヴォルネイは赤ワインで有名で、ヴォルネイワインを嗜まないのは野暮の骨頂、ヴォルネイワインの味を知らないのはグルメの恥、くらいの人気ぶりだったんです
その反対に、ムルソーは優れた白ワインが高く評価されており、髭や服を汚すことなく楽しめる白が評判でした。
ですから、この区画の所有者は、
ピノノワールを植えればヴォルネイの赤ワインとして、
シャルドネを植えればムルソーの白ワインとして、
ワインを販売していたんです。
人気にあやかった名称チェンジ、賢いというか、狡猾というか
こんな区画はここくらいでしょうか。
「コウモリな」ワインです、面白いですね〜
という、今日の赤ワインですが、
醸造は非常にナチュラルで、100%除梗して自然酵母で発酵させています。
一部樽を使用していますが、新樽は多用していません
てんちょ、飲んでおりませんので味のほどは不明ですが、2016ですしいい飲み頃になっているのではないでしょうか
輸入元の在庫もあっという間に減っています。
興味ある方はお早めにお買い求めください
名古屋のワインショップカーヴミツクラの店長のブログです


