曇ってますが暑い
夜も朝も全然涼しくない
今日も泡のお話。
先日、大阪へセミナー参加のために行ってきました。
大阪も名古屋と同じでめちゃくちゃ暑かったです
参加したのは、シャンパーニュ ニコラ・フィアットのセミナーです
ニコラ・フィアットは知ってる方が多いでしょう
今年2026年で創業50周年という節目を迎えます
シャンパーニュ最大の協同組合
(少し前までは)創設者が存命の唯一の大手ブランド
こういう宣伝文句を聞いたことがある方いますよね?
しかし、これで「あれ??」って思った方、あなたは鋭い
協同組合なのに創設者って?
協同組合なのに個人の名前だよね??
と思うのはごもっともです
(ここを知らない人が結構多い)
ニコラ・フィアットは元々、ニコラ・フィアットさんが1976年に立ち上げたシャンパーニュ・メゾンです
彼はフランスのワイン商の家に生まれ、アメリカでコーヒーの輸入で成功して財を成しました
アメリカでの販路を持つ彼は、フランスの生活様式をアメリカで紹介する手段の一つとして、自身の50歳の節目にシャンパーニュを作って販売することにしたのです。
ちょうど、その時期はオイルショックが収まった後で経済成長の真っただ中でもあり、お金持ちになっていくアメリカ人にとって成功の証でもあるシャンパーニュが非常にウケたのです
ニコラ・フィアット氏は、自家用ジェットを持っているような裕福な友人(ジェットセッター)が多く、彼のシャンパーニュはステータスシンボルとしてすぐに受け入れられました
と、ここまではニコラ・フィアット単独の成功のお話です。
現在の協同組合の母体には別の起源があります
シャンパーニュの生産は(現在でも)大手メゾンがその大半を占めており、ブドウ栽培農家はブドウを買ってもらう立場にあります。
今ではブドウを作ってる方が強いくらいなので良いのですが、1960年代にはこの関係が非常に一方的で、買い手の言うなりの価格で売らざるを得なかったり、農家の立場は弱いものでした。
そこで、農家を団結させ、自分たちにも相応しい見返りと報酬を得るべく、協同組合が作られたのです。
ブドウ栽培農家は数がとても多い
栽培家によって規模や収入に大きな差がある
各村での独立気質が強い
このような農家側の抱える問題も解決しつつ、安定した正当な収入を得るために組合が作られたのですが、唯単に農家の集合体ではうまくいかなかったでしょう
皆、もちろんお金は欲しいですが、意見はそれぞれあり、簡単に対立、離反してしまうような独立心旺盛な農家ばかりなんです(フランス人らしい)
きっといいまとめ役がいたのでしょう。
1904年8月21日に「シャンパーニュ組合連盟(Fédération des Syndicats de la Champagne)」が設立
1919年「シャンパーニュ・ブドウ栽培者総組合(Syndicat Général des Vignerons de la Champagne、略称SGV)」へと改組
(この間に1911年の暴動が起こっています)
組合は、
シャンパーニュの原料調達地域の法制化
製法の厳格化
AOCシャンパーニュの名称の確立のために尽力、同時に供給農家の地位向上にも大きな役割を果たします
今では嘘みたいですが、昔は中身もブドウの産地も何でもアリ、でした
この組合SGVを戦後すぐから率いていたのが、アンリ・マカールという方です(既に故人)
彼は非常に信頼された人格者だったようです。
彼は1946年から1960年までこの組合の会長を務め、1972年に果汁保管の拡充を目的に別の組合、Centre Vinicole de la Champagneという組織を作ります。
その後出会った二人、アンリ・マカール氏とニコラ・フィアット氏はお互いの理想に共感し、1986年に両社は合体。
現在のニコラ・フィアットとなったのです
個人ブランドと協同組合が合併したという珍しい背景の上に現在のニコラ・フィアットがあります
ジェットセッター御用達としてアメリカで成功したニコラ・フィアットですが、フランスでは別の販売方法を取ります
エアーフランス、コンコルドで採用される一方で、スーパーマーケットでも販売するなど、
高級品でありながら気軽に飲める
特別な日じゃなくても楽しめる
と、逆張りなキャンペーンでフラン人に身近な存在となり、2012年には「フランス人が最も好きなシャンパーニュ」に選出されています
それ以降、常に上位をキープ。
日本のスーパーで売ってイメージを落としたランソン、高級路線にシフトしたくてスーパーでの販売をやめたデュヴァル・ルロワとは大違いですね
2017年にはシュウイイの社屋を新設し、モダンで巨大な工場が出来上がっています
ここねー、行くのおすすめします
本当に何もかもが大きい、スケールが違う、すごいですよ。
と、ここまでが成り立ちの話。
セミナーには、醸造責任者のギョーム・ロフィアン氏が来日
ニコラ・フィアットで2014年から12年に渡って働いています
今回もやはり変化への対応についての話が多く聞かれました。
気候変動=温暖化対策はもう、どの生産者にあっても必ず話題になります
ニコラ・フィアットでは、他と同じく、
酸とアロマの両方をキープする収穫のタイミングの模索
MLFしないリザーヴワインの拡充
同時にリザーヴワインの寿命を保つため、最も良い果汁をリザーヴワインにする
酸を増やす酵母、品種の研究
等、様々な取り組みを行っています。
ニコラ・フィアットの強みはやはり組合員の多さにあります
5000もの農家が加入しているので畑もシャンパーニュ全体に渡っています。
所有畑は2540ha、これはAOC全体の8%にもなります。
こうした背景により、確保できるブドウの多様性も高く、VTに合わせた選択が可能になっています
団結こそ力、という理念です
ニコラ・フィアットはあれだけ巨大で、あんなにたくさん作っているのに味がブレず、いつも美味しい
不思議でならないですね、よくできるな、と。
また、ドサージュはアッサンブラージュの最終段階としての役割がある、という話がありました。
こういう意見は初めて聞きました
単に糖分を調整するだけでなく、瓶熟中の変化に対応してバランスを取ることを考えているそうです
なるほどねー
試飲は6種類。
パルムドール2006のマグナムまで飲めました
美味し〜(当たり前)
更に会場には、日本セールスマネージャーのジャン・フランソワ・ラガルドさんがいらっしゃいまして。
以前ミツクラでシャンパーニュ、ティエノのセミナーをやってくれた方です
今はニコラ・フィアットも手掛けているそうで、是非ニコラ・フィアットのセミナーもやって欲しいと思っています
多分、実現するはず、またお知らせします〜
お土産までもらえました ↓
ニコラフィアットはシャンパーニュの中でも高品質でお手頃価格という嬉しい存在です
是非飲んでみて下さい
名古屋のワインショップカーヴミツクラの店長のブログです



