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ヴァインバックはフランス、
アルザスの老舗ドメーヌです

大規模企業の少ないアルザスですが、ヴァインバックは比較的大手の老舗として真っ先に名前が挙がるドメーヌと言っていいでしょう

このドメーヌの起源は
中世のカプチン修道会にあります。
1612年に設立されたこの修道院の建物は、一番最初の特級畑に認定された
シュロスベルグの真ん前にあり、そこを所領と共に継承したのが
ヴァインバックです。
(capucinsでカプチンですが、フランス語ではカプサンと読ませています)

HPより、いい眺め
↑ これより南に、フルシュテンタム、マンブール、とグランクリュが続きます

1819年に現在の
ファレール家の物になり、2代目のテオ・ファレール氏の時代に大きく成長しています。
(ラベルのドメーヌ・ヴァインバックの文字の下に、ファミーユ・ファレールの表記があります。
筆記体読みづらいですが頑張って解読してください)
今でもその功績をたたえて、良いワインに名付けられるキュヴェ・テオというオマージュクラスのワインがあります

ヴァインバックは家族経営ですが、作るワインの種類が沢山ありまして、
どれがどれなんだか、となりがちです

てんちょ、未だにそうです
今回も全貌が分からなくて、えーっと、これはどれだ…?? ってなってました

ややこしいのは、各ワインの上級キュヴェには歴代の功績者の名前である、
テオ
コレット
ローレンス
サン・カトリーヌが付けられる物がある、と言う事です。ない物もあるから分かりにくい

更に、修道院由来の区画で
単独所有のクロ・デ・カプサンに生産する全ての品種が植えられている事もややこしさ倍増。
えーと、簡単に説明すると、
まず、一番基本の品種別のワインで区画の名前がないワインがあり、
その上に単一区画のワインがあり、
最上級に、特級グランクリュがあります
この3ランクの中にキュヴェ名として人名が付いたワインがある、という構成です

それぞれに
品種が併記されていると、同じ区画の品種違いがあるので、めんどくさいでしょうか

ラベルの読解と共に整理して記憶する必要あり

初心者泣かせかも。
では、ワインの説明を簡単に。
1.シルヴァネール2020 ドメーヌの真ん前の平地の畑で単独所有のクロ・デ・カプタンに植えられたブドウから作られます。
(ですが区画名が書かれていないのはグランクリュ4品種じゃないからでしょうか??)
シルヴァネールはドイツのフランケンが良く知られた産地ですが、酸味がありながら華やかな香りのするさっぱりした辛口。
キリっとした品種が少ないアルザスでは
貴重なシャープタイプです
2.ピノブラン2019 優しく香るフローラルな印象通りの優しい辛口です。
ブルゴーニュにあるような強い酸味はあまり感じません、
軽めの作りで繊細さが魅力です。
冬はあまり冷やし過ぎない方がおすすめですが、一番香りと味の良いバランスになる温度を探ってみてください。
フルーティさを楽しむワインですが、ブドウ由来に記述無し、残念。
3.ピノグリ クロ・デ・カプタン2020 これも単独区画からのワインです。
甲州みたいなピンク色のブドウが
「グリ」です(ゲヴェルツもグリです)
ピノグリも酸味が穏やかでフルーティな物が多いですね、甘い香りがする物も多いですがこれは辛口。
これも
フルーティですね、ピノブランよりはコクがあります
4.ゲヴェルツトラミネール レ・トレイユ・デュ・ルー2020 こちらはクロ・デ・カプタンの隣の区画からだそうです。
すぐにそれとわかる
ライチの香りですねー
とろみがあるような液体ですが、酸がなさ過ぎて食事と共には沢山飲むワインじゃないかもしれません。
冷やして繊細さと後味を楽しみたいですね
5.ピノノワール クロ・デ・カプタン2019 8本中で唯一の赤ワインです。
こちらも単独所有のクロ・デ・カプタン、生産量が年産僅か
3000本しかありませんので貴重です。
透明感のあるスグリ、フランボワーズの風味が楽しめます
6.MVO マセラシオン・ヴォーゲルガルテン・ゼロ・アントラン2020 MVOは頭文字を合わせた略語です
これ以下3本はヴァインバックが新しく始めた
オレンジワインです。
てんちょ、オレンジワイン正直あんまり得意じゃないんですが、これは感動的に美味しかったです。
単独で飲んでも和食屋さんでも非常に感動しました。
このブログで過去に書きましたのでそちらを参照してください ↓
https://cave-mitsukura.seesaa.net/article/490853938.html7.RWO リースリング ウォルフレーベン・ゼロ・アントラン2020 こちらは
リースリングのナチュールワインで、同じく酸化防止剤無添加です。
この2020年がファーストヴィンテージで、ステンレスタンクで澱と一緒に10ヶ月熟成しています。
オレンジワインじゃありませんが(果皮は除いてますので)、コクが楽しみです。
8.RBO リースリング ラ・ビュット・デュ・カルヴェール・ゼロ・アントラン2020 これもリースリングのナチュールワイン、酸化防止剤無添加。
同じく2020年がファーストヴィンテージ。
こちらは
特級マンブールの中にあるリトルバックという区画のリースリングを使用していますが、特級の表示は無し。
何か名乗れない製法上の理由があるかもしれませんが、ヨクワカラナイ。
生産たったの
1800本です。
てんちょ、7と8は飲んでいませんので想像の味わいですが、
期待は大きい
ナチュールワインやオレンジワインに取り組むってきっと大変です。
だからこそ、蔵のプライドをかけて変なワインは作れない、って思ってるはず。
味には期待したい。
老舗のヴァインバックも良い変化を遂げていますね

輸入元では全て完売していますが、ミツクラの店頭には、2.5.7.8.が少し残ってます

買いたいかはお早めに。
しっかし、
ヴァインバックの資料を見てると一度も買った事がない(買えていない)ワインが、まだめちゃくちゃ沢山あります

どれも美味しそうだなぁ〜
しかし、1vintageに限っても、
どんだけあるの、って位くらい多いですね

では、あとは
自分との戦いです
分析してみるもよし、
楽しく飲むもよし、
マリアージュを考えるもよし、どれもいい経験になるでしょう

ワインを飲んで覚えるには集中力が必要ですので、一生懸命やってるとかなり疲れるはず。
それを繰り返して
本当のワイン通になって行くといいですね。
討ち死にしても屍は拾ってあげましょう
