2024年12月08日

黄金色の泡


今朝は寒かったですねー
名古屋は快晴で、こんなの寒いうちに入らないって言う地域の方もいるとは思いますが


今日はこれを紹介します

アヤラ2.jpg

アヤラ A18 ブラン・ド・ブラン2018

シャンパーニュです。
写真はアヤラのSNSより拝借(以下全て同様)

店頭に箱入りでありますが、こっちの方が写真の質が高いので。

アヤラは知ってる方が多いと思います
グランクリュ・アイにある老舗のメゾン(ネゴシアン)です

アヤラ1.jpg
ボランジェに似てる

創業は1860年、創始者はスペイン、バスクの貴族出身のエドモン・アヤラです
19世紀までの創業のメゾンは20程ありますが、その内の多くがドイツ系なのに対して、アヤラはスペイン系とやや珍しい出自です。
(エドモンは帰化しており、フランス人ではあったのですが)

その為、20世紀においてイギリス・スペインの両王室の御用達となった唯一のシャンパーニュです
コネがあった訳ですね。


アヤラは現在でも独立系の家族経営の数少ないメゾンの一つです。
今はボランジェの傘下になっていますが、経営についてボランジェとのバランスを図るようなことは一切ないそうです

そーなんですね。
てんちょはてっきり、守備範囲を分けてるのかと思ってましたよ


アヤラの創業当時のシャンパーニュは甘口が普通だったのですが、イギリスの顧客から食事に合うようなもっと辛口のシャンパーニュを要望されます。
そこで、辛口好みのイギリス人に合わせたシャンパーニュを作ることになり、1865年にドサージュ20グラムの辛口を発売します

これが大当たりしまして、現在の様にシャンパーニュは辛口が主流になっていきました

…現在では20グラムのドサージュしたら十分甘口なんですが(今の規定ではセックとなります)、どれだけ甘いのが標準だったんでしょうね
甘いものがなかった時代の贅沢品です。

 
アヤラは醸造から熟成までの全てをアイのメゾンで行うハンドメイドのシャンパーニュメーカーです
年産は約100万本、30人の従業員がいて、その内の15名が醸造に携わっています。
所有する70の区画と買いブドウのキュヴェを管理し、多様性に富んだテロワールを統合して常にベストのシャンパーニュを作るべく尽力しています。
醸造家のノウハウの結晶です。

さらに所有畑の70%以上がシャルドネの畑だけあって、シャルドネのスペシャリストなのです。

アヤラはそのピュアさ、精度の高さを常に意識しており、少ないドサージュで済むような長い瓶熟を行っています
温暖化でブドウの成熟度が上がってきているので、一層ドサージュが不要になってるそうですが。


さて、今日のシャンパーニュは、2018年のシャルドネ100%のヴィンテージシャンパーニュです

良年のみの生産で最高のブラン・ド・ブランを目指して作られました。

A18は、アヤラのAとヴィンテージの18を合わせたロゴ?です。
2018年は日照に恵まれた当たり年で、質・量ともに十分で造るのが容易に思えるほどのいいブドウが取れたそうです。
瓶熟に6年かけていますが、まだ熟成の途上です

「当たり年のシャンパーニュは若いうちからバランスが良くて、それが持続する」
と先日のセミナーで来日したCEOのアドリアン・ムフラールさんが言ってました ↓

アラヤ.jpg

近年の当たり年は、
2012
2013
2016
2018
2019
で、
「2019年は今からお金を貯めておいて是非買うべき」とおっしゃっていました
温暖化で当たり年が多いかな。


今日のシャンパーニュは、ものすごくいい香りがします
甘く砂糖菓子の様な香りと、香ばしさ、柑橘のフルーツ感が混ざってとても複雑です。
色んな香りが湧いてきて、すごくボリュームがあります

あー、こりゃいいね
って思いました

味わいは優しいアタックで刺激は柔らかいですが、はっきりした酸があり、引き締まっています。
この辺りがまだ若いのだろうと思いますが、味も非常に洗練されています。
ドサージュ5グラムのエクストラブリュットですが、これでちょうどいい感じです。

てんちょ、シャンパーニュはシャルドネよりも断然ピノノワールなんですが、
これは美味しいと思います
最近、良いブラン・ド・ブランを飲ませてもらう機会に恵まれて、シャルドネもいいなぁ…なんてね

BOX入りで1万ちょっと、これはヴィンテージシャンパーニュとしては破格です

プレゼントにも最適。
こういうのを持ち寄りに持って行けばセンスの良さが光る事間違いなし

シャンパーニュファンは飲むべき1本です。






posted by cave MITSUKURA at 14:12| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年12月07日

でっかいボトルの魅力


雨は降らずとも曇天で冬のお天気ですね
乾燥による静電気も気になってきました


しばらくブログ書けていませんでした、紹介したいワインはあるんですが

では今日はこれを。

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トリエンヌ IGPメディテラネ サントーギュスト2020 マグナム

マグナムを本当に久しぶりに発見して早速買いました

今日のワインは南仏、プロヴァンスの赤ワインです。

プロヴァンスはラングドックに比べて産地が小さくて、AOCも少ないのであまり知らない方が多いかもしれません。

多くの生産者が小さなAOCを名乗らないで、
コート・ド・プロヴァンス
として販売してるので、
ベレ
カシー(カシス)
バンドール

等の名称は知っていてもあんまり見ないかもしれません

ピエールヴェールなんてもっと見ないですね…

しかし、プロヴァンスはフランスロゼブームの発祥地なんです

温暖化で暑くなりすぎて、白ブドウの収穫のタイミングが非常に難しくなってきたこの地では、黒ブドウでロゼを作って白の代わりとしようという試みが成功して、今ではフランス全体でロゼの生産が盛んになっています
ロゼが見直され、復活したのはプロヴァンスのおかげと言えるでしょう


今日のワインは広域名称のIGPメディテラネを名乗っています
所謂ヴァン・ド・ペイです。
(ボルドー品種を使っているのでコート・ド・プロヴァンスは名乗れません)

セパージュは、シラー、カベルネソーヴィニョン、メルロー(比率不明)

トリエンヌはその名前(トリ=3)の通り、3人が集まってできたワイナリーです
知ってる方が多いでしょうが、ブルゴーニュの2大巨頭、デュジャックのジャック・セイスとドメーヌ・ド・ラ・ロマネ・コンティのオベール・ド・ヴィレーヌの二人が手を組んで南仏にワイナリーを作ろうとしたのが、1980年代後半。
その後、プロヴァンスのナン・レ・パンという小村に理想の土地を見つけた彼らは、パリの友人のミシェル・マコー氏を誘って3人でワイナリーを立ち上げました。

ここ ↓

トリエンヌ.png

その際に、得意のピノノワールではなく、プロヴァンスの気候に合ったブドウを選択したのが流石です

2008年からはビオの認証を取得、ワイナリーも最新の設備を備えています ↓

トリエンヌ1.png
HPより

トリエンヌ2.jpg
SNSより

赤・白・ロゼを生産していますが、どれもお手頃でリーズナブルな価格なのが嬉しいです

少し前まではマグナムも普通に買えたんですが、最近は滅多に見なくなってしまいまして、
久しぶりに試飲出来たのですが、いい香りで味も良かったので少量ですが買えてよかったです

もちろん1万円以下、余裕です
まだまだ熟成すると思いますので、ゆっくり寝かせておきたいところ。

買えるときに買っておきたいマグナムです

今飲んでも十分楽しめますよ
クリスマスや年末年始の集まりにもおすすめです










posted by cave MITSUKURA at 14:37| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年12月01日

ギリシャワインと言えば


良く晴れてる名古屋ですが、流石に風は冷たいです


店頭にはホットワインも入荷しています
去年も扱った銘柄です。

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ジ・アグリー・グリューワイン

「おばあちゃん編んだダサいセーターみたいな柄」と言う自虐的な名前のホットワインです
いや、おばあちゃんが編んでくれたセーターは全然ダサくないでしょ

意外なことにスペイン産です
ほんのり甘口で、寒い夜には嬉しい美味しさ



今日は珍しいこのワインを紹介します

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アオトン レッツィーナ2022

レッツィーナの名前を知ってる方はどのくらいいるでしょう?
さらに飲んだことがある方は…??

今日のワインはギリシャの白ワインです
土着品種のサヴァティアーノ100%

このワインが珍しいのは、松脂風味だからです

マツヤニ、って食べられるんですか
って思っている方、私も全く同感です。


その前に、軽くギリシャワインの概要を書いておきます

ギリシャはご存知の通り、紀元前より文明が栄えており、ローマ帝国よりも古く繁栄の歴史があります。

近年のニュースでは財政危機に陥ってるのにみんなビーチでのんびりしてる国民性が印象に残っていますが
失業率が高い上に公務員だらけで、そりゃ経済が上向かないよね・・・・って思いました。

そんな4000年の歴史があるギリシャワインですが、1981年にEUに加盟したことにより、EUの基準に合わせた法整備が進められました。
(その後の法改正もありまして、てんちょが一番最初に勉強したワインたちは名称が無くなっています

それでもギリシャは独自のブドウがかなり多いので(それしかない)、イタリアもびっくりな土着品種王国になってます
これはこれであり、独自性って強みだと思います。


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WIKIより

ギリシャはヨーロッパ大陸の東南端にあり、多くの島も国土に含まれています。
ワインは4ランクに分類され、一番上はフランスのAOCに相当する産地呼称をPDOと言い(意味は同じ)、主な産地として7地域に分かれています。

マケドニア(北端にあり、主要都市のテッサロニキはギリシャ2番目の規模)
トラキア(東端の地域でトルコをブルガリアの国境地帯)
イピロス(最も小さい地域でイオニア海に面する、イタリア側に向かった地域)
テッサリア(ギリシャ本土の中央にある)
イオニア(イオニア諸島=そのまんまです、小さな島々)
ペロポネソス(同名の半島、ネメア、パトラスが有名)
クレタ(ミノタウロスの伝説の島)

あとはエーゲ諸島にもPODがあります。
なお、首都のアテネがあるアッティカとその西の中央ギリシャ地域にはPODに認定された産地がありません。

そして地名がかなり謎です。
やはりギリシャの地理には詳しくないので地名が全然分かりません
歴史に登場するような都市はまだ分かるんですが…

ワイン全体では、白ワインの方が生産が多く、白の筆頭品種はサヴァティアーノ(今日の品種)で黒ブドウではアギオルギティコとなっています。

クシノマブロじゃないんだ… ←4位でした


さて、今日のワインに戻りまして。

ギリシャののワイン法は西ヨーロッパと同じように4ランクに分類されて、それぞれ認定地域があるのは前述のとおりですが、
ギリシャではこれ以外にTraditional Designation=トラディショナル・デジグネーションと言う伝統ワインの認定があります

この伝統ワインは2つのワインだけに限られていまして、
一つは今日のレッツィーナ
もう一つはヴェルディアと言うイオニア海のザキントス島(どこ?)だけで作られるシェリーの様な酸化した風味のワインです。

…ヴェルディアって、見たことないなぁ…


レッツィーナとは。
前述したように、松脂の香りの付いたワインで、これはギリシャを象徴するワインなのです

古代ギリシャでは土器のアンフォラにワインを詰めて保管・移動させていたのですが、もちろん当時はコルク栓はなく、土器や木製の蓋を松脂で固めて密閉していました。
松脂の香りが隙間からワインに移り、独特のあの風味をもたらしたのですが、それが今でもギリシャのワインを象徴するテイストとなってる訳です。
とても風変わりなワインでもありますが、ギリシャ伝統の味でもあります
伝統的にはサヴァティアーノ100%ですが、現在では産地がギリシャ全土に広がったこともあり他品種も認められています。


この松脂風味ですが…
やはり独特、です。
(形容するに、うがい薬、とか、湿布とか、どうもいい表現が浮かびません)

見た目は黄色めの白ワインですが、香りも味もこれまで飲んだどのワインとも似ていません
多分、お一人で1本飲む感じでは辛いかも

料理も一体何を合わせたらいいんだろう…

生産者のアオトンはナチュラルワインの作り手として他のワインも作っています
暑すぎる夏が問題になっているギリシャでは納得のいくブドウにならないこともあるそうで、生産をやめて組合に売却することも考えるほどだそうです。
レッツィーナにも良質の松脂を仕入れて香りがきつすぎないように工夫しているらしい(それでもあの風味ははっきり感じますが)

名前は知っていても飲んだことのないワインって色々あるかもしれませんが。
ヴァン・ジョーヌ
ミード
キナート
レッツィーナ

経験としてみんなで1本どうでしょうか?













posted by cave MITSUKURA at 15:04| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年11月30日

木箱売ってます


今日で11月も最後、今年もアッという間に終わりです


店頭ではワインの木箱の販売をしています

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今日から。
1個500円、一人3個まで。
取り置きしません、返品できません。

あまり数は多くないので欲しい方はお早目にご来店ください

最近のワインははほとんどダンボールでの配送になってます
軽くてリサイクルも可能でエコなんでしょう。
木箱に入ってるのはある程度の高級ワインになります。
しかも、木箱を手に入れるにはケース買いしないといけないので簡単じゃありません






posted by cave MITSUKURA at 15:41| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年11月29日

ミエ来た


風が冷たくなって、手袋が欲しい季節になりました
ようやく、と言う感じ?


店頭にはフランソワ・ミエが再入荷しています

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アイテムは少ないですが、ファーストヴィンテージの2017が入って来たのは驚きです。
(ラベルの色が違いますね)
とても生産が少ないので、よくまだあったな、と。

正規品なので保管状態や来歴等は安心して購入していただけます

12月の1週目にも少し追加入荷します。






posted by cave MITSUKURA at 14:32| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年11月26日

ロベール・グロフィエセミナーに行ってきました

今日は午後から本降りですね
明日にはまた晴れるようなのでたまには雨も必要かと。


今日は大阪で開催されたロベール・グロフィエセミナーに出席しました


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ダッシュで帰る必要があったので最後尾です

招待で30名限定のようでしたが、空席が…
こんな貴重な機会に来ない人がいるんでしょうか⁉️
(途中できた方もいましたのでガラ空きではないんですが)


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今回はロベール・グロフィエからニコラさんが初来日で初セミナーでした‼️

優しい口調のニコラさん、ドメーヌの4代目として2007年から経営を継承しています。

情熱と使命感を持ったニコラさんの非常に内容の濃い、いいお話をたくさん聞くことができました✨


ロベール・グロフィエはフランス、ブルゴーニュの有名ドメーヌです。
知ってる方が多いでしょう
こちらのワインを知らずしてブルゴーニュ通になることは叶いません

人気だけに品薄で値上がりも激しいのですが、魅力の一端を紹介できたらと思います。

グロフィエは、モレサンドニにある家族経営のドメーヌです。
所有する畑は8ha、全てがドメーヌから2キロ以内にある好立地ばかりで、区画の数も僅かに8か所だけの限定来な生産者です
それぞれの区画から1つのワインを生産しており、合計で8つのワインを作っていることになります。
全て赤ワインです。

因みに、モレサンドニにシェ(醸造所)はあるんですが、モレサンドニにはレジョナルのパストグランを作る区画が国道の東にあるだけで、
他の重要な畑はシャンボル・ミュジニーとジュヴレイ・シャンベルタンにあるという、ちょっと珍しいドメーヌです

中でも特級にも匹敵するといわれる1級レザムルーズの最大所有者であることは有名ですね

これが所有する区画、全ての地図です ↓

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いいとこばっかり

グロフィエはブドウ栽培では200年ほどの歴史がある一族で、1950年代にドメーヌとして創業し、70年代に元詰めを始めています。
相続で分散した畑を買い戻して現在の優良畑を持つドメーヌへと成長しました。

今ドメーヌはニコラさんと奥さんの2人、あとは社員の方が2人の合計4人で普段は賄われており、8haの畑は4人で面倒を見るにはちょうど良いサイズだと言う事です。

ニコラさんのプライドを感じさせるお話には、
「ブルゴーニュの伝統的なワインを守り、受け継いでいく」という強い使命感が感じられます
「春の朝日のような光輝くワイン」を意識しているそうで、セミナー中にも何度も輝きという言葉が登場していました。

中身が詰まっているけれど過度な抽出ではないワイン、まさにグロフィエのスタイルだと思います
2020年より以前には何より「長熟なワイン」を目指していたと言う事ですが、今はそれは誤りで、いつ飲んでも喜びのあるワインが理想だと思うと言う事でした。

低温浸漬を行い(発効前に低い温度で果汁に果皮を漬け込んでおく)非常にゆっくりとマセラシオンを行うことで、過剰にならないように良質のフェノールだけをワインに移すように仕込みます。
機械的な作業は極力行わず、ブドウを煎じるように醸す、と。
ブドウの状態に応じて全房発酵も取り入れており、発酵中は一切手を付けず、自然に任せているそうです。

どの生産者も言うのですが、ブドウが健全であることがまず第一です。
さらにニコラさんは、
技術は後から来るものであって、それを使わないという選択、ここでやめておく、という選択が非常に重要なのだと。

あれもこれもやってしまうのではなく、敢えてやらない、ということの重要性がグロフィエのワインのあのピュアさや透明感の秘密なんだろう、と思います

こういう事って実はとても難しいです
誰でも経験があると、ついつい予防措置を取りたくなったり、もう少し置いてみようかな、と思うはずなんです。
そこを引くことができる、っていうのは理想のワイン像がはっきり分かってるから、畑の仕事に自信があるから、なんでしょうね。

2022年は乾燥との戦いになったヴィンテージで、多くの区画でフェノールの成熟度は十分だった半面、水分不足で糖度が上がり切らずにアルコール度数はここ何年かの猛暑の年に比べるとやや低めとなったそうです。
(23年にブルゴーニュに行った時にも去年は水不足で畑が収穫前に黄色くなっていた、という話が多かったです)
しかし、暑い夏があった一方で、そのアルコール度数の低さが過剰な黒いワインにならないで済んだ救済的要因だったそうです
それが2022年の長所でもあるとの事。

確かに2018年〜20年までの暑くて収穫の多い年には、ドライなタンニンが目立った外観の黒いピノノワールが多いように思います
これがブルゴーニュ?っていうくらい、アルコールが高めだったり。
疲れるワインですね。

その点、グロフィエの22年ははっきりした骨格とち密さがあって、若く溌溂としてて強いのですが、とてもエレガントでした
あの赤くて透明な外観、甘酸っぱいラズベリーみたいな果実感、香りのボリュームもあって既に複雑さがある、素晴らしいワインです。

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試飲はレザムルーズはもちろんなくて(ボンヌマールもある訳ない)、サンティとオードワの1級まででしたが、全て2022年で飲んでいないのでいい勉強になりました

ニコラさんが自身で撮影したドローンの映像を見ながら、区画の説明を非常に詳しくしてくれまして、それぞれの区画の特徴がとてもよくわかりました

レザムルーズに隣接するオードワは畑には境目がなくて同一の区画にしか見えません。
なるほど、こうなっていたのか!と納得の映像でした。
(区画の詳細な説明もありましたが長いので割愛します)


また、2022年から1級レザムルーズを2つのキュヴェに分けて別のワインとして瓶詰を行っていますが、10年ほど前から全く土壌が異なる区画のワインを別々にしたいと考えており、試行錯誤を経て22年に初めて分けることにしたのだそうです

レザムルーズ最大所有者でなけれなできない事ですね

グロフィエは株の粘土質の区画と上部の砂質の区画に丁度半分ずつの所有区画があったので、分けるにも丁度良かったみたいです
画像で見ると全く違う土壌なのがはっきりとわかります、池のそばと上部の区画では斜度も違うようです。

最近はグーグルでも区画の名前が載ってるんですね、便利〜 ↓

レザムルーズ.png
(「ヴージュ川」の表記の「ヴ」の辺りに池があります)

2つの区画を分けるに当たって、2022年は収穫も醸造も全てを同じにしたそうです
テロワールの違いを表現したかった、との事。
(しかし値段を鑑みて、飲み比べができる機会が来るんだろうか…)
ミツクラには在庫ありまっせ

2024年(今年)の多雨&日照不足からくる畑仕事の大変さへも言及があり、
「ヴィニョロンのプロフェッショナルとして絶対に収穫量を落としてはならない」という発言には、そうは言っても自然が相手だしねぇ…と決意に脱帽です。
こういう情熱があの素晴らしいワインになってる訳です


最後にグロフィエを飲む方へ、
ニコラさんから大事なアドバイスです

ヴィンテージの3年から8年の間は飲まない方がよい、ワインが長熟型へと変貌してる最中だから。
(所謂寝てるって事ですね)
どうしても開ける場合は前日に抜栓することをお勧めします。

そして、デキャンタ―ジュは決して行わないでください
どのワインでも、いつでも絶対にダメです。
そういう作りをしていないので。

です。

ブルゴーニュに限らず、ピノノワールにはあまり空気が必要なワインはないのでデキャンタは要らないですね

値段のことを考えると、気楽に飲むワインではありませんが、グロフィエは素晴らしいワインをこれからも作り続けてくれるだろうと思います


5年前に飲んだような会はもうできないだろうなぁ・・・ ↓

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これらのVTでは既に特注瓶になってますね

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…あの頃はよかった


質疑応答の途中でしたが退席するてんちょが最後尾で手を振ると、小さく振り返してくれました
「次に日本へ来るのは20年後くらいになるだろうから」って言ってました。
こっちから行くしかない〜













posted by cave MITSUKURA at 16:28| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年11月22日

やっぱり見た目は重要です


昨日はヌーボーをお買い求めのお客様にも多くご来店いただき、ありがとうございました
「去年の〇〇が美味しかったので」
と言われると非常に嬉しいです

ヌーボーの生産は減少していますので、今年もそんなにニュースにもなっていなかったでしょうか
「100年に一度の云々」がもう聞けないのでしょうか

しかし、皆様、
「ボジョレーはある?」っておっしゃいますが、違いますよ
「ヌーボーはあるか」と聞いてくださいね

もちろんボジョレー・ヌーボーはボジョレーなのですけど、
新酒じゃないボジョレーや高級クリュボジョレーもありますので。
分かっていて言ってるんじゃないであろう所が少し残念ではあります。
が、まぁそんなに大きな問題ではない

それからボジョレーには白がありますが(クリュボジョレーにはありません)、
ボジョレー・ヌーヴォーには白はないんです
そういう法律なんですよ
マコン・ヌーボーがあるんだし、あってもいいのにね



昨日からシャンパーニュとブルゴーニュでは積雪で冬景色になっています ↓

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ch.du Clos de Vougeot SNSより

ここから来年2月くらいまではブドウ樹は冬眠することになります



さて、店頭にはこれが再入荷しています

ドンナフガータ

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ブリュット2019
ルメラ2023
リゲア2023


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タンクレディ ドルチェ&ガッバーナ2020
ローザ ドルチェ&ガッバーナ2021


見た目100点

イタリアのシチリア島のワインです

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HPより、以下同様

Donnafugata-Vigneti-Pantelleria-04.jpg.jfif

南国な雰囲気〜


ワインはどれもしっかり中身があって、暑い地方なのがよく分かります。
今日のワインだと赤より白の方が濃厚かも。

ブリュットは瓶内二次発酵の本格的スパークリングです
2019年のシャルドネとピノネロが50%づつ。
瓶熟は36か月と長いので、あの香ばしいブケがあります

ルメラはロゼ、DOCシチリア
色が濃くてピンクと言うか紫色をしています。
ネロ・ダーヴォラ、シラー、ピノネロ、ノチェラ
どれも果皮の黒いブドウですので、納得の色調かも
ノチェラはシチリア土着の品種で生産の少ない希少種です。
タンク発酵の後、ボトリングして休ませてから出荷されていますので、非常にフレッシュな若いワインです
香りのボリュームがあって、みずみずしくて美味しいです

リゲアは白ワインです、これもDOCシチリア。
ドンナフガータでは11種類も白ワインを作っていますので、色んなラベルがあって楽しいです
リゲアはジビッボ100%
ジビッボはマスカット・アレキサンドリアとも呼ばれる品種でオーストラリアでは甘口ワインになったりしますが、これは辛口です。
黄金の外観で、骨格のあるワインです。
魚介によく合いますが、生よりは調理してある方がいいと思います。
流石のシチリアワインです

箱に入ってるのは、ドルチェ&ガッバーナとのコラボレーションワインです
今6種類のワインが生産されています。

赤はタンクレディ伯爵の名前ですね、ヴィスコンティの映画「山猫」でアラン・ドロンが演じてました。
これはIGTシチリア。
カベルネソーヴィニヨン、ネロ・ダーヴォラ、タナ
興味深いセパージュです
発酵後に14か月樽熟していますが、味ワイはミディアム〜フルボディで、そこまで濃厚ではありません。
食事と共に楽しむようなワインです
ちょっと若いのでもっと熟成させてみたいところです。

ロゼも可愛いパッケージです
こちらはDOCシチリア。
ネレッロ・マスカレーゼ、ノチェラ
こちらのロゼはルメラよりもすっきりしています
色からも分かる通り、軽やかな辛口なのでランチにもいいですよ。

わたくしはルメラが一番好きです






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2024年11月21日

新酒売ってます


気温が急に低くなり、空気が冷たくなりましたね〜

街も年末のイルミネーションになってます
今日の名古屋は日差しが強めの快晴です
そろそろ店内が冷える…


今日はボジョレーをはじめとした、フランス・ヌーボーの解禁日です

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ちょっと暗かったので写真撮りなおしました

マコンと一部銘柄が追加で少数ですが入荷しています

てんちょ、昨日の深夜に日付が変わってからラブレ・ロワを1本開けてみましたが、
ふくよかでバランスのいいワインでした

外観は結構な濃い色をしていますが、香りはフルーティですし、味も果実味が多くて美味しいです
酸っぱさは全く気になりません。

2024年はコートドールでは収穫が前年の40%減となっていて、オスピスでも出品がかなり少なくなったようですが、
ボジョレーではそこまでの収穫減ではなく、特にミツクラが毎年扱う自社畑の生産者は安定した品質になっています

ラピエールやルー・デュモンは去年と同じく、黒めの見た目をしています
飲みごたえありそうかな??

個人的にはまだホイリゲも飲めていないので、今月中には飲んでおきたい




ところで、ブルゴーニュ最後の1本ですが、これもらすいちになりました

フェヴレイ マジ・シャンベルタン2018

https://cavemitsukura.com/product/%e3%83%95%e3%82%a7%e3%83%b4%e3%83%ac%e3%82%a4%e3%80%80%e3%83%9e%e3%82%b8%e3%83%bb%e3%82%b7%e3%83%a3%e3%83%b3%e3%83%99%e3%83%ab%e3%82%bf%e3%83%b32018/

税込3万円以下で買えるグランクリュなんてもうないでしょう
2016も3本あります、これも非常にお値打ちです







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2024年11月18日

背後はなんだろう


おはようございます
朝から気になったので。

17日のニュースでバイデン大統領がウクライナ紛争での新兵器の使用を許可するとのニュースを見てまして。
ゼレンスキー大統領の後ろの額はミュズレボード?? ↓

スクリーンショット (1).png
youtubue TBS NEWS DIG Powered by JNNより

うーん、ぼやけてるので不確かですね。
メダルや勲章かなぁ(後日談:やはり勲章でした、そりゃそうだ)
戦争中ですしね…

…どうでもいいことでした
ウクライナもガザも早く平和になってほしい




政治と言えば、
斎藤知事が返り咲きましたね。
これは投票率が上がったことにも一因がありそうです

もうすぐ名古屋市長選ですが「選挙に行っても意味がない」と思っている人へ、それは違いますよ。
先日の衆議院選挙でもわずか数百票差での当落があったり、決して意味のない1票ではありません

誰を支持してもいいから選挙は行こう〜


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2024年11月17日

古酒だよ〜


今日も暖かいです
明日から気温が下がるそうですが、それでも11月には高めです。


店頭で最後の1本になっていた、

ロベール・グロフィエ シャンボル・ミュジニー1erサンティエ2020

ルイ・ジャド ジュヴレイ・シャンベルタン1erクロ・サンジャック2017


は無事に?売れていきました〜
お買い上げありがとうございます




今日はボルドーのおすすめを紹介します

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シャトー・オルトヴィ1999

フランス、ボルドーの左岸、メドック、サンジュリアンの赤ワインです。
25年熟成の1999年ですが、蔵出しなので安心です

オルトヴィはサンジュリアンの南あります ↓

オルトヴィ.png

ですが、シャトーは現在2級のデュクリュー・ボーカイユに買収されており、名前の付いたシャトーはありません。

デュクリュー・ボーカイユはオレンジのラベルで印象的です
個人的には大好きです。

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オルトヴィのシャトーは、傘下の旧ラランド・ボリー(現在はル・プティ・デュクリュと改名されたサードワイン)を生産するシェとして残っています。
今でもgoogleマップで見ると、買収前のテレ・グロ・カイユの名前が付いたままになってますね

2006年に前のオーナーさんがお亡くなりになり、デュクリュ・ボーカーユを所有するボリー家が取得しました。
ですから、今日のワインは前のオーナーさんの元で生産されたワインという事になります
(今のオルトヴィはラベルも違います)

テレ・グロ・カイユとオルトヴィは同じ畑のブドウを使って生産されており、80年以前から遅めの収穫でリッチなワインとして知られていました。
より樹齢が高く品質が良い物がオルトヴィとして販売されていたので、生産は少ないながら高品質でコスパの良いワインで人気がありました

畑が3.5haしかありませんので、そりゃ少ない訳です。

で、現在のオルトヴィも同じく美味しいですが、この99年は非常に状態がいいのです

蔵出しなのでラベルはピッカピカです
当然ながら液面も高くて色も黒い。
25年経ってるとは思えません

ですが、ゆっくりと変化していきますので、いきなりデキャンタにジャーっと入れるようなことはお勧めいたしません
早めの抜栓は飲む人数によりますね、一人1杯ならそれでもいいですが、直前抜栓で変化をゆっくり楽しむ方がおすすめです。
(って、飲むの早い自分が言うのもなんですが

セパージュは、カベルネソーヴィニヨン70%、メルロー30%くらいらしいですが、見る資料によって数字が違ってます
よくある事ですが…

青いカベルネの熟成した香りがむんむんします
若いワインにはないブケがしますね〜

ステーキや焼肉が相性いいかもしれませんが、てんちょは煮込みが好きなのでシチューでもいいかな。
あんまり羊な気がしません…
それにニュージーやオージーの羊は、フランスや北海道とはちょっと香りが違うので、そこは好き好きが分かれそうです。
ちょっと気にしてみてください


おすすめの一番のポイントはやっぱりお値段です
税込でも5000円ちょっと
こんなお値段でサンジュリアンの25年物が買えるって、非常に貴重です。

ただ、20年熟成なのでがあります

そこは抜栓と注ぐときに十分ご注意ください。
慣れてない方が、ぎったんばったんやってしまうとすぐに濁ってしまうので要注意です。
パニエを使えると理想的ですが、出来るだけそーっと扱ってください。

ボルドーと言えども古いお酒がどんどん減っています。
簡単に手に入らくなってきていますので。

是非、飲んでみて欲しいです












posted by cave MITSUKURA at 14:54| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする