2025年06月25日

日本ワイン3種


今日も蒸し暑い
店内は一瞬快適ですが、長くいると寒い。



今日は日本のワインを紹介します

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シャトー・メルシャン
左から
椀子シラー2021
甲州きいろ香 オマージュ・タカ2024
岩出甲州 きいろ香 キュヴェ・ウエノ2023


メルシャンから少量入荷です

左のワインから。
椀子(これで「まりこ」と読みます)は長野県上田市にあるワイナリーです
2019年にオープンして、世界で行くべきワイナリー30選にも選ばれるなど、人気のワイナリーです。

こちらのシラーは早くから注目されていますが、シラーと言えば、特有の香り=黒胡椒の香りロタンドンという成分です)が特徴なのですが、椀子のシラーには白胡椒の香りがあると言われています
甘いベリーの香りに、ほのかにスパイスが香ってくるでしょうか

発酵後、オーク樽で18カ月熟成させていますので、果実味と樽の香りが融合して落ち着いた印象になっています
もう2,3年したらもっと複雑な香りになるはずです。

年産3000本と少ないので、これまではワイナリーなど限定販売でしたが、今回広くリリースされたようで買うことができました。
もう少し置いて、ワイナリーで買ってきた限定キュヴェと一緒に飲み比べしてみたいですね



真ん中は、甲州にソーヴィニョンブランと同じプレカーサーを発見した富永先生(故人)の記念ボトルです

2000年の初め、当時「個性がなく中庸」と言われていた甲州というブドウは、ぱっとしない品種と思われワイン用の生産も減少していました
それが2003年にソーヴィニョンブランにも含まれる柑橘の香りがあることが分かり、富永先生と主にそれを生かした醸造を行うようにメルシャンが積極的に取り組み始めました。
その結果、甲州きいろ香2004というワインが誕生しました

富永先生の取り組みは2003年に本でも出版されていて(てんちょ、家を探せばあると思う)、非常に興味深く読んだ覚えがあります。
今回の2024年はそれから20年を記念して、富永先生に尊敬を現したラベルになっています。

山梨県全域からのブドウを使用、酸と柑橘の香りに着目した醸造だそうです(飲んでないので詳細不明)
ラベルがかわいい、記念のマグナムにも採用された絵本の絵ですね


右は、同じく甲州の白ワインです。
こちらは山梨県山梨市岩出ヴィンヤードの甲州だけを使っています。

甲州きいろ香の誕生のもとになった畑=上野園のシングルヴィンヤードから作られた特別なきいろ香です

岩出はメルシャン勝沼ワイナリーから北へ、笛吹川の向こう側にあります ↓

メルシャン.png

メルシャンHPから ↓
https://chateaumercian.com/aboutus/vineyards/#block05

ラベルには富永先生の愛鳥である、きいろ(と名付けられたアオガラ)とトラ(と名付けられたヨーロッパカヤクグリ)が描かれています。
こちらも年産2600本とかなりの少量生産です。
発酵・熟成共にステンレスタンクで樽の使用はありません、味は不明(すんません)ですが、清涼感のある辛口になっているでしょう

お蕎麦や冷や麦食べる時に、天ぷらがあるといいかもしれません

あなたならどれがいですか???



















posted by cave MITSUKURA at 15:49| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2025年06月24日

続 泡好き・いらっしゃい


雨の名古屋
梅雨らしい天気ですが、湿度が高くて非常に不快です
蒸し暑い〜

気象庁が「これから2週間で10年に1度の高温になる」って言ってますけど、
去年も十分過ぎるほど高温だったんじゃないの??
ボジョレー・ヌーボーみたい、毎年100年に1度って宣伝してましたよね




さて、今日も美味しい泡を紹介します

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グリュエ ブラン・ド・ブランNV

このワイナリーもずいぶん前に紹介した事があります。
覚えてる人いますかね〜

今日のワインは、アメリカ、ニューメキシコ州産という少し珍しいスパークリングワインです
瓶内二次発酵でシャルドネ100%の本格派です

アメリカのワインは圧倒的にカリフォルニア州産が占めており、オレゴン州、ワシントン州が続きます。
内陸に位置するニューメキシコ州は乾燥した砂漠地帯も多く、あまりワインのイメージがないかもしれません

真四角の州です。
州都はアルバカーキ、少し北にサンタフェがあります ↓

ニューメキシコ州.png

グリュエの事務所&テイスティングルームもアルバカーキにあります。

グリュエは同名のシャンパーニュがありますがご存じでしょうか?
名前が同じなのは同じ一族だからです

1931年生まれのギルバート・グリュエがフランスのシャンパーニュでレコルタンとしてシャンパーニュ生産をしている中で、旅行中に出会ったニューメキシコ州の自然条件を気に入り、1984年にシャルドネとピノノワールを植えます。
慣れた品種です
その後二人の子供が移住を決意、新天地でワイン作りをスタートして今に至ります

瓶内二次発酵のスパークリングワインだけを生産しています

知っている人がほとんどいませんが、ニューメキシコ州には1600年代には既にブドウ畑があったそうです。
乾燥した砂漠のイメージですが、独立以前のアメリカでブドウ栽培があったのは意外です

載せられる写真がない


今日のスパークリングワインは、シャルドネ100%、瓶熟18カ月以上なので熟成による複雑な香りが楽しめます
シャルドネの酸味も穏やかでシルキーです。
良く冷やせばキリっと、高めの温度ならふくよかな印象になります。

これだけの高品質のスパークリングワインが3000円台で買えるのは非常にお得だと思います
いつ飲んでも美味しいスパークリングワイン、シャンパーニュがかなり高くなってますのでこういう本格的な製法のスパークリングワインで代わりにするのはアリだと思います










posted by cave MITSUKURA at 14:47| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2025年06月21日

泡好き、いらっしゃい


週明けからまた雨が降るそうで、多少は気温が下がるらしい
いきなり熱くなりすぎです(← もうこの字でいいと思う)

皆様、体調を崩さないようにお気をつけてください




今日は素敵な泡を紹介します

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ヨーゼフ・ビファー リースリング ブリュット2014

ドイッッチャー・ゼクト
ドイツのスパークリングワインです

ドイツ語でスパークリングワインの事をシャウムバインと言います。
ゼクトはその内で条件を満たしたものが名乗ることができます

前にもビファーのワインは紹介していますが、久しぶりに再入荷です。

ビファーはドイツ、ダイデスハイムにあるワイナリーです。
指定栽培地域ではファルツになります。

ところで、日本ソムリエ協会では、このPFALZ=ファルツを「プファルツ」と表記を改めたそうですね。
英語読みに倣ったのでしょうか?
ファルツでいいのに

ダイデスハイムはここです ↓

ダイデスハイム.png

ビファーはリヨンに住んでいた一族が1723年に「ドイツへ移住して始めた蔵で、非常に長い歴史を持っています

ビファー.jpg
公式SNSより 以下同様

ビファー2.jpg

2010年ごろには後継者がおらず、残念ながら廃業することとなりましたが、日本の徳岡さんが事業継承することになり、今は日本人の徳岡史子さんが醸造家として働いています。

こんな方 ↓

ビファー1.jpg

安価でも品質が高い、非常に良いワインを生産しています

何年か前までは、1000円程度の非常にお値打ちなゼクトがありまして、瓶内二次発酵な上に、熟成期間が長いという驚異的なコスト不パフォーマンスを誇っていましたが、流石にそれは完売しております
今日のゼクトも非常に良い物ですので、あれを覚えてる方、ドイツのスパークリングワインを飲んだことない方、皆様にお勧めいたしま

ブドウはリースリング100%
2014年のシングルヴィンテージ
瓶内二次発酵で熟成には最低8年
もかけています

このゼクト、非常にいい香りです

やはり瓶熟の期間が長いので、香ばしく複雑な香りになっています
細かい泡で繊細な構造ですが、余韻が長くて美味しい〜
こりゃ、いいわ

最近はスパークリングワインも値上がりの一途で、本格的な瓶内二次発酵でお値打ちな物が非常に少なくなっています

その点、ビファーなら長い瓶熟なので超お買い得です
税込3000円以下、の驚異的価格
これのマグナムないかなぁ…でっかいボトル好きとしては是非作ってほしい

ぜっひ、買ってみてください〜









posted by cave MITSUKURA at 15:30| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2025年06月18日

メオきたる


暑い

いきなり真夏になってしまった
今からこんなに暑くてこれからどうなるんだろう



店頭にはメオ・カミュゼが少し入荷しました

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ラップしたままで見づらくてすんません

posted by cave MITSUKURA at 15:40| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2025年06月16日

ボランジェの存在


いきなりになりましたね
暑い〜 ナゴヤの気温は36度らしいですが街中はもっと高いはず
梅雨はどこ行った??



今日は先日出席しましたボランジェ・マスタークラスの内容を簡単に紹介します

IMG_4788.jpg

値上がり激しいシャンパーニュ、市場でも売れ行きが良くないようですが、世界的にはまだ余裕があるようです。
とほほ…
日本はもう凋落の一途、スペイン行ってひしひし感じました。
私のような一般人の経済観って政治家と官僚には無関係なんでしょうか、何とかしようと思わないのか


大手メゾンは利益追求もさることながら、ターゲットを絞って富裕層により一層働きかけようとしています。
理屈だけで言うと、質の良いものができれば価格が倍になっても生産は半分で済む訳ですし、
より良い物をふさわしい価格で共感してくれる(そして購買可能な)人に、ってことですね

サロンが正にそうした路線を早くから打ち出しており、2008年のサロンはマグナムだけの限定生産で販売してることはよく知られていると思います
作柄が悪いからの生産減ではなくて、良いからこその戦略的な限定、です。
最初はセットで100万円でしたが、今ならもっとするんでしょうか
もう貧乏人にはついていけません

そんな中、ボランジェの勉強の機会がもらえてありがたいです



ボランジェ.png
HPより、以下同様

正面入り口、この地下にもセラーが広がっています。

さて、007=ジェームス・ボンドのシャンパーニュとしても有名なボランジェですが、2029年には創業200周年を迎えます
それに向けて、今メゾンでは様々な改革が進んでいます。

まず、2026年完成予定でセラー(樽貯蔵庫)を拡大しています。
現在発酵樽3000個の容積を5000個まで対応できるようにするそうで、セラーから畑を眺めながら試飲したりできるそうです

合わせて2027年にはセミナースペースやテイスティングスペースを備えたヴィジターセンターを建設しています。
よりボランジェの理解が深まるようなツアーや、充実したブティックも建設予定です

更に2028年にはホテルを開業するんだそうです
5星クラスの20部屋ほどのホテルで、パリに帰らなくてもシャンパーニュで優雅な時間を過ごせるようにしたいと。
ホテルにはレストランも当然ありまして、ミシュランの1つ星を狙うそうです。
こういうメゾンは他にありませんので、シャンパーニュファンの良い話題になるでしょう

ボランジェがこうした取り組みに積極的に動けるのは、やはり家族経営だからという事が大きな要因です
コストがかかりすぎることが容易に許されないのが一般のメゾンである一方で、資本家がが介在していませんのでボランジェでは家族の意思でこうした事が決定可能だというのは大きな強みです

何より、ボランジェの特異なところは、
一次発酵は樽発酵で行う
リザーヴワインの保管はマグナムボトルで行う

この2点、でしょうか

クリュッグやジャクソン、アルフレッドグラシアンなど樽発酵の蔵は他にもありますが、
リザーヴワインをマグナムボトルに詰めて保管するという、ものすごーく面倒な事をやってるのはボランジェだけです

最初聞いたときに「はー??」って思いました
2006年に訪問した時には地下にずらーっとボトルが積んであって、二次発酵中のボトルとはまた別のスペースが広がっていました。

なんで?と聞くと、
酸化の具合がワインに耐性を持たせてより長熟可能になるから、だそうです
そういうものでしょうか??
私なら、空気にはなるべく触れないで保管したいと思うし、ボトルに移す手間も作業の間のリスクも怖いけど(素人)


伝統を守り続ける一方で、進化もしています

今年には自社畑180haすべてでオーガニックの認証を受ける予定だそうです
現在まで140年続く英国王室ロイヤルワラントも保持し続けています。
国際認証B-CORPも取得し、人と社会、環境に配慮した事業者であり続けています。

そして、2015年から新しいピノノワールの取り組みとして、PNシリーズを発売しています

PNVZ15
PNVZ16
PNTX17
PNAYC18
PNVZ19
(これが現行品です ↓)

ボランジェ3.png

数字がついていますがヴィンテージシャンパーニュではありません。
これはボランジェの重要な要素であるピノノワールにフォーカスしたワインで、その年の良いピノノワールを厳選して、中心となる村の名前のイニシャルと共に生産された特別なキュヴェです

グランダネの下に位置するシャンパーニュで、
食事との相性を考えたリザーヴとのブレンド、複雑な香りで余韻の長いスタイルです
これなら2万円ちょっとなので、まだ買えますね

市場のトレンドはシャルドネ、ブラン・ド・ブランなのですが、ボランジェはそれには乗らない、とはっきり言ってました。
良いね〜


IMG_4787.jpg
試飲3種

見づらいですが、ピノノワールなので色がうっすらピンクというかオレンジというか。
コクがあります、これぞピノノワールです

最後の試飲は、とても貴重なコート・オー・ザンファン2013

この名前を聞くと「赤ワインじゃないの?」って思う方いると思います。
ですよね、コトー・シャンプノワと同じ名前でシャンパーニュも作り始めたんです
2012年からなのでまだ2ヴィンテージ目です。

コート・オー・ザンファンとはボランジェのあるアイ村の北にある区画の名前です

ボランジェ1.png
これは南斜面

石灰質の急斜面の単一区画で、ここの北側のピノノワールだけを使って作られています。
南側は赤ワインのコート・オー・ザンファンになったり ↓、ロゼの原料に使われます。

ボランジェ2.png

3代目当主のジャック・ボランジェがこの土地の特異性に目を付け、いつか単一区画のシャンパーニュを作りたいと考え、区画の買収に乗り出します。
当時はばらばらに所有されていた畑を少しずつ買い足して、ついに単一区画にします

僅か4haの内で、南斜面の2haのピノノワールは早くから赤ワインになっていましたが、ついに北西向きの区画2haのピノノワールを使ってシャンパーニュが作られたのが2012年です。

全てコート・オー・ザンファン用の設備を使って醸造、熟成を行っています。
10年以上の年月をかけて市場に登場この希少なシャンパーニュ、お値段195000円税抜ですって


試飲の13年は昔のアンシャンテルールみたいでした
グラスよりも口の中で爆発するような香りのボリュームがあります。
変化していくのが楽しいです。
こういうピノノワールは大好きです
…20万円かぁ


ボランジェが嫌いな人は少ないと思います
NVのスペシャルキュヴェでも十分美味しいです。

値段はもう下がらないだろうから、どうしましょうかねぇ〜



















posted by cave MITSUKURA at 14:32| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2025年06月14日

ピンクの頭


今日と明日は雨模様の名古屋
梅雨なのに、来週は35度にもなるそうで…


昨日は久しぶりに縦飲み会を開催しました

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ミッシェル・ラファルジュ ヴォルネイ1erレ・ミタン2011〜2018

やっぱり、じっくり飲むとドメーヌのスタイルが理解できるのが嬉しいです
1本ずつ飲むよりは確実に経験値が上がると思います

ピュアな果実味とややソリッドな作り(シャープというほどではありませんが)、ヴォルネイらしい綺麗なピノノワールでした
2011年は枯れ気味でしたが、時間をかけてみると良い方に香りが変化していました。
合わせる食事にちょっと気を付けた方がいいかも。

このワインも高くなってますねぇ
それでも最新ヴィンテージは完売してました

もう縦飲みアイテムはほとんど残っていないのが残念ですが、これからは平行飲みでも修業は続けたいと思います




では、今日はこのワインを紹介します

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ラ・グラヴェット・ド・セルタン2019

個人的に大好きな蔵です
ピンクのキャップシールも好き

今日のワインは、フランス、ボルドー右岸、ポムロルの赤ワインです
ポムロルは隣のサンテミリオンと並んで銘醸ワインが多い地区として有名です。
筆頭はペトリュス、そしてル・パン、ラフルール等、高額ワインも沢山あります。

グラヴェットは、ヴュー・シャトー・セルタンのセカンドワインです

ヴュー・シャトー・セルタンは、ポムロルの中心でペトリュスの隣にあります。
所有者は1924年からはル・パンと同じ、ティエンポン家です。
メルロー主体のフルボディではありますが、ペトリュスとは違ったスタイルの蔵です

現当主は、アレクサンドル・ティエンポン氏 ↓

Vision-1.png
HPより

…畑やセラーの載せられる写真がなくて残念


ポムロルでは珍しく、シャトーの前にひと塊になった14haの畑を所有しています。
(他のシャトーではほとんどが、あちこちに分かれた区画を複数所有しているのです)

その区画も土壌に違いがあって、粘土質の場所にはメルロー(70%)、砂利混じりの粘土質にはカベルネフラン(25%)、砂利質の土壌にはカベルネソーヴィニョン(5%)と特性に応じて植樹されています
平均樹齢は50年以上の古木です。
全てオーガニックで管理されています。

今日のセカンドは主に若木のブドウを使って作られています

深い粘土質のメルローが主体ですが、ボディはそこまで重くありません。
これはファーストも同じ。

「シャトーのあるべきスタイル」に合わせるような醸造はせず、出来たブドウ=ヴィンテージの特徴として、そのままをワインにしています。
ですから、ヴィンテージによって印象が結構違うのがこのシャトー特徴といってもいいかもしれません。
2005年や2009年を気に入った人は、2002年や2013年を飲むと「あれ?」と思うほど、違うワインに感じそうです

しかし、こちらのワインのシルキーさ、緻密だけど重すぎない、ちゃんと食事のお供になるワイン、というのが、てんちょは大変気に入っています

2019年は結構黒い外観でどっしり飲み応えがありますが、洗練されたワインです。

早めの萌芽に始まり、夏の生育は順調で水不足が心配された後半では小雨に恵まれブドウの完熟がうまく進みました
果実味、酸、タンニンのバランスがちょうど良く、収穫は9月27日から1か月ほどかけて行われました。
最近のヴィンテージでは遅め、かなり待った収穫です。

ブドウそれぞれの特徴が補完的に良いバランスを取っています。
この高貴さ=フィネスが感じられるのは流石というべきか

当たり年だけに手軽とは言えないお値段ですが、今後は品薄になっていくこと必至ですので、
今のうちに買っておいてほしい1本です〜





posted by cave MITSUKURA at 15:14| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2025年06月11日

ラマルシュ来ました


東海地方も梅雨入りしましたね
早速昨夜は深夜に沢山降りました

雨が終わると猛暑になるそうで… やだなぁ



店頭には新しいワインが色々入荷しました
まずはこれ。

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ニコル・ラマルシュ クロ・ド・ヴージョ2022

ラ・グラン・リュは、もうとてもじゃないけど買えません
買っても簡単には売れないでしょうし

2020の在庫あるし

ひと昔前なら、面積が広すぎておざなりなワインが多い、などと言われていたクロ・ド・ヴージョ
特級の中ではコルトンと並んでお値打ちでした。

しかし、もうそんな評判は聞きません
誰もがグランクリュの意味を理解して、大事に作っています

それでもまだ、買える値段と言えるでしょうか
飲んでみたーい







posted by cave MITSUKURA at 17:34| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2025年06月08日

ブルゴーニュの紅茶飴


曇り空の名古屋、気温はやや高め
九州では豪雨になるとか



ところで、5月15日のブログで「伏見駅のエレベーター工事がやっと終わる」って書きましたが、
終わっていません
この前見たら、令和8年3月までかかる、って書いてありまして…

時間かかりすぎでしょー

一体何がどうなれば、地上から地下1階へのエレベーター工事に5年もかかるんだ
出口封鎖するのやめてほしい、非常に不便なんです




では、今日はこのワインを紹介します

ずっと前にも紹介した事ありますが、覚えてる人まずいないだろうなぁ…
2017年に訪問しました ↓
https://cave-mitsukura.seesaa.net/article/453254724.html?1749365595

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ボングラン 
マコン・クレッセ キュヴェ・ボトリティス1994
ヴィレ・クレッセ キュヴェ・ルヴルテ2017


ブルゴーニュ南部、マコネーの白ワインです

ですが、普通のマコンとな全く違います。
今日のワインはシャルドネ100%の貴腐ワインなのです

何年ぶりかに再輸入されました
非常に珍しいシャルドネの貴腐、てんちょ、これ以外に見たことありません


作っているのは、マコネーの中央にあるヴィレ・クレッセの生産者であるボングランです
以前はテヴネ・カンテーヌと名乗っていましたが、別のテヴネがありまして、そこのクレームが間違ってくるそうで…
だから改名したそうです。


先に産地の話をしますと、

マコン(またはマコンヴィラージュ、これは白のみに認められています)が最も広域をカバーする名称で、白ワインが圧倒的に多いのが特徴です。
コート・ドールに比べてAOCの規制も緩いので、値上がりしているとは言え、北よりも比較的安価なワインを沢山作ってるところが未だに多くあります。

その中で、

ヴィレ・クレッセ
プイイ・フュイッセ

( ↑ この隣にプイイ・ロシェプイイ・ヴァンゼルもあります)
サン・ヴェラン

が、単独のAOCを名乗る地区なのですが、この辺、よく分かっていない方がきっと多いと思います

特に、1級ワインの生産が始まったプイイ・フュイッセは、似た名称の畑が多かったり、そもそもふゅいっせって言いづらいし。
ヒュイッセじゃダメなのでしょうか???

この辺り、あまり飲む機会がないととくに覚えられませんね


しかし、今日のヴィレ・クレッセは結構分かりやすいのです

プイイなんちゃら以下が全てマコネの最南端(ボジョレーとの境界付近)にあるのに対して、ヴィレ・クレッセはマコネの真ん中にあるんです ↓

ヴィレ・クレッセ.png
地図はブルゴーニュワイン委員会より

赤い矢印の場所、ヴィレという村と、クレッセという村の名前をくっつけただけ。
(産地呼称なので当然ですが)
ペサック・レオニャンと同じ

このヴィレとクレッセの間にカンテーヌという集落があって、ボングランの蔵はそこにあります。

ボングラン.png
グーグルマップより

何代にも渡って畑は受け継がれてきましたが、今の名声を築いたのはジャン・テヴネ氏です。

彼は早い時期からシャルドネのみを栽培し、樽は一切使用せず、自然酵母による手を加えない醸造を貫いてきました。
マルヌと呼ばれる白い土壌がシャルドネに向いているそうです(ちょうどシャンパーニュの石灰質と同じだとか)

彼が蔵を継承した1972年頃にはそんなことをやる人は皆無で、みんな農薬いっぱい使って、亜硫酸は添加して、フィルターも通す、それが当たり前だったんです。
今は息子さんのゴーティエさんも一緒に仕事をしています
お父さん、地元でも仲間に尊敬されています

こちらでは収穫はすべて手摘みです
これはマコネでは珍しい。
マコンは広い産地で沢山の生産者がいますし、大規模な農協もあります
広い畑を有する所有者は、機械でガーっと収穫するところが多いのです。

しかも、他の生産者よりも1か月程遅く収穫するのです


さらに蔵では珍しい横型のホーローの発酵槽を使用していますが、これが牛乳の保存用らしい ↓

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対流が起こりやすくて、手を加えなくてもいいらしい。

発酵が終わるまでほったらかしなので、1年たって発酵が終わってないこともあるそう。
しかも、理由が不明らしいのですが、先にMLFが起こって、その後に続いてアルコール発酵が起こることがあるらしい。
えー??
謎過ぎる。


そんなボングランの通常のマコンヴィラージュ、一番安価なワインですがとてもいいワインです ↓
BLBGG21_1.jpg

黄金色の外観ですが、樽を使っていないのでとてもクリーン。
ブドウの出来がいいのがすぐにわかります
幅広い食事に合いますし、これだけでも非常に美味しい

唯一、値上がりして5000円超えたのが残念です


このようにレベルの高い蔵なのですが、今日のワインは更に希少です

キュヴェ・ボトリティスは貴腐ブドウ100%の甘口
キュヴェ・ルヴルテは貴腐混ざりの中甘口

なのです。


ボングランでは所有する区画の一つに川の側の畑があるのですが、10月後半から11月にかけて、川から霧が昇ってくるそうで、それが貴腐菌をブドウに付着させるのだそうです。
これは非常に限られた環境で起こる現象で、どこでもできる訳ではありません。

しかも、これには雨が降らず、気温が下がることが条件ですが、周りの農家がとっくに収穫を終えているところ、1か月以上も待つというリスクを冒して挑戦しなければなりません

雨が降ったら、おしまい。
貴腐がつかなくても、おしまい。
その年のその区画のワインはなし、です

ですから、温暖化で最近は貴腐が付く可能性が低く、収穫を待つことはほとんどないそうです
まぁ、そうなりますよね〜

てんちょがこちらを訪問した2017年の時点で、ここ20年間で100%の貴腐ワイン=キュヴェ・ボトリティスが生産できたのは、僅かに、
1994
1995
2000
2001
2006
5ヴィンテージのみ、だそうです。
その後も生産があったとは聞いていませんが。

蔵では2006年のボトリティス(ハーフ)と2005年のルヴルテを試飲させてくれましたが、どっちもすごく美味しかったです 
いい甘口です〜

まるではちみつ&紅茶キャンディでした
香りが複雑で余韻が長く、雑味なし。
完璧な甘口です。
シャルドネって言われても分かるだろうか、って思いました。

と、そんな貴重なワインが2つ入荷しました。

ボトリティスは流石に立派なお値段です(渋沢君4人)
ルヴルテ(うさぎの事、ブドウの色が茶色くなってうさぎの色になるから)でも一人と半分くらい。

しかし、飲む価値は高いです


最後にうさぎの色ってこんなです ↓

IMG_1108.JPG
どなたかのSNSより、たぶんボジョレーの誰か


























posted by cave MITSUKURA at 16:13| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2025年06月07日

青空ワイン


全然ブログ書いてなかったです、すみません
意外と月初にやる事が多くて。


月曜からはいよいよ名古屋も梅雨入りの様ですね
夏の暑さはもう少し後からでいいんですけど〜


フランスを中心に、ヨーロッパではブドウは開花を経て順調に生育しています
今のことろは大丈夫、このまま是非とも豊作になってほしい




今日は久しぶりにワインの紹介をします
店頭に新しく来た、夏向けのさわやか微発泡ワインです。

PSLC_2340.png

ソアリェイロ ペットナット アルバリーニョNV

まぁた、アルバリーニョだ
と思ったあなた
そうなんです、またアルバリーニョなのよ

今日のワインはポルトガル産です。

ただ、ミーニョ川を挟んでリアスバイシャス(スペイン)のすぐ南のメルガソなんです。
先月行った場所のすぐ近く。

メルガソは、同じくポルトガル北部のモンサンと合わせて、ヴィーニョヴェルデのサブリージョンノ一つ、モンサン・メルガソとして区分される地域です。

モンサン・メルガソ.png
メルガソのほうが上流にあります

もう少し広域表示した方が分かるでしょうか? ↓

モンサン・メルガソ1.png

リアスバイシャスと同じく、アルバリーニョトレジャドゥーラを栽培する地域です

ただ、今日のワインはヴィーニョヴェルデではありません。
IGミーニョとなっています。



ところで、皆様、ペットナットって聞いた事ありますか?

今日のワインに限らず、ペットナットという種類のワインはここ10年ほどでよく見るようになりました

ペットナット =Pet Natとは、ナチュラルワインの一種で微発泡のスパークリングワインを指します。
フランス語のPétillant Naturel =ペティアン・ナチュールを略した言葉で、自然派の生産者が造る微発泡ワインの事です
今だと、どこの国の物でもそう呼んでいますね。

フランスだと、ロワール地方に多いでしょうか。
ロワールは伝統的にクレマンの生産もありますが、ペティアンのほうを日常飲んでいます

微発泡とはいえ、ちゃんとした泡立ちがあって、スパークリングワインと同じです

ということで、今日のワインはナチュールです。

かわいいラベルです、青空に浮かぶ白い雲が清涼感を運んできます
やはり、清澄していないのでやや濁ってます



メルガソは海からは60キロほど離れた内陸にあります。
周りは山に囲まれ、日照や降水の条件に恵まれた豊かな自然が広がる場所で、ブドウ栽培も近年増えています
山の異なる標高に畑が存在し、品種や栽培にも多様性が見られます。


生産者のソアリェイロは、この地で初めてアルバリーニョを植えたパイオニアです
1974年の事です。

ワイナリーとしてのスタートは1982年、初めてソアリェイロというブランド名でワインを発売しています。
所有畑の最良の区画の名前をとってワイナリー名にしたそうです

ソアリェイロ.png

今ではアルバリーニョの第一人者として地元でも評価の高い作り手です
成功しています。
最新の大きな醸造設備も備えています(ここにもある、卵型のコンクリート発酵槽、ここは黒色だ)


ソアリェイロ2.png
眺めの良い場所にあります

ソアリェイロ1.png
畑は有機栽培の認証を取っています

アルバリーニョはペルゴラ(棚づくり)です。
アルバリーニョというブドウは収量が少なく、病害に弱いので育てやすい品種とは言えません
ですが、その香りの高貴さや酸のフレッシュさは、他の品種にはない魅力として多くの消費者に支持されています


今日のワインはスパークリングワイン用に酸が高いブドウを選んで作られています
タンクで一次発酵を行っている最中にボトリングして、残りの発酵を瓶内で終わらせます。
所謂、メトード・ルーラル、アンセストラル方式っていうやり方です

シャンパーニュやクレマンと違って、デゴルジュマンをしていない(したがってドサージュもなし)ので、濁りが残るというわけです。
デブルバージュもほぼしてなさそう…

てんちょ、濁ったワインの良さがちーっとも分かりませんし、良いアロマがないナチュールワインが苦手です
ですが、このアルバリーニョ、こういうのもあるんだよという事で、1回経験してみよかな、と買ってみました。

アルコール度数は12%
強過ぎないので、ランチにも大丈夫です

ソアリェイロは他にもアルバリーニョを作っています。
清澄ありのスパークリングワインもありまして、そちらは切れのある辛口です

同一路線上にあるとは言え、やっぱりナチュール感が大きいこちらのペットナット。

イカやタコなど魚介にはよい相性ですが、生ではなく火を通して、オリーヴオイルを沢山使った方がよいでしょう
塩をしっかり効かせてくださいね。
味付けはシンプルでOK
アヒージョには最高の相性かも

ナチュールの風味が気になる方はよく冷やしてください(てんちょ、そうです)

どんなワインも飲んでみなきゃわからない
お試しください〜














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2025年06月01日

社員募集しています


良く晴れていますが風が強い今日の名古屋
朝晩の涼しさが気持ちいい季節ですね〜

今日から6月
もう1年の半分が過ぎていきそう、早いです



HPのイベント&ニュースに正社員募集の案内を載せました

ワインショップで働きたい方がいましたら是非ご連絡ください
ただし、正社員は全くの未経験ではちょっと厳しいので、ソムリエまたはエキスパート程度の知識があって飲食や接客業経験者の方を希望しています。
昨今の求人って、そういう事をあんまり言っちゃいけないんでしたっけ…

知識があれば、はっきり言って仕事は楽です

ワインに囲まれて、ワインのこと考えていれば一日が終わると言っても過言ではない。
12時〜20時の8時間勤務、週休2日は確実、月間9日以上のお休みあります。
あとは面接時に。

アルバイトも同時募集していますが、そちらは未経験でもOKです









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