2023年04月14日

カレラ続き


晴れて気持ちがいい、はずなのに…
黄砂のせいか喉がイガイガする


今日は昨日の続き。
カレラです

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カレラはアメリカ人のジョシュ・ジェンセン氏がカリフォルニアで1974年に開いた蔵です

彼はオックスフォード大学を卒業後、世界を渡り歩き、DRCやデュジャックで働いていました。
70年代のカリフォルニアには高品質のピノノワールは皆無でしたが、ジェンセン氏はアメリカでもブルゴーニュの様なワインを作りたいと思い、帰国してワイナリーの為に様々な調査をしました

それには二つの重要な要素が必要だと考えたジェンセン氏。

一つは、土壌
石灰質の土壌である事がピノノワールには非常に重要ですが、カリフォルニアには例えばシャンパーニュの様な白亜質の土壌はあんまりない。
(そこで衛星画像を使って土壌の調査をしたのは有名な話)

もう一つは、本物のピノノワールを植える事
これは、当時のカリフォルニアではガメイをピノノワールとしていたワイナリーがあったり、エレガントなスタイルのピノノワールがアメリカ人にあまり人気がなかったことから適切な場所に植えられていないピノノワールがあったりと、環境も含めてちゃんと扱われていなかったことから、正しいクローンで最適な環境でピノノワールを栽培すれば必ず素晴らしいワインが出来る、という彼の意思を実践するために必要不可欠な要素でした。

この「正しいピノノワール」は現在のカリフォルニアではカレラクローンなどと呼ばれ、ディジョンクローンが広まるよりも早く、キスラーやハイドにも伝わっていたという伝説のブドウです

そうして、74年にマウントハーランに石灰質の土地を見つけたジェンセン氏はその土地を購入、75年に初めてピノノワールを植えました
更に隣の砕石工場を買い取り、そこを醸造所にしました。
(これがほんと簡素で吹きっさらしのパーパーな建物なのね、今はちゃんとセラーもありますが)

カレラという名前はスペイン語の焼き窯の事です。
買った土地にあったのでそれをワイナリーの名前にしたんですって
(ポルシェの「レース」のカレラとは違うんですね、そっちもスペイン語のはず)


そして初ヴィンテージは1978年
マウントハーランの3つの区画、ジェンセン、セレック、リードを1樽ずつ醸造しました

ジェンセン氏はこのワインを80年代の初頭まで、自ら携えて全米を回り、レストランやワインショップに売り込んだそうです
そう言う事もちゃんとやってた。

地道な努力が実を結び、ワインの評価が高まり人気になるのも早かったみたいです
もっと後になってですが、日本への輸出も始まりましたが、「あの漫画」(てんちょ未読)で知名度が上がったからなんだそうです

へー

カレラjosh-2022.jpg
HPより

↑ 残念ながらジェンセン氏は昨年鬼籍に入ってしまいましたが、蔵はダックホーンが受け継ぎ、ワインメーカーのマイク・ウォラーさん(2007年から彼らで働く)と共にワイン作りは続いています


歴史はこんな感じです。
では、カレラの場所を見てみましょう

カレラのあるマウントハーランという名前は聞いた事があるのではないでしょうか?

実はてんちょ、アメリカのAVAはあんまりよく分かってない
(なんかピンと来ないというか、実感が掴めないんだよなぁ)

マウントハーランはカリフォルニアのセントラルコーストにあります

サンフランシスコの南に大都市サンノゼがあって、その南にモントレー湾があります。
湾の北にサンタクルーズ、南にモントレーの街がありますが、そこから内陸へ100キロ弱の場所がマウントハーランです。
砂漠の真ん中にあるような荒涼とした場所でとても乾燥しています。
海風が吹き付ける土地ですが、カレラは標高が高いので日照条件が良く、日較差も良質のブドウ栽培に貢献しています

カレラで一躍知名度が上がったマウントハーランですが、独自のAVAとして認定されていますが認定時にはここにあるワイナリーはカレラ一つでした
カレラの為に出来たAVAと言ってもいいくらい。

ここ ↓

カレラ.png

ホント周りは何にもない

夜に車で行くと怖いらしい…
崖があってガードレールもないとか、もちろん街頭なんてないない、転落したら当分発見されなさそう

しかし、アメリカのAVAって増える一方ですね
ワシントンやオレゴンもちょっと見ない間にすっかり浦島太郎だわ。


さー、やっとワインの話。

今回入荷した3つの単一畑は、マウントハーランの丘の各所にあります。

カレラMt-Harlan-Vineyards-MAP (1).jpg
HPより
今日は触れませんがシャルドネやヴィニエもあります。

ジェンセン
リード
セレック
ミルズ
ライアン
ド・ヴィリエ


と、現在6つの単一区画のピノノワールがあります

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HPより、ジェンセンの区画、結構起伏がありまsね

この6つの区画は全て人の名前です
土地の前の所有者だったり、元の醸造長だったり、所縁のある人の名前を取っています。

入荷した3つのワインを簡単に紹介すると。

ライアンは98年が初ヴィンテージのカレラの中では若い区画です。
西向きで標高が高く、酸味を備えつつジェンセンにあるような果実感も増した、複雑なワインです
洗練されています

ミルズは84年植樹の区画で、唯一自根の畑です
ちょうど今半分を植え替えしてる所で、生産が半減していますが次の植樹からは接ぎ木する予定だそうです。
古典的で古いブルゴーニュにも通じるスタイルです、ガビラン山脈の冷涼な気候を反映しています

ド・ヴィリエは最新の区画。
ジェンセンとミルズの間にあるので、初めはどちらかにブレンドしようと思っていたところ、
独自のフルーツ感があり混ぜるのはもったいないと2007年から単独でリリースしています
確かに果実バリバリ。
3つの中では一番甘く感じます。

全てピノノワール100%の赤ワイン。
とてもエレガントです、が、やはり少し甘いね

飲むべきワインの一つです















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2023年04月13日

カレラと日本の赤


黄砂、皆様の住んでる地域ではいかがでしょうか?

ようやく花粉が収まって来たのに
名古屋の空はもやってるかなぁ…


店頭にはかなり久しぶりに、このワインが入荷して来ました

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カレラ マウントハーラン ピノノワール
ライアン2017
ミルズ2018
ド・ヴィリエ2017


カリフォルニアの赤ワインです
先日ランチ会に行ってきたカレラ、少しですが単一畑を分けてもらうことが出来ました。

ジェンセンとセレックは残念ながら無し。

今日は時間がないので詳しい説明は明日書きます〜




今日はこれからメルシャン・マスカットベリーAの会です

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こんなに飲めるの嬉しい

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やはり香りはイチゴキャンディかな。
珍しい陰干しブドウのマスカットベリーAもあるので楽しみ

↑ これが何とも独特で‼️
干しぶどうのコクもありますが、甘い香りが本当に赤ワインなの?ってくらいに不思議な感じで。
もう一回くらい飲んでみたい。

そして、全て色が黒めでびっくり‼️
これをマスカットベリーAの基準にしてはいけないであろう、いいワインばかりでした✨✨


ご飯は春らしい和食のお弁当です。

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結局、増えてこうなりました ↓

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ではまた。




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2023年04月10日

カリフォルニア・ナパバレーセミナーやるよ


サロン、3本早速売れてびっくり
お金持ちっているんだなぁ…
ありがとうございます



イベント欄にカリフォルニア・ナパバレーのセミナーの案内を掲載しました

現地の最新情報が聞けますので、是非ご参加下さい。
試飲ワインも豪華です

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良いワインだけに、ほぼフルボディのワインばっかりなので、食事なしですが軽いクラッカーくらいは用意しますね。
きっと酔うから要注意です

やっとセミナー開催してもらえて嬉しい
(シャンパーニュとポルトガルもやってもらいたい)

お申し込み待ってます〜








posted by cave MITSUKURA at 13:20| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2023年04月08日

サロン入荷しました


ようやくスギ花粉が無くなってきた、かな??

明日は統一地方選挙ですね
市会議員も県会議員も全く身近ではありませんし、誰に投票しても同じっていう気はする
でも選挙は行きます。



店頭には本当に久しぶりに、
サロン2012 木箱入り
が入荷して来ました

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3本だけ

前にあった緑色のギフトボックスは廃止されて今では木箱入りのみです。
1箱に1本入ってます。

箱からまだ出してませんので写真ないんです
すんません

しかし、前回から値上がりはしていないものの、前回価格で既に諭吉さん13人越え

強気すぎませんか

それに、MLFしてないブラン・ド・ブランなんて、2012と言えども、まだ飲めやしないんじゃないかなぁ
飲み頃を待つ頃にはさらに値上がりしてるんだろうし。


シャンパーニュ好きなら他にもおすすめの銘柄は沢山ありますよ

















posted by cave MITSUKURA at 15:59| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2023年04月06日

素敵なパッケージのチャリティワイン


もうGWの配送の連絡が来てて、そんな時期かと驚く自分
そうだよ4月だよ。

今夜もフランスの気温が下がるだろうか、なんまんだぶ。



今日はこの新入荷ワインを紹介します
てんちょの写真がイマイチ以下だったので輸入元から拝借。

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ロジャー・グラート レゼルヴァ2020 コンパルティール あいらく

このワインはスペインのカヴァです
スパークリングワインです。

ロジャー・グラートヴィンテージのカヴァだけを生産する誠実な生産者として評価も高く、熟成の長さからくる複雑な香りと深い味わいは誰もが認める所でしょう

ミツクラでもセミナーやってもらいましたね〜
2017年7月だわ、そんな前かぁ ↓
https://cave-mitsukura.seesaa.net/article/451970094.html?1680773545

瓶内二次発酵において、何故瓶熟が10ヶ月以上必要なのかというとても良い説明でした。
シャンパーニュのあの香りと味は、瓶熟に秘密があります

そんなロジャー・グラートから、また限定のスリーヴァボトルが発売になりました
日本向けの限定です

ロジャーグラートが日本との長い歴史に感謝の気持ちを込め、チャリティー活動の一環として「障がい者アート協会(https://www.borderlessart.or.jp/)」様から協力をいただき、障がいがありながらも創作活動を続けるアーティストの作品をボトルデザインに採用した特別なボトルです。
商品の売上の一部は障がい者アート協会に寄付し、障がいのある方の自律的な創作活動の支援に役立てていただきます。


との事。

2018年のボトルもありました。
コンパルティールとはスペイン語で「分かち合う」という意味です

この「あいらく」の絵は、アーティストの庫美原 氏の作品だです。
幻想的な雰囲気ですね

色とりどりの紫陽花なんだそうです
色んな感情を表現してるんですって。

セパージュは基本的な、マカベオ50%、パレリャーダ30%、チャレッロ20%
2020年ヴィンテージのブドウのみで瓶熟20ヶ月
きっといつも以上に美味しいでしょう

気温が上がって泡が美味しくなってきましたね〜

このチャリティボトル、野口君2人とちょっとで買えますので是非お試しください
お酒を飲んで人の役にも立てる、最高だよ

で、
飲んでみました

美味しいです
いい香り、シャンパーニュとは品種が違うから同じではありませんが、熟成の香ばしさがちゃんとあります
細やかな泡が続いて、繊細な構造の高級カヴァですよ〜

辛口ですが丸めの酸味、良ーく冷やしてもこれからいいでしょうね
ぜっひ、飲んでみてください。
おすすめです






posted by cave MITSUKURA at 18:45| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2023年04月05日

霜降りないで


フランスでは今年もこの季節がやってきました

春の霜害対策です

気温がマイナスになる夜、ブドウの芽を守るために夜通しストーブを炊いたり、水を撒いたり。

今朝のシャブリの様子 ↓

6F7CBE47-90F4-415D-BFD8-398AA39223FE.jpgmeteo89さんのSNSより

今日もマイナスになるみたいです
シャトー・ガザン(ポムロル)でもストーブ出してました。

無事に過ぎてくれますように。


posted by cave MITSUKURA at 21:07| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2023年04月02日

塩とオリーヴにはドライなワインを


昼間だけなら半袖でもいけそ…??なくらいの暖かさですね


今月、フランソワ・ミエプリューレ・ロックの入荷がある予定ですが、今のところ何も連絡なしです
どちらも人気のブルゴーニュです。
沢山来るとは到底思えませんし、買えるような値段かどうかも分かりませんんが。

他にも定番ワインが欠品してたりと、未だ不安定なワイン事情です




今日はこのワインを紹介します
終売特価で入荷しましたので、あるだけで終わりかもしれません。

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マルケス・デ・トソス レゼルヴァ2014

とってもお手頃、スペインの赤ワインです

スペインのワイン産地、どのくらいご存知ですか??

てんちょ、スペイン大好きなんですが…
ちょっと目を離した隙に、ものすごく産地呼称が増えてびっくり。
増やし過ぎだわ
2003年の法改正でかなり複雑になった事もあり、販売上の利点になってるとは言えない気がする

一番有名なのはやはりリオハでしょう
そして、リベラ・デル・デュエロかな。
エスプモーソのカヴァも産地呼称なんですよ

次はどこだろう、ラ・マンチャ? ルエダ? リアス・バイシャス、ナバーラ、トロ…
忘れちゃいけない、ヘレスもあります

ここで色々書くと超長くなるので、勉強したい方はこちらへどうぞ ↓
http://www.jp.foodswinesfromspain.com/wine/sw-map.php

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スペイン大使館商務部より


今日のワインは、DOカリニェナです
(スペインのDOはフランスのAOCと同じです)
上掲の地図では北部地方です、紫の地区の隣のグレーの地区かな。

カリニェナは、スペイン北東部アラゴン州にある町です。
ピレネー山脈の麓から中央平原に至る途中になる地域で、気候風土は北のナバーラ州に似ているでしょうか。
冬は寒いですが、のどかな田舎です
リオハも流れるエブロ川が東西に流れています。
州都はサラゴサ

ここです ↓

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カリニェナはワイン産地としての歴史はとても古いのですが、1900年以降は内戦でブドウ畑は荒廃、その後ほぼ鎖国状態でワインの輸出などできるはずもなかったので、長らく忘れられた田舎になってました。
実際、内戦の初期には共和側の支配下にあった事もあり、その後、反乱軍(フランコ)に降伏しており、住民の生活も大変だったでしょう…
フランコの死後、よく平穏に国際社会に復活出来たよなぁ、と、つくづく思います
バルセロナオリンピックも大きく貢献してますね


最近ではカリニェナのワインも知名度を上げて、良い生産者が出て来ています

今日のワインは協同組合の生産です
サン・バレロというこの協同組合はカリニェナの60余りのブドウ農家をまとめて1945年に設立されました。
それからの成長は著しい。
現在では、700もの組合員がいて、畑も4000haにも及ぶ巨大な農協になってます
すごい。

空飛ぶワインメーカーの呼び名で20年程前に一躍有名になったヒュー・ライマンさんがコンサルタントになっています。
(彼はボルドーの南、ベルジュラックの出身です)
懐かしいお名前。
今、おいくつだろう?? 写真ないし。


さて、詳しくは分かりませんが、今日のワイン。
セパージュは、テンプラニーリョ70%、ガルナッチャ20%、カベルネソーヴィニョン10%
アメリカンオークで14月熟成後、瓶熟24ヶ月以上
レゼルヴァです

スペインワインでは、熟成の度合いによって、
レゼルヴァ
グラン・レゼルヴァ

の名称を付加する事が出来ます

この規定は厳格で、何でもアリの産地においても確実に年数を経ていることを証明する文言として非常に重要です

どっかの国では何でもかんでも最上格付けになってて、どれが一番なのかさっぱり分からなかったりするんですが
そう思いません??
その点、スペインではたとえ知名度の低い産地呼称であっても、熟成度合いはこの規定で保証されているというのは、とても良い事です

因みに、レセルヴァの規定は、
赤ワインでは合計36ヶ月の熟成を経ていなければなりません
更にその内の12ヶ月は樽熟成でないといけません。
(白の規定も別にあります、さらにリオハの様な有名産地では独自にもっと厳しい規定になってます)

つまり、レセルヴァは3年熟成の後でなければ出荷できないのです

もちろんレセルヴァ、グラン・レゼルバには、それにふさわしい品質のワインが当てられます。
その分、熟成によって飲み頃になっているので、より美味しいという訳

今日のワインは2014なので熟成のピークです。
エッジがオレンジ掛かっていて、飲み口も優しいミディアムボディです
甘く丸いというよりは、少しドライな古典的なスペインワインですね。

塩とオリーヴオイルが基本の北スペイン料理が良く合います
いいですねー、スペイン料理大好きです
日本人には塩が強すぎですけど。

価格も野口君一人半で済みます
非常にお手頃〜

料理と合わせるワインをお探しの方、こういうので西洋料理とマリアージュを楽しんでみて欲しい
フレンチも良いけど、イタリアやスペインはやはり、食卓にあるべきワインだと思います〜








posted by cave MITSUKURA at 18:44| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2023年04月01日

魚の4月


今日から4月
春ですね〜



お知らせ。

カーヴミツクラは今日から24時間営業になりました
ご都合のいい時にいつでもお立ち寄りください〜


…って、もちろん嘘です

POISSON d’AVRIL
↑ ポワソン・ダヴリル=フランスではエイプリルフールの事をこう呼びます。

何故、魚なんでしょうね
子供が大人の背中にいたずらで魚の絵を貼ったりするんですよ。




ブルゴーニュの人気ドメーヌが少し入荷して来ましたが、めっちゃくちゃ高い
無理して買うの止めようかな、と思う程

お値打ちレジョナルを一部除いてネットショップにほぼ掲載していますので、新入荷チェックはそちらをご覧ください ↓
https://cavemitsukura.com/

先日のルイジャドのバレルテイスティングでも、ワインジャーナリストの山本さんの見聞が紹介されていました。
ジャドではないですが、ロンドンでの業界向けの新ヴィンテージお披露目の席で、とある問屋さんが「(あまりにも高くなっているので=昨年の倍)、今年は同じ様に買えない」と話したところ、
生産者が平然と「別にいいよ、他に売るから」と答えたらしい…

強気でんな
しかし、ブルゴーニュの人気を思えば無理もないかぁ




今日はこれを紹介します
ワイン名を聞いて品種がすぐに分かりますか?

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レ・アレクサンドラン クローズ・エルミタージュ・ブラン レ・ガレンヌ2020

フランス、コート・デュ・ローヌ地方白ワインです。
クローズ・エルミタージュはエルミタージュの周辺にある(だからクローズ)産地です。
ローヌ河の左岸です。

ここ ↓

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ローヌワイン委員会より

セプテンリオナル(北部ローヌ)では南に位置しており、ドローム県の11のコミューンに跨る産地です。
(因みにコートロティやコンドリューはイゼール県にあります)
元は名前の通りクローズ・エルミタージュというコミューンに認められた名称なのですが、周りに拡大して現在に至っています。

生産の90%が赤ワインなので白は結構貴重なのです
(泡や甘口はNG、ありません)
品種ですが、赤はシラー、白はルーサンヌ、マルサンヌです。

今日のレ・アレクサンドラン2009年設立のとても新しいドメーヌです

二人の専門家、アレクサンドル・カゾ氏とギョーム・ソレル氏が組んで作った蔵と説明されてますが、HPにはもう一人、ニコラ・ジャブレ氏の名前もありますね
カゾ氏がクローズ・エルミタージュ村のすぐ南にある、タン・エルミタージュ村の出身とありますね。
皆さん、この土地に馴染みがあり、最高のワインを作ろうと情熱を集結して出来たドメーヌなんだろうと思います
そして色んなアドヴァンテージがある、と(出身や経験等

最初はサンジョセフとクローズ・エルミタージュに特化してたみたいですが、今ではコンドリューも生産しています
(このコンドリューも美味しいのでオススメ、他が高騰する中でまだそこまでではないし)

今日のクローズ・エルミタージュ・ブランはルーサンヌ60%、マルサンヌ40%

この二つのブドウは大体ペアで語られていますが、違いをはっきり意識してる人はまずいない
まぁ、ブレンドされてますので個別の個性が意識しづらいってのはありますね。

ボルドーにおける、カベルネとメルローの様な補完的な役割なのですね

マルサンヌは縦に伸びる性質があり、ミネラルが豊富な品種で酸も豊かです

ルーサンヌは横に広がりやすく、丸い形状に育つ傾向があり、登熟するとブドウが茶色くなってきます
甘く丸い味がはっきり分かるそうです。

なのでこの二つを混ぜると「ソリッドな枠とジューシーな中身」でいい具合になる訳です
昔の人ってこういうのが経験的に分かってるんですよね、すごいわ。


今日のワインは、樹齢の高いブドウ樹からのブドウを手摘み収穫。
発酵の後バトナ―ジュ併用で6ヶ月樽熟。
(でもそんなに樽は感じません)
生産は僅か2000本です
めちゃ少なーい

2020年は前年の雹害のダメージを引きずっていて、技術的には難しい年だったそうです。
春にはカビが増えそうであぶなかったらしく、暑い夏には水不足でハラハラした、と気が休まらない一年になったようです
夜の冷気がブドウを生き永らえさせてくれたおかげで、綺麗な酸が温存出来たと。
良かった〜

2019年は堅牢で中々開かなかったそうですが、2020年は苦労なく美味しく飲めます

香りがフローラル&フルーティで心地よいです
特定のアレやアレの香りだけがムンムンするんじゃなくて、白桃や洋ナシにほんのりジャスミンやクチナシみたい。
過剰じゃないのがいいんだよ。

そして酸味が全体をまとめ、引き締めています。
旨味やコクがありますが、だらけないのがうれしい
やはりバランスがいいですね

ま、一葉さんくらいするので当然かも。

色々言ってますが、全然難しいワインではありませんので気軽に飲んでみてください
何も考えなくても「あっ、美味しい」って言える(と思います)

お料理が悩むかなぁ…
何が合うでしょう

気温が上がって来ましたので、冷やして山菜の天ぷらやタケノコ煮でもいいかも
あー、お腹空いてきた。

このワインに限らず、ワインを飲む時には温度と香りには常に留意して下さいね〜
冷やし過ぎも温度高すぎもNG
グラス回し過ぎはもっとNG(今時もういない?)











posted by cave MITSUKURA at 17:06| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2023年03月30日

みのがしてくれ


今日は快晴の名古屋です
ちょっと空気が冷たく感じますが、ワインにはこれくらいでいーんです

しかし花粉が…これからヒノキだわ

もう週末は4月ですね、ほんとあっという間の3ヶ月でした。
ここからも早そうです



いっかーん
月末&年度末で全然時間が取れません

今日は午後から業界向けの試飲会にダッシュで行って、とんぼ返り。
良いワインもありましたが、また4月になったら。

さいならー


posted by cave MITSUKURA at 18:54| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2023年03月24日

そこにしかない味


今日は暑いくらいの気温ですね、曇ってますが花粉はいっぱい
もう3月も終わりですね〜



今日はこのワインを紹介します
少し前に入荷しましたが、割り当て品です。
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ギベルトー
左から、
ソミュール・ブラン ドメーヌ2021
ソミュール・ブラン クロ・デ・ギュイショー モノポール2020
ソミュール・ブラン ブレゼ2019
ソミュール・ブラン クロ・デ・カルム モノポール2018
ソミュール・ルージュ レ・ムーラン2021
ソミュール・ルージュ レ・シャポダイス2020
ソミュール・ルージュ レ・ザルボワーズ モノポール2019


このワイン、知ってて好きっていう方はワイン通ですね
今日のワインはフランス北東部のロワール地方で作られています。

ソミュールという産地をご存知でしょうか?

何度も書いてますが、フランスで最も長い河川であるロワール河流域には非常に多くのワイン産地があり、15の県にまたがる大産地です。
北にある為、赤よりも白の方が多く、アペラシオンも80以上(数え方では100以上)もあります
河口のナント(フランス第4の大都市)から上流のサントル・二ヴェルネ地区(サンセールがあります)まで4つのワイン地区に分類されています。

今日のソミュールは河口から2番目の地区、アンジュー・ソミュール地区にあります

…このアンジュー・ソミュール地区と次のトゥーレーヌ地区を混同してる方が意外に多い。
あまり馴染みが無い産地で未知の名称が多いからでしょうかねぇ、心当たりがある方はご注意。
すぐ隣なので地区の境目が曖昧になる気持ちはよく分かります

ソミュールは町としてはとても小さなところです。
(地区の代表はアンジェです)

ソミュール.png

これでピンと来ない方はこちらをどうぞ ↓

ソミュール1.png
ソミュールからアンジェとトゥールってほぼ同じ距離なので、ソミュールがどっちに入ってもいいような気もしますけどね。
歴史的背景かな。


ソミュールでは白はシュナンブラン赤はカベルネフランから作られます
(赤には補助品種もありますが、上記の覚えでOKです。
さらに細かなAOCもあります。
赤だけに認められる、ソミュール・シャンピニーというAOCもありますので、上級者はその辺りもチェックしてみては)

今日のギベルトーは過去にも紹介しています ↓
https://cave-mitsukura.seesaa.net/article/470911119.html

2019年、コロナ前でまだ安かった…

詳しい経歴は上掲の過去ブログに譲るとしまして。
ギベルトーの評価でよく使われるのが、
フルーティで軽いソミュールが多い中、クラシカルで長期熟成の可能性があるワイン
という言葉です

決して濃くない、エレガントなワインです
赤も繊細、フランの香りも柔らかでシノンやブルグイユほどの青さはありません。

白はコクあり、若いと固くてそっけないかもですが、厚みのある構造で期待できます
ブルゴーニュのコシュ・デュリやルロワの白に例えられるようなソミュール・ブランのモノポール
高くなったとは言え、まだ手が出せる価格です。
(コシュ・デュリやルロワは車や中古住宅にも匹敵する価格だもんね

今回、僅かに割り当てが入荷しましたが、中には1本のみ、もあり
一番お手頃な赤白はもう飲んでもいいでしょう
モノポールはもう少し置いた方がよさそうです。


どこか伝統的なロワール料理を食べさせてくれるお店はないかな

和食でもいいと思います
フグよりはすっぽんやアンコウ、寿司よりは天ぷらかな。

お手頃アイテムで一葉さんくらい、あなたも飲んでみてください
オススメしますよ〜









posted by cave MITSUKURA at 15:27| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする