2025年01月18日

頂点を待つべし


今日はよく晴れている名古屋です

明日からは最高気温がいきなり13度くらいになるそうですね
朝晩の気温差が広がるので体調管理に一層気を付けないといけません。



今日は昨日書けなかったこのワインを紹介します

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ロス・ヴァスコス クロマス グランレゼルバ 
カルムネール2020
カベルネソーヴィニョン2019


どちらもチリの赤ワインです
ロスヴァスコスは有名なので知ってる方が多いと思います

これ ↓

ロスヴァスコス2.jfif

ラベルデザインが変わりましたね


経営しているのはボルドーの1級シャトーを持つラフィットグループです

ロスヴァスコスはラフィットが初めて海外拠点として築いたワイナリーで、1988年に2200haもの土地を購入して始まりました。
最初のブドウ畑はそのうちの10分の1ほどですが、それでも広大な畑です。

この地で長らく農業を営んできたスペイン系のバスク出身者に敬意を表し、「バスク人の土地」と言う意味でロスヴァスコスと名付けられました。

ラフィットはボルドーで培ったノウハウや、豊富な資金を使って、テロワールの緻密な調査を行い、チリならではのワイン作りを進めています
今日のグランレゼルバのワインの熟成にはラフィットの樽を使用する等、差別化を図っています

現在、ロスヴァスコスでは4ランクのワインを生産しています。
下から、
ロスヴァスコス
ロスヴァスコス・チャグアル(オーガニック)
ロスヴァスコス クロマス
ロスヴァスコス クロマス ル・ディ


今日のワインは上から2番目のクロマスです。



ワイナリーは首都のサンチアゴの南、コルチャグアバレーのペラリージョと言う町の近郊にあります ↓

ロスヴァスコス.png

DOセントラルバレーの中にあって、マイポバレー、クリコバレーなどチリの主要産地が集まっている地域です

ロスヴァスコス1.png
HPより

ボルドーとは全く違う景気ですね

チリはフンボルト寒流の影響で夏でも涼しく乾燥しており、日照が十分ある中で寒暖の差があり、ブドウ栽培に向いた土地です。
乾燥や海からの風のおかげで病虫害が発生しづらく、アンデスの雪のおかげで地下の水脈にも恵まれている理想的な産地なのです

これが「ハズレなし」のチリワインの発展の要因です。


チリワインの現状としては、日本のワイン市場でもすっかりお馴染みになってるように堅調な輸出に支えられて順調に成長を遂げています
しかし、世界の隅々にまで行き渡った感のあるチリワインは、もうこれ以上の拡大は難しいのではないかとの懸念を抱えてもいます。

さらに、安旨ワインの代名詞になっているチリワイン、ハズレがない代わりにヴィンテージの違いや畑の個性も追い求められていません

温暖化で高アルコールのワインが増える中で、エレガントさを保った食卓向きのワインを模索する中で、チリのワイン業界は高級路線へと舵を切りたいと切望しています

より小さな区画に限定されるようなテロワールの個性が反映されたワイン
ヴィンテージの良し悪しが語られるような歴史のあるワイン
古酒への訴求


このような、ブルゴーニュやボルドーなどヨーロッパの高級ワインには当然あるような要求が、残念ながらチリワインにはないと思われているのが現状です
確かに、いつでも美味しく飲めるチリワイン、ヴィンテージや細かな産地を気にして購入してる方はほとんどいないでしょう。

これが転換するかどうかにチリワインの未来がかかっているかもしれません
いつでも美味しい水準以上で、お手頃価格のチリワインはそれはそれでいいと思いますが。

いくつかの生産者は、新しいスタイルを模索して、中心部を離れて北のコキンボ、南のイタタ等へ進出しています


ロスヴァスコスの様な中心部の大規模ワイナリーでも、より小さな区画の選抜ワインを高級品として販売する動きが盛んになっています。

今日のクロマスはそうしたワインの一つです

クロマスとはギリシャ語で「色」を意味する言葉に由来した名前です。
ロスヴァスコスではワインの色は自然の表現だと捉えています。

自社畑の内で、長期熟成可能なブドウが取れる区画を品種ごとに選抜しており、一段上のワインになっています。

カベルネソーヴィニョンとカベルネフランはサンタルチアの丘陵地から、
カルムネールはアンデス山脈の赤い土地から、
シラーは海岸側の花崗岩の険しい土地から、

それぞれ土地に向いた品種を植えています。

醸造はボルドーのラフィットを作る時と全く同じ手法を用いています

ステンレスタンクで発酵の後、ラフィットで使用したフレンチオークで12か月熟成させています。
品種の記載がありますが100%ではなく、10%程度他品種がブレンドされています。

どちらも外観はしっかり濃く、黒めの色合いになっています。
(グランレゼルバはスペインとは異なり、アルコール度数が通常品よりも高く、樽熟成を経ていれば名乗ることが可能です)
抽出の豊かなフルボディです

南米のBBQ、アサードにはぴったりです


正直、販売されている現行ヴィンテージよりも古い店頭の19年と20年ですが、まだ若く硬い印象です。
今飲んでも、そこまで感動しないかも。

その分、これからの寿命は長く、熟成の後には非常に良い変化を伴うであろう期待が持てます

1年、いや3年待てば、きっといい香りになると思います
その後も長く熟成可能です。

買って置いておくのがおすすめです
お値段もお手頃、全く高いワインではありませんので、この内容は素晴らしいです













posted by cave MITSUKURA at 15:37| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2025年01月17日

チョコを求めて


今日は寒風激しく吹きすさんでます
寒いです、明日の朝が寒さの底らしい。


今日から?名古屋駅辺りはチョコのお祭りで大騒ぎになってるみたいですね
お一人何万円も購入する方も多いようで。
(何万円もするワインを売ったり飲んだりしてる身としては、他人をとやかく言う資格はありません

チョコレートにシャンパーニュ等、ワインを合わせるという試みがあると思いますが…
結構難しくて、上級編だと思います
個人的にはあまりお勧めしません。

やっぱりブランデーなどの蒸留酒の方がいいのでは


ワインの紹介をしようと思っていたら時間が無くなってしまった
また明日〜








posted by cave MITSUKURA at 17:12| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2025年01月16日

湯豆腐にゆずのお酒で


少しですが日が長くなってきたような気がします
寒さもあと一か月くらいの我慢でしょうか。

「早くも来月には花粉が飛び始め、今年は量が一段と多い」と言うニュースを見てびっくりしてます
花粉は少なめがいいなぁ… 2月から飛散し始めるなんて早すぎる



フランスのブドウ畑は眠っています ↓

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Vin du Beaujolais SNSより

綺麗な景色ですが寒そう〜

冬の時期に気温が下がるとブドウ樹は休眠状態になります
この状態で冬を越すことで病気や害虫による被害を受けなくて済み、春の芽吹きに向けて生命を温存することが出来ます。
マイナス24度までなら耐えられるとか。



さて、今日はこのお酒を紹介します

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小野屋のゆず

日本のリキュールです

大分県由布市の小野酒造が作っています。
小野酒造は家族経営の小さな蔵ですが、温泉地でも有名な由布の水を用いて高品質の麦焼酎を生産しています。

てんちょ、知りませんでしたが、大分県は国内5位のゆずの産地だそうです
今日のお酒は、その県内で栽培されたゆずを小野酒造の麦焼酎にブレンドした物です。

綺麗なレモンイエローですね、もちろん着色無し
固形分が少し浮遊していますが、柑橘をお酒にするとこうなるので問題ありません。

お酒は、ゆずの香りがものすごく広がる、やや甘口です
今の季節には、お鍋のお供にもいいですよ。

アルコール度数7%でとても飲みやすく、美味しいです
いいですね〜

ロックでもソーダ割でも、ごくごく飲めてしまう
飲みすぎ注意かも。

カボスのリキュールもあるようです

ワインじゃない日にはこういうお酒もいいかと思います






posted by cave MITSUKURA at 16:16| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2025年01月12日

フルーティとはこれだ


店内が寒いのは毎年の事ですが、やっぱりボトルが冷たくて触りたくない


福袋はまだ沢山残っております

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大当たりも、赤白シャンパーニュのどれも未だ出ていません。
シャンパーニュが一番多く売れていますが、クリュッグもベルエポックも他の高級品もまだあります

是非買いに来てください




では今日はこのワインを紹介します

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ラ・リヴォルタ
タブルノ ファランギーナ・ディ・サンニオ2022
フィアーノ タブルノ・サンニオ2022


南イタリアの白ワインです
どちらもカンパーニア州の白で、DOCサンニオです。

エッチングの入ったボトルに、綺麗なラベルで好印象です
個人的に好きなデザインです。
中身もオススメですよ。


カンパーニア州にはナポリがあり、青の洞窟やヴェスビオ火山の傍らのポンペイの遺跡、アマルフィなど観光客にも人気のスポットが沢山あります。
行ったことある方も多いのでは。
治安が不安な地域ではありますけど

ワインとしては、赤のタウラージが人気でしょうか

タウラージはギリシャ伝来のアリアニコ種で作るフルボディの赤で、火山灰の堆積した山の区画にはフィロキセラがいないために自根の高樹齢ブドウが残る貴重な産地でもあります。

90年代の初めにアメリカで大人気になったことで世界からも注目されて、一気に生産者が増えました。
成功してる産地の一つです
今進行しつつある温暖化にどう対応するか、課題もありますが。

タブルノサンニオもこのあたりの地名です。
ベネヴェントという町が大きく中心になってます。

今日のワイナリーのリヴォルタはここに在ります ↓

リヴォルタ.png
海からは50キロほど離れています

リヴォルタIMG_2669-1.jpg
HPより、以下同様

ワイナリーですが、訪ねていくような雰囲気ではなく、本当に何もない場所です。
ビオロジックですし、それでいいと思います

リヴォルタとは「改革」と言う意味で、中世に農民が農地改革を訴え、大地主と戦い勝利したという醸造所のある地域の歴史に由来します。
オーナーのコトロネーロ家はここを200年も所有していましたが、1997年に現当主のパオロ氏がワイナリーとして復活させました
カンパーニア州の固有品種を大事にした個性豊かなワインが沢山作られています。

リヴォルタIMG_3664.jpg

白ブドウはワイナリーの周辺に植えられており、
フィアーノ
ファランギーナ
グレーコ
コーダ・ディ・ヴォルペ

で4種のDOCサンニオを生産しています。
どれも南イタリア特有の品種です

リヴォルタbianchi-02-1.png

今日の2つ、ファランギーナやフィアーノは、フルーティという形容がぴったりなブドウです

辛口の白ワインですが、ゲヴェルツのライチの様に果物の香りがはっきり感じ取れます
まさに白桃&マンゴー。
そしてくちなしの花の香り、金木星やユリの花の様でもあります。

アロマのボリュームは抜群に高く、この香りが感じられない人はいません

こうなると重要なのが酸味です

とにかく圧倒的な香りなので、酸っぱいワインが苦手な方や初めての方にはとっつきやすい事は間違いないです。
しかし、酸味が低いとダラーッと締まりのない味わいになってしまい、メリハリがなく飲み飽きてしまうのです
1杯目は美味しかったけど… ってことになってしまうかも。

南イタリアはとにかく暑いので酸をどうやって温存するか、が非常に重大な課題になっています

てんちょ、酸の弱い白ワインが苦手なのであんまりこういう品種には手を出しません
ですが、知っておきべきいいブドウである事は間違いありません。

その点、リヴォルタは上手にバランスを取っています
良く冷やして飲めばワインだけでも美味しく楽しめます

どちらも有機栽培で、発酵も熟成もステンレスタンクで行っています、清涼感を維持するためにもそれがいいと思います

フィアーノの方がよりフルーティかなぁ
これは好みにもよるでしょうね。


今日のワインではなくて恐縮ですがちょっとヨコの話。
てんちょ、ワインは入手できませんが(リヴォルタでは輸入がない?)、
もう一つの固有品種のコーダ・ディ・ヴォルペを観賞用に植えてみたいと思ってます

リヴォルタIMG_1502.jpg
多分これ

コーダ・ディ・ヴォルペとはキツネのしっぽと言う意味で、しっぽの様に長い房を持っている白ブドウなんです
50センチ以上にもなるこのブドウは、房の中で均等に成熟しないことが多いので、下と上の半分に分けて2回収穫する作り手もいるほどです。

見た目が100点ですね
でも実はワインとしては、フィアーノやファランギーナの方が人気があると思います。

南イタリアのワインは夏向きかと思いますが、お手頃で親しみやすいので、未体験の方は是非飲んでみてください〜












posted by cave MITSUKURA at 18:34| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2025年01月11日

福袋販売してます


昨日の朝の雪にはびっくりしました
名古屋市内はすぐ溶けたものの、一日寒かったです。


今日から福袋の販売開始です

シャンパーニュ
ブルゴーニュ赤
ブルゴーニュ白

各50本
6000円税込み
です

採算無視
もう来年は本当にやれなさそうですので、今年是非お買い求めください〜





posted by cave MITSUKURA at 14:40| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2025年01月09日

冬こそ黒ワインを


岐阜県の北部や北陸では大雪になってるようですね
名古屋は平穏に晴れていますが、明日は雪がチラつく地域もあるかもしれないとの予報です。


店頭にはデュジャック2022が入荷してきました
ネットショップにも掲載しました。
割り当てでいつも通りの少量ですが、やっぱり高い…
ある内に買ってください〜



今日はこのワインを紹介します

bouscasse.png

シャトー・ブスカッセ2018

黒いラベルが荘厳なイメージ

フランスの南西地方(シュッド・ウエスト)のAOCマディランです
タナ60%、カベルネフラン25%、カベルネソーヴィニヨン15%

シャトーとついていますがボルドーではありません。

シュッドウエストはボルドーの南にある産地の総称で、スペインとの国境のピレネー山脈からルションの西にかけて広がっています。
アキテーヌとピレネーと合わせてボルドーを除いた産地を包括してそう呼ぶのですが、中は細かな産地がいくつもあって、市場では馴染みが薄い名称が多いのが現状です

今日のマディランは比較的知名度の高い産地で、カオールのマルベックと並んで「黒ワイン」として知られる場所でもあります。

マディランの固有品種であるタナは、タンニンが強く骨格のしっかりしたフルボディの赤ワインになるので、外観が黒く如何にも凝縮したワインと言う見た目なので、黒ワインの名前が付きました。
(もちろん種別としては赤ワインです)
長期熟成が可能なワインであることも魅力です。

今では南米での生産が盛んで、ウルグアイでは国を代表する品種として盛んに栽培されています

しかし、温暖化が進んだ昨今ではタナ単体ではあまりに濃くなりすぎるので、カベルネフランやメルローをブレンドして、その凝縮度を和らげるのが一般的になっています。


今日のシャトー・ブスカッセ(マディラン)はここです ↓

ブスカッセ.png

オーナーのアラン・ブリュモンさんは日本でもよく知られた生産者です

ハリウッドスターがヘリでワインを買いに来た、なんて宣伝されてましたね。
このお父さん、結構自由人で色んな話があるんです
今は御嬢さんもワイナリーの仕事をしています。

マディランの周辺は、フォアグラやキャビアの養殖が盛んで、正に美食の産地です。
一度行ってみたい〜

アラン・ブリュモンさんは、1980年にブスカッセから5キロほど離れた場所のシャトー・モンテュスを購入してワイン業を始めています。
ボルドーの陰に隠れたマディランのポテンシャルを早くから見抜いていた人です。

実はブスカッセの方が生家で古いのですが、彼を有名にしたのはモンテュスの方なのです。
他の生産者がやらないような栽培を試したり、国際市場で勝負できるワインのスタイルを研究したり、既存のワインに囚われない方法が大成功して、マディランの名前を一躍有名にしたのはアラン・ブリュモンさんの功績です

1997年にはレジオン・ドヌールを受賞するなど、その功績は高く評価されています

もちろん、生家のブスカッセもそのままではありません。
蔵を継いだ1979年当時は17haしかなかった自社畑は、今では120haにも広がりました。
この地の伝統的な農業であった混合農業(畜産と農業を両方行う)を、ブドウ栽培だけに特化させています。

ブスカッセ1.jpg
HPより

ブスカッセ2.jpg
セラーも刷新


今日のワインは濃いながらも非常に洗練された1本です
フレンチオーク樽で18か月熟成させた、まろやかな赤ワインですが、飲み飽きないコクがあって美味しいです。

濃いワインが好きな方には是非お勧めです
大きなグラスでグルグル回しても大丈夫です。
冬向きのワインですね。

価格もそこまで高くないので、試しやすいかと

タナと言う品種、是非体験してみてください。








posted by cave MITSUKURA at 17:41| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2025年01月07日

安息の地に着いた流浪のメゾン


再び晴れの名古屋です
昼間の気温は二桁ありそうで、やや暖かい?

普段の生活に戻って、きっと今年もあっという間に終わるんでしょうね




今日はこの有名なワインを紹介します

ランソン.png

ランソン ブラック クリエーションNV

シャンパーニュです

赤いマルタ十字に見覚えのある方も多いのではないでしょうか?
老舗のメゾンですし、日本にも何十年も前から輸入がありました

でも、このランソン程、「損してる」シャンパーニュはないかもしれません…


ランソンは、1760年創業です。
創設者はドラモット、あのサロンの姉妹メゾンのドラモットです

フランソワ・ドラモットは創業以前に、アイのワイン商の御嬢さんと結婚しています。
それを機にシャンパーニュを商売とするようになり、自分のメゾンを立ち上げたのです。
彼らには3人の子供があり、その内の二人の息子が1790年に商売に参加します

長男のニコラ・ルイがマルタ騎士団の一員になったことで、マルタ十字の紋章がランソンの物となります
騎士の位を持ったニコラ・ルイですが、騎士団はその後ナポレオンに侵攻されてマルタ島を追い出されてしまいます。
そうして彼はシャンパーニュへ戻り家業を継ぐのですが、1828年にランソン氏を共同経営者とした後、死後に社名をランソンとしたのが1837年の事です。

この時点でドラモットと分かれたのですが、その後も大手の買収劇が繰り返されるのはどこも同じ

19世紀の内にイギリス王室のロイヤルワラントも取得して、確固たる地域を築いたランソンです。
家族経営を続け、ランス郊外に立派な邸宅と醸造所を建て、今でも訪問することが出来ます

ランソン1.png
HPより、お庭も素敵なんです

さらにその後、蔵は繁栄して、シャンパーニュ以外の商売も手掛けるようになるのですが、残念な事に20世紀の終わりにはランソンは資金繰りが立ち行かなくなります

2005年ころかなぁ、アメリカの投資会社(所有するホテルだけが目当てでシャンパーニュには興味なし)に買収されて家業はばらばらになります、シャンパーニュ部門だけを大手のグループに売却されたことでランソンは自社畑も喪失してしまい、さらに短期間で組合へと売却され、まるで流浪のメゾンの様。

代々の歴史を紡いできたランソンも、当時のご当主がお亡くなりになり(かなりの失意だったようです暗黒時代になってしまいます。

この辺りの事は今のネット情報ではほとんど書かれていませんねぇ
まぁ、嬉しい話ではありませんので、ごもっともかも。

さて、てんちょが知るようになった1995年頃のランソンは、老舗の有名銘柄であることはよく知られていましたが、スーパーマーケットで安売りされちゃってましたので、有り難味が低いというか残念な印象ではありました

うーん、もったいない

どうもこの印象と、その後の「たたき売り」のせいで、ランソンと言う銘柄は軽く扱われてきたんじゃないかなぁ…
と思います
どうでしょう?
違う??

しかし、ちゃんとランソンは復活しています

2006年にボワゼル・シャノワーヌグループに再度買収されたのち、再び自社畑も増やし生産を拡大しています
このグループ、シャンパーニュでは3本指に入る生産量を誇る一大グループです。

アレとかアレみたいに、どんどん大手の買収が仕掛けられて、まるでマネーゲームになってるような昨今のワイン業界ですので、それにはもろ手を挙げて賛成はできませんが、品質が向上したり、労働者の環境が良くなるにはいい事です

さて、今日のシャンパーニュは、ランソンで最も基本となる1本です

ピノノワール 50%、シャルドネ 35%、ピノムニエ 15%
2018年のワインが主体になっています(68%)
ランソンはMLFをしないメゾンとして知られていますが、一部のキュヴェでは行ってるようです(25%)

瓶熟は最低48か月
デゴルジュマンは2023年12月

裏ラベルに情報が記載されています ↓
(が、輸入元のシールが邪魔かも)

ランソン backlabel.jpg

ヴィクトリア女王にも愛されたというシャンパーニュ
2013年からは新しいセラーマスターが就任しています。

基本の1本として飲んでおくべきシャンパーニュです

「昔飲んだ事がある」では到底シャンパーニュ通とは言えませんよ
そして、「知ってる」だけで大口をたたく人がいますけど、みっともないからやめなはれ

ランソンは上級キュヴェも非常に美味しいのです。
ノーブルキュヴェが嫌いって言う人はいないだろうと思います

飲めば分かる〜







posted by cave MITSUKURA at 17:53| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2025年01月06日

福袋販売します〜


雨の月曜日ですね、今日から世間は仕事はじめでしょうか
この頃の乾燥にはいい雨ですが、寒くて侘しい感じ…



イベントページに福袋販売の案内を載せました

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去年よりも単価が格段に高いので、そこまでの大当たりは増やせませんでしたが、
6000円なら損はしません
11日の土曜から販売しますので、皆様のご来店をお待ちしております。



…せっかく書いたデータが全部飛んでしまいまして
いきなりPCがフリーズした

あーもう、やる気無くすわぁ
と言う事で今日はこれだけ


posted by cave MITSUKURA at 17:12| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2025年01月04日

お手頃ですが侮るなかれ


2025年は本日より営業開始です
本年もどうぞよろしくお願いいたします。

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明後日からお仕事の方が多いでしょうか
街も車は少ないようです。

皆様、新年最初のワインは何でしたか??



福袋は1月11日(土)12時から販売いたします

去年と同じ税込み6000円
クレジットカード、電子マネーでのお支払いもOKです。

当たりワイン等、詳しくは6日の月曜に再掲します

やっぱりブルゴーニュの赤白は厳しいですねぇ…
シャンパーニュがたやすい訳ではありませんが…


  
さて、福袋とは無関係ですが、新年最初はこのワインを紹介します

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セグラ・ヴューダス ブリュット・レゼルバ2021

ボトルに記載の通り、スペインのカヴァです

ここは老舗で、ずいぶん昔から日本へも輸入がありますので、古いワイン愛好家の方なら御馴染みかもしれません。
ラベルがかっこよくなって、とても印象が良くなりました
見た目は重要。


では、カヴァについて基本的な事をおさらいしましょう。

スペイン語でスパークリングワインの事をエスプモーソと言います。
カヴァはその内、製法や品種などを守ったものに与えられる名称ですが、スペイン産のスパークリングワインはほとんどがカヴァと言っても良いくらい、カヴァだらけです

しかも、ヨーロッパワイン法ではワインの名称が基本的に産地に対して与えられるのに対して、カヴァは製法に与えられると言う特異な側面を持っています

産地の9割がバルセロナ周辺のカタルーニャ地方なのですが、リオハを流れるエブロ川の流域やカセレスのあるエストレマドゥーラ等、他地域でも少量、生産があります。
現在ではサブゾーンの認定があったり、細分化されて品質管理も厳しくなってはいますが、やはり瓶熟9か月を守れば認定されてしまうので、残念ながら市場には品質的にイマイチなカヴァも多いのが現実です

そうした玉石混淆な状態を嫌って、2019年に有志6人が集まり高品質のエスプモーソを作り、新しくコルピナットと謡って生産販売を始めてました
彼らはカヴァを脱退、新しいコルピナットという名称でカヴァとは一線を画したスパークリングワインを生産しています。
しかし、日本でもちらほら見かけますが、やや高いせいか、そこまで浸透してはいないかもしれません…

コルピナットを名乗らないまでも、高品質のカヴァを作る会社はいくつもあります
今日のセグラ・ヴューダス然り、ロジャー・グラート、カヴァを敢えて名乗らないラベントス・イ・ブラン(カヴァの始祖です)等。


では、セグラ・ヴューダスのお話。

ここは老舗のワイナリーで、カヴァの中心地でもある、カタルーニャ地方のサン・サドルニ・ダノイアにあります。
ここ ↓

セグラ・ヴューダス1.png

セグラ・ヴューダス.png

ここのセグラ・ヴューダスの建物は10世紀にまで遡ることが出来る貴重な建造物です
重要文化財だわ。

元は修道院が所有していたそうで、レコンキスタの時代には要塞にもなったらしい。
外壁には当時の戦闘での縦断の跡が残っています ↓

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HPより

平安時代からあるんですねー、流石の石造り。
その後、12世紀には農園となりブドウ栽培を始めています。
そして第二次世界大戦後に現在のセグラ・ヴューダスの所有になっています。

日本語のHPあります

カヴァはその起源がはっきりわかっている数少ないワインです
19世紀の終わりにシャンパーニュに修行に出かけたラベントス氏が帰国してカヴァを作り始めます、瓶内二次発酵のスパークリングワインは非常に評判が良く、色んな生産者が増えていきました。
そしてそれから100年後の1972年にカヴァとしての名称を確立して現在に至ります。

セグラ・ヴューダスの最初のカヴァは1969年産です。
この時のブリュット・レゼルバ・エレダードは今でも蔵のフラッグシップとして生産されています ↓

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HPより
かっこいいボトル、瓶熟24か月以上の本格派です。

今日のボトルは蔵のスタンダードと同じデザインですが、エレダードに倣ったボトルで素敵です

一番ベーシックなカヴァはNVですが、
今日のは「レゼルバ」「ヴィンテージカヴァ」です

レゼルバは瓶熟が18か月以上の物でないと名乗れません。
ヴィンテージは良年のみの限定生産で、瓶熟30か月以上に耐えうるブドウのみを使用するという厳しい基準を設けています。

マカベオ、パレリャーダの2種のスペイン品種で作られています

軽めの圧搾でブドウのエキスだけを慎重に取り出し、12ものベースワインを醸造した後で瓶熟に入ります。
ドサージュに使用するのは同じく醸造・樽熟した白ワインで、糖分を一切加えていないこだわりの辛口に仕上がっています

この手間暇かけた貴重なワインですが、今だけ非常にお買い得な価格になっています
この値段を見て、躊躇する人はいないでしょう

って、こんなにちゃんとしたカヴァをあんまり安売りしたくない、かも
本当に、安物と一緒にされそうなのが嫌。

ブドウ品種がスペインなので、シャンパーニュとは全く違う香りですが、繊細さや余韻の長さは納得の高品質です
カヴァの良さが分かります。

シャンパーニュは確かに素晴らしい飲み物ですが、全ての産地がシャルドネやピノノワールにならなくてもいいはずです。
てんちょ、そこにしかない固有の品種が好きです
そういう物を大事にしてほしいですね。

そういう点ではこのカヴァは称賛されるべき、良いワインに違いありません
ぜっひお試しください〜

















posted by cave MITSUKURA at 14:51| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年12月27日

のほほん年末


今年もあと僅かですね。


カーヴミツクラは12月30日まで営業しております
ただし、30日は18時で閉店しますのでご注意ください。
新年は4日から通常営業(12時〜20時)いたします

皆様のご来店をお待ちしております


今月はほとんどブログ書きませんでした

来年は頑張りたいですねえ
残り数日、のんびり御店番してます。




posted by cave MITSUKURA at 15:48| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする