明日の台風7号接近は西へ逸れて、和歌山や三重が大雨になりそうです

名古屋は風はともかく、雨量はそこまででもなさそう。
それでも外出しない方がいいでしょうね。
台風が過ぎても気温が下がらなさそうですね…

せめて夜は20度くらいになって欲しいわー
最近、ワイン関連の書籍を読むことがありませんでしたが、お盆にはこれを読もうと思います


ワインと戦争 ナチスのワイン略奪作戦

クリストフ・リュカン著 法政大学出版会
4年前の出版です。
このような本がある事を最近になって知りました

20年程前にはワインもチーズも盛んに出版物がありましたが、最近は本が不調な事もあり、ワイン関連の新刊はとても少ないです

この本は、ブルゴーニュ出身の著者が、第二次世界大戦中にナチスドイツが占領下のフランスでどのようにワインの調達・摘発を行っていたか、またそれに従ったフランス人のドメーヌや酒販業者の対応が克明に書かれています

このような本はこれまで、「ナチスに屈しなかった人々の美談」的な側面にスポットを当てて書かれることが多かったのですが、実際には大半の人が占領政策に従い、ドイツ軍の要求に応えるべく積極的に働いていた事実に焦点を当てています

巻頭には、ドイツ軍の物資である旨を明記したワインラベルや、ドイツ軍の許可の下で生産、販売されたことを示す資料が写真で載っています。
こうした写真はこれ以外では見た事がありません。
多くのフランス人にとって、占領下の生活は忘れたい出来事であり、協力者が戦後に激しく糾弾された事もあり、誰も話したがらない事になっています

実際には、金儲けの為、ドイツ軍の勝利を目の当たりにしての保身の為、その他の理由によって進んでドイツ軍に献身した人も沢山いたはずです。
著書は糾弾目的ではなく、事実を冷静に分析し、何があったかを明らかにする目的で書かれています

紛失、破棄、隠匿によって失われた資料を出来る限り発掘し、分析した作業は大変だったと察せられますが、文章は平易で分かりやすく、戦時下のフランスワイン業界を知るには興味深い1冊です。
ベルサイユ体制下で、ワイン国際会議なるものがあった事や、ファシズムと農村、等、興味深い記述も多い

因みにレジスタンス賞賛的な本はこちらがいいですよ ↓

ワインと戦争 ヒトラーからワインを守った人々

ドン&ペティ・クラドストラップ著 飛鳥出版
怪しくも同じタイトルですが、この本は楽しく読めます

(このご夫妻の出版では「シャンパーニュ歴史物語」がとてもおすすめです。
これの内容を頭に入れていたら、結構なシャンパーニュ通になれますよ)
出版が20年程前なので新刊ではもう入手不可能かもしれませんが

興味ある方は読んでみてください
