2025年08月26日

試飲会やります


イベントページに9月試飲会の案内を載せました

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久しぶりに試飲会開催します
色んなワインを飲んで、新しい発見があれば嬉しいです。

9月の後半にはいくらか涼しくなっていてほしいですね〜

キャンセル期限など、内容をよく読んでご了承の上でお申し込みください。

皆様のご参加をお待ちしております

posted by cave MITSUKURA at 17:13| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2025年08月24日

自然の甘さでほっこり


8月も後1週間ですが、暑さはまだ続くようでしんどいわー



今日は新入荷のこのワインを紹介します

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ケイヴスプリング リースリング レイトハーベスト2017 ハーフ

ケイヴスプリングは前にも何度か紹介しています、カナダのワインです 

今日のワインは遅摘みの甘口です、白ワインです。
375ミリのハーフサイズ。


カナダのワイン産地は、大きく二つ。

一つは、バンクーバーのあるブリティッシュ・コロンビア州
バンクーバーから内陸に入ったオカナガンバレーが有名です

もう一つは五大湖北のオンタリオ州
トロントの周辺に広がる産地で、ナイアガラ半島が有名。

ここではナイアガラの滝の観光土産としてアイスワインも人気です

しかし、このアイスワインを生産する環境はドイツと同じく厳しいものです。
2022年の冬にはマイナス30度にもなったそうですが、その一方でやはり平均的には気温の高い冬が多く、カナダの名産ワインともいえるアイスワインの生産は減少しています

他にも細かい産地の規定はありますけど今日は割愛。



ケイヴスプリングは二つ目の五大湖北のオンタリオ州にあります
コロニアル風の建物が続く景観の美しい観光名所にショップがあり、一度行ってみたいところ。

今日のワインは、リンカーン・レイクショアという、ナイアガラペニンシュラのサブリージョンのブドウを使っています。
リースリング100%

収穫時の糖度は30.2度
残糖111g/Lもある、かなりの甘口

アイスワインは収穫時の条件が整わないと作れませんので、非常にお値段が張るものになってしまいますが、
このレイトハーベストならそこまでの値段にならず、甘さは十分

甘いものと合わせると甘過ぎて、てんちょには無理なので、私ならフォアグラのテリーヌかブルーチーズにします

これだけで十分「甘露」ですよ〜















posted by cave MITSUKURA at 15:23| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2025年08月21日

3男来る


ローマ字の表記が「ヘボン式」になるそうですね

これに関して、きっと同じ事を思ってる人が多いのではないでしょうか

ヘボンってなんだか知っていますか?

これ、発案者の名前なんです
James Curtis Hepburn=ジェームス・カーチス・ヘボンさん

…って、ちょっとまて。

では、この方は誰か分かりますか? ↓

Audrey_Hepburn_1956om_(3x4_cropped).jpg
WIKIより拝借

そうです、Audrey Hepburn=オードリー・ヘップバーンさんです

どっちも Hepburnさんなのに、この違いはなに??

まぁ、ジョージ、ジョルジュ、ホルヘ、どれも同じなんですけど。


同じ様なのに、コインランドリーなのに一方ではマネーロンダリング、もありますね
コインロンダリーだろうが

いや、別に怒ってません。




という事で、簡単に新しいワインの紹介します

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クロ・ド・タール モレサンドニ2021

クロ・ド・タールのモレサンドニ
モレサンドニのクロ・ド・タール


似ているようで、意味が違うようなこの二つの表現

クロ・ド・タール(というドメーヌが作ってる)モレサンドニ(というワイン)

モレサンドニ(という場所にある、生産者としての)クロ・ド・タール

モレサンドニ(という場所にある、グランクリュの畑の)クロ・ド・タール


日本語はややこしや〜
どうでもいいことだった



いや、クロ・ド・タールって村名ワイン作っていたんだな、と

900年にわたって一度も分割されることなく受け継がれてきたこのグランクリュ。

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HPより 以下同様

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フランソワ・ピノーに買われて、一層手が届かなくなったような
昔は3万円くらいで、それでも高い〜って思ってたんだよねぇ

クロ・ド・タールにはフォルジュ・ド・タールというセカンドワインがありますね。
では、これはサードってことになりますか

HPには2019までしか情報がありません

てんちょ、村名は飲んだことがありません。
21年だし、どうかなぁ

2本しかありませんが、お買い得ですよ〜













posted by cave MITSUKURA at 16:46| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2025年08月20日

バローロのクリュ、何個知ってる?


暑くてダルダルですぅぅ
バテる


さて、久しぶりにワインのお話。
こういう在庫、あったなぁという(管理的には全くよろしくない)珍しいワインです

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チェレット バローロ カンヌビ サン・ロレンツォ2006 マグナムボトル 木箱入り

豪華パッケージ
1.5リットル


この5,6個のカタカナを見て、どれが何の事か分かりますか??

ワインの知識がないと、何が何だかチンプンカンプンですよね
大丈夫、勉強を続ければ分かるようになります

今日のワインはイタリア、ピエモンテ州の赤ワインです。
名前だけで赤ワインだと分かるんです、サンテミリオンやジュヴレイ・シャンベルタンと同じ。
そういう決まり。



チェレットは生産者の名前です

2022年にファインズの協賛で林さんを講師に、セミナーやりましたね。
読者に参加者いますかね? 
覚えてますか?

このワイナリーは1939年に初代リカルド・チェレットが創業しました。
創業地は、トリュフ祭りで有名なアルバです。
それ以来、3代に渡って現在まで家族経営が続けられています

2015年にはオーガニックの認証を取得、さらにピエモンテで最初のミシュラン3つ星のレストランも経営しています。

新樽の比率を減らし、手を加え過ぎない「引き算」のワイン作りを継続、ネッビオーロの高貴さを表現するべく、畑仕事も最新の注意を払っています

アルバのワイナリー ↓

チェレット.png
HPより

整備が行き届いた畑、物見台がありますね

ランゲに根付いたチェレットでは、地元の伝統のブドウで数々のワインを生産しています

ランゲ・アルネイス(白)
ドルチェット・ダルバ(赤)
ネッビオーロ・ダルバ(赤)
バルバレスコ(赤)
バローロ(赤)

そして、キナートも作っています

キナートとは、バローロに薬草を漬け込んで甘く味付けした薬草酒です。
知ってる方は少ないでしょう


さて、今日のワインはバローロです

バローロという名称は、ピエモンテ州の南部、バローロ村の周辺、5つの村を中心に広がるブドウ畑でとれるネッビオーロ100%の赤ワインに認められています。

逆に言えば、このどの条件が外れていてもバローロを名乗ることは許されません。
規定はもっと細かくたくさんあるのですが、この「産地呼称」の規定は非常に厳しく、ヨーロッパ全体でワインの名称を認定する際の基本になっています。
1981年に最初に認定された名称の一つですが、その後、認定される範囲がやや拡大しています。



イタリア北部に位置するピエモンテ州は、北はアルプス、西はフランスに接しています。
州都のトリノは大都市で、自動車のフィアットの本社があり、農閑期には貧しい農民はみんなそこまで出稼ぎに行っていました。

北から、まずアスティがあって、タナロ川沿いにバルバレスコの村があり、それからアルバの町があって、もう少し南に進むとバローロです。
ですが、バルバレスコもバローロも集落としてはとても小さいので、地図で見つけるのは結構大変かも

チェレット1.png

トリノを入れようとするとかろうじてアスティ、アルバが読める程度にしか表記がでません…
ブラ(スローフード協会の本部があります)も見えますね



バローロはとても有名なワインなので、知ってる方が多いでしょう
王のワインであり、ワインの王である
と長らく言われていましたが、70年代くらいから低迷していました

90年代でも「これがワインの王様なの??」っていう疑問符が付くようなバローロが沢山あって、名前程の価値はなかったかもしれません
その後、名声を復活させるべく、いくつかの生産者が立ち上がり、見事高級ワインに返り咲いたバローロです

今日はその辺の復活劇には触れませんが。

さて、このバローロ、一くくりにされていますが、非常に中身が細かくて厄介です

まず、ブドウ畑は全体で2000ha弱もあり、11の村に跨っています。
生産者は800以上、一つの作り手が一つしかバローロを作っていないとしても800種類以上もあることになります。
大抵の生産者は複数の「クリュ」を名乗るバローロを作っていますので、その種類は全体では大変な数になりそう…

このクリュが曲者です

クリュとはブドウ畑の小区画の事です。
ブドウ畑には当然ながら、出来の良い区画、そうでもない区画があり、やはり優劣が付けられています

この区画には名前が付けられており、正式にクリュ(区画というほどの意味です)として認められているだけで180以上あります

増えたね〜
てんちょが勉強し始めたころには97しかなかったのに



このクリュ、公式には格付けなどの序列がある訳ではありませんが、やはり高額になるクリュと生産者の組み合わせはあります

それが今日のカンヌビです

そう、カンヌビってクリュの名前だったんです。

ブリック・デル・フィアスク
カンヌビ・ボスキス
ブルナテ

等、みんなが一目置くクリュですね

このクリュの作り手が言えたら中々なイタリアワイン通ですね

カンヌビというクリュはバローロ村の丘の上にある一番いい場所の畑です

…クリュの地図載せようかと思いましたが、多すぎて断念


その周辺に、
カンヌビ サン・ロレンツォ
カンヌビ ボスキス
カンヌビ ヴァレッタ

等カンヌビの名前を持ったクリュがあります

どうも19世紀から評判の良かったカンヌビの名前にあやかろうとして、周りに畑を持ってた人が勝手にカンヌビの名前を付けちゃったらしい

もちろん現在はそうした行為は禁止されていますが、昔は有名なワインのまねっこ、なんちゃってで稼ごうというのは当たり前でした。
プライドなし、売れれば勝ち、と言えなくもない所業。
低迷してる時代には何でもやってしまうものかも

さて、このカンヌビ サン・ロレンツォ、チェレットが所有するのは僅かに0.25haだけ。

それもあって生産はマグナムボトルのみ

貴重なブドウは大事に収穫され、フレンチオーク樽とオーストリア製大樽で約30ヶ月熟成後、瓶熟約7年。

十分熟成させてから飲むべきですね

という事でこの2006年もボチボチ飲んでもいいもしれません

現行品は2013年ですが、154000円もします〜
どひゃー
なんですってーな値段だわ。

06年、82000円税込みなんで、来年20歳の方にどうでしょうか???

自分で飲みたい〜













posted by cave MITSUKURA at 18:48| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2025年08月18日

ベイクド・グレープ ナチュラル(涙)


多くの方の連休が終わったともいますが、相変わらず暑すぎます

お盆の東京でも人がいなくて閑散とすることもなく(インバウンドも多いんでしょうけど)、少しはずらして休みを取る人が増えているでしょうか?
コロナのおかげ(と言っていいのか)かも、全員が同じ時に休まなくてもいいと思います


今日もワインの紹介はありません。
何かこれっていうワインがないのよね



フランス、イタリア、スペインでは猛暑で自然発生の山火事がボチボチ起こっていると前に書きましたが、まだ続いています

ブドウの成長も終盤でレバノンのシャトー・ミュザールでは既に収穫を始めています。
はやい

フランスでは今はヴェレゾン=色づきの時期ですが、一部の産地では暑さでブドウが焼けてしまってるようです…

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シャブリ デュフォーSNSより
これはシャルドネ

今年は春の遅い霜の害も、夏の雹の害もなくてやれやれと思っていたのに…

道路わきの立木の葉が枯れる様子をSNSに載せてる他地域の人もいたり、どこもかしこも暑すぎるんです

2024年が最悪の低収量なので(21年の比じゃない、平均90%減なんて生産者もいます)、2025年は何とか回復してほしいのですが、
この暑さでやっぱり、赤も白もがっしり骨太のワインになっちゃうんでしょうねぇ

ワインの未来や、如何に〜






たまに店頭で「ワイン詳しくなりたい」ってお客様に言われますが、嬉しいですね
並んでるワインを見て、大体わかるようになると選ぶのも楽しくなると思いますし

しかし、ワイン通になるのは簡単ではありません
覚える事沢山あって、しかも飲むという経験と「両輪で」積み重ねていかなくてはいけません。

本を読んでるだけ、の人には実際の味は分からないし
ただ飲んでるだけ、の人にはいつまでも似たワインの区別がつかない
(詳しくなりたくない人は飲んでるだけでもちろん何も問題ありませんよ)

時間も頭もお金も使わないといけないんですよね…
これが本当に大変なんです

少しづつでいいので、知ってる物を増やしていきましょう



9月には久しぶりに試飲会やろうと思います

色んなワインを飲んでみて、
こんなワインもあるんだー、とか
これとこれの違いが分かったかも、など、
何か発見があると嬉しいですね

月末か月初にイベントページに載せますので
乞うご期待。










posted by cave MITSUKURA at 13:59| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2025年08月16日

チーズご用心


首を激しく寝違えてしまった
ちょっとした動作で「ズキーン」となってしまう

とほほ〜


今日もワインの話はなし。
写真もないので読みづらいかも ごめんなすって



フランスのニュースで「チーズの食中毒で死者が出た」というものを見てびっくりしました

工場製のナチュラルチーズに発生したリステリア菌の汚染が広がったことが原因の様です。

チーズの販売元のシャヴグランはフランスのど真ん中にある工場で、周りはワイン産地ではありません。
ポワティエとリモージュの間、やや北、って辺りに会社はあります。

HPには今現在で何も記載がないですね、いいんかね??

しかし、このメーカー、テスコやカルフールといった普通のスーパーで沢山売ってるお馴染みのメーカーだけに大事件です
日本のかつての雪〇乳業みたいな事件です


日本ではコロナで細ったフランスの輸入ナチュナルチーズが円安でますます手が届かなくなっていますので、店頭でもAOCチーズを見ることがかなり少ないと思います
EPAだっけ? 恩恵があったとしても円安の前に吹き飛んでます…


その代わりに台頭しているのが、記事になっているような、
なんちゃってカマンベール
なんちゃってブリー

のような、(ロングライフを含む)ナチュナルチーズです。

AOCはワインと同様に原料乳から厳しい規定があり、製法、熟成等細かく決められています。
こうした規定を順守することは大量生産では大変ですので、AOCを名乗らないナチュラルチーズも多く生産されています。

代表的なチーズでは、カマンベールがありますが、
AOCで認定されているのは、カマンベール・ドノルマンディーという名称です。
(カマンベールはノルマンディーの農村の名前です、産地呼称というのはそういう事なのです)

これとただのカマンベールは全く別物です

日本にもなんちゃってカマンベールがありますが、これは法律の制定前にカマンベールという名前が広まり模倣製品が多く作られたので、後からできた法律では規制しきれない側面があるからです
うーん、面倒。


そもそも、ナチュラルチーズって何か分かりますか??

日本人は学校給食に採用されていることもあり、圧倒的にプロセスチーズになじみがあると思います。
てんちょが小さい頃にはプロセスチーズ以外のチーズを食べる機会は全くありませんでした。
現在もよく売れるチーズはスライスチーズや、シュレッドチーズであるように、プロセスチーズが身近です

このナチュラルチーズ、プロセスチーズの大きな違いは加熱してるかどうかです
(乳化してるか、などの条件もありますがここでは便宜的に無視)

牛や羊、ヤギの乳を固めて作るのがチーズですが、固める前に乳酸菌を添加して乳酸発酵を起こし、酸度を上げます。
(この乳酸菌はスターターとして培養されたものがほとんどですが、自然界には様々な酵母が存在するように、環境中にも乳酸菌を含む微生物は存在しています)
固めて熟成させたチーズは出荷される訳ですが、こうしたチーズにはまだ乳酸菌が生きていてどんどんチーズの状態を変化させていきます。
乳酸菌だけの働きではありませんが、モンドールがトロトロになったり、ブリー・ド・モーの芯が消えて行ったりするのはこの作用です。

一方でプロセスチーズは、固まったチーズを加熱してドロドロに溶かして再度成形します。
この加熱の工程で乳酸菌は死滅してしまうので、もうそれ以上状態は変化しないのです
プロセスチーズは冷蔵庫に入れておいてもトロトロになったりしないのはそのせいです。


我々の身近には(空気中には)、目に見えない様々な菌が存在していて、人はその内で好ましい変化をもたらす物を経験的に学び、活用してきた訳です。

漬物
納豆
チーズ などなど…


歓迎すべき変化は発酵、と良い名前がついていますが、同じ作用でも歓迎すべきでないものは腐敗、と言い、全く別物のように扱われているのは面白いですね


今回、ニュースになったリステリア菌ですが、熱に弱いので加熱してある食品で見られることはまずない一方で、生食するような今回のチーズ、生ハム、スモークサーモン等で多くの被害がある菌です。
土中にいるとされ、自然界では普通にみられる菌です。

リステリア菌は4度以下の低温でも繁殖するために冷蔵庫保存には意味がないという怖い側面もあります。
賞味期限を気にしつつ、状態を見て危なそうなら食べるのはやめておきましょう。

白カビやハードチーズに赤い斑点が出てきたらそこは食べてはいけません。
切り落としたり削ったりすればいいんですが、口に入れたときにアンモニア臭や強い酸味を感じたり、全体がドロドロになっていたりしたら、食べない方がいいですね

ユッケで人が亡くなったりしていますし、食中毒は甘く見てはいけませんね


日本の食品衛生法はナチュラルチーズの保存熟成にはそぐわない面がありますが、チーズの状態にはよく留意して楽しんでもらえますように

*似た名前の菌にリネンス菌がありますが、こちらはウォッシュチーズに使われる菌で無害です。
広義では納豆菌の仲間で、表面の黄色い色を生成し粘りを出す働きがあります。





















posted by cave MITSUKURA at 15:50| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2025年08月12日

ブドウ最大の仇敵


今日は平日として仕事の方と、お盆の連休の方と半々くらいでしょうか??

昨日の山の日のおかげで、色々と算段が崩れる
うっかり忘れてました…


今日はワインの話はありません


フランス、ボルドーでは40度越えの高温になってますし、スペインでも死者が増えているそうで…
湿度がなくても気温が40度を超えるとそりゃ辛いでしょう、野菜や樹木の葉が枯れていて小規模ですが自然火災も起こっています


カリフォルニアでは山火事が収まらず、ここ何年も毎年当たり前のようにに発生しています。

アメリカ西海岸付近が華氏110(43度C)というニュースを見て、三度見してしまった…
マジですか…

アメリカ南東部では、今年の初夏にも落雷や大雨で大洪水が起こった地域でまたもや洪水被害が起きていて、ハリケーンといい、災害が止まりません
全米全体から見れば一部、ではありますが、やはり大きな災害です

ところで、華氏やマイル表示、日本人には馴染みがなくてピンときませんよね
てんちょ、大陸は平気ですが、イギリスで車の運転できる自信がありません




カナリア諸島でついにフィロキセラが発見された、というDecanterの記事を読みました

Las-Arenas_ENVINATE_Tenerife-920x609.png

https://www.decanter.com/wine-news/phylloxera-detected-in-the-canary-islands-562812/

(勝手に載せると叱られるかしら、そしたら削除します)

人が行き来すれば、いつかは来るもの、なのでしょう
外来種を完全に防ぐって、もう鎖国しかない。

ボランジェの秘蔵、自根のVVFの3つの畑も、ブジーの区画がフィロキセラでダメになってしまい、アイの二つを残すのみになってしまいましたし
てんちょ、ショー・ド・テールの畑には入った事がありますが、消毒もなく普通に自分の靴だった。
今はそうはいかないかも。

カナリア諸島では土着ブドウの自根の古木も多いはずなので、これは危機です



フィロキセラって、ワインの勉強をする人なら必ず聞く名前ですが、もちろん普通の人には身近ではありませんよね。

ブドウネアブラムシって呼ばれますが、見た目はダニです

ブドウの葉の裏に卵を産むのですが、ネットで検索すると沢山画像が出てきます。
あんまり気持ちのいい画像ではありませんので載せませんが(集合体恐怖症の方は特にご注意)

もともとアメリカにいた虫で、輸入されたブドウの苗にくっついて19世紀の後半には世界中に広がってしまいました。
日本にも明治にどっさりやってきてます。

名前の通り、ブドウの根から樹液を吸って樹を枯らしてしまう、厄介者なんです

耐性のあるアメリカ種のブドウを台木として接ぎ木する、という方法が発見されるまでは、実に色んな手段でこの虫を絶滅させようとした各地の生産者たち。
水攻め、ガス攻め、学校の休憩時間には男児生徒は畑で…、しかし、すべて失敗

シャンパーニュ地方では南から北上してきたフィロキセラが畑で発見されどんどん樹を枯らす頃に、第一次世界大戦が勃発して、もう踏んだり蹴ったりでした
ブドウ樹の地下はフィロキセラ、地上は毒ガスと塹壕でボコボコ。
可哀そうすぎる…


今は異常気象も懸念材料ですし、樹木にウィルスが付く病気も多く(trank disease)、古木が難しくなってきています

一難去って、また一難

七転八起でいけるといいんですが












posted by cave MITSUKURA at 15:34| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2025年08月10日

味を想像するだけ


すんませーん
全然ブログ書いていませんでした
色々ござって(名古屋弁?)


今日から名古屋も雨が続くようですね
お盆休み9連休、なんていう方もいますよね。いーなー

カーヴミツクラは毎日営業しています

少し気温が落ち着いて、ワインがたくさん売れるといいのになぁ…


食品をはじめとした色々な物の値上がりで、日本全体で消費が停滞してるような印象を受けます
誰も彼もが「(目的以外の)お金を使わないように」「余計な支出はなくす」ことに、一層尽力してるような…

もうブルゴーニュのグランクリュを買ってくれるような人は滅多にいません
名だたる作り手はみーんな6桁(つまり10万以上)ですし、20万円や30万円も多い
しかも若くてまだまだ飲んじゃダメですし。




という事で、今日は個人的な復習も兼ねて、在庫の高額ワインの背景を説明できたらと思います

昨年11月に参加しましたセミナーの内容を踏襲します。
当時ブログも書きましたけど、もう1回 ↓
https://cave-mitsukura.seesaa.net/archives/20241126-1.html

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ロベール・グロフィエ シャンボル・ミュジニー1erレザムルーズ2022
ラ・グラース・デ・ザルジル
ラ・デリカテス・デ・サブレ


1級なのに、特級ミュジニーも凌駕すると言われるレザムルーズ

全体で5.4haしかないこの畑の最大所有者がロベール・グロフィエです
所有面積は1.07ha、5分の1弱の所有です。

グロフィエは、ブルゴーニュ好きにはその名を非常によく知られるドメーヌですが、所有畑は全部で8ha、家族4人と社員2人で管理できる範囲の畑しか持たないという完璧主義者です。
大手っぽく見えるかもしれませんが、本当の家族絵経営です。
作っているのは赤ワインのみ、8つのAOCだけを生産しています。

ブドウ栽培の歴史は2世紀ほどあるという事ですが、世界恐慌の後でロベール氏の父がレザムルーズ、オードワ、ボンヌマールといった区画を購入したことで現在につながる歴史が始まりました

他のドメーヌと同様に、最初はブドウをネゴシアンに売っていましたが、73年から自家で瓶詰めすることを始めました。
これはロベールの息子のセルジュ氏の夫人、ジョルゼットさんの進言だったそうです。
資産家の実家を持つ嫁の存在は大きかったでしょうね

現在は、その息子ニコラさん夫妻の代になっています
ニコラさん、とても真摯でピュアな方です。
これまでの伝統を継承しつつ、もっと良いワインを作らなくてはいけないという強い使命感があります。

最初の頃は、長期熟成可能で真面目なワインを作ろうとしていた(本人談)が、今はいつ飲んでも美味しいワインでなければならないと思う、そうです。
輝きがあり、フレッシュで中身が詰まっているけれど過度な抽出ではないワイン
がいいと。

温暖化の影響もあり、2020年から醸造を少し変えたそうです

従来の醸造だとしっかりした強すぎるピノノワールになってしまうので、ピジャージュをやめて発酵途中には一切触らないようにしてるそうです。
そして、発酵をベストの状態で止めることの重要性を一段と感じる、と言ってました。
「技術は後から来るもの」だと。
やはり最も重要なのはブドウです。



さて、話をレザムルーズに戻しまして。

この最大所有者のグロフィエは、2022年からレザムルーズを上部と下部の二つに分けて生産するようになりました

ニコラさん曰く、10年くらい前から構想はあったそうで、明らかに異なる二つの土壌である上に、ちょうど所有面積もそれぞれの土壌に半分づつ属しているので分けるにはちょうど良かったそうです
上手いこと行くもんですね。


ですが、このレザムルーズ、畑は目視ではそんな単純ではありません。
実際に行っても、車道から見てるだけではよく分からないんです

どうしても背後の特級ミュジニー(ドメーヌの表示もあったり)、すぐそこに見えるシャトー・ド・クロ・ドヴージョに目が行っちゃうし
ここは開けているので眺めがいいんです。
しかも北側には1級オー・ドワの区画がくっついてるので、本当に知るには畑に入る必要があります。

でも、絶対畑には入ってはいけません
一般人は区画の中に立ち入る事、農道をレンタカーで走ること、は決してやってはいけません。

大勢が畑に入ったりしたら1年に1度しかない貴重な収穫に重大な問題をもたらしかねませんので



地図を見て想像することにしましょう

レザムルーズ.png
ブルゴーニュワイン委員会より

緑の色付けした区画がレザムルーズ(下手ですんません)
えんじ色の区画は特級ミュジニーです

これを上から見ると ↓

レザムルーズ2.png
グーグルマップ

眺めはいいが、よく分かりませんね

しかし、下からだと少しは分かりやすい ↓

レザムルーズ1.png
矢印の辺り、丸いくぼみ(後述します)があるの分かりますか


二つの区画はこうです ↓

ラ・グラース・デ・ザルジル
(粘土の恵み、気品)

こちらは真ん中から下部に広がる黒い粘土の区画です
赤土が表面に出て黒く見えます。
池の上にあり、傾斜がきつく、丸いくぼみのようになっている土地です。
北風が上部を吹き抜けていくだけで降りてこないので冷えないし、池のおかげで土中にはいつも水分があるという場所です。
この場所のブドウ樹は東西を向いています。


ラ・デリカテス・デ・サブレ
(砂の繊細さ)

こちらは上部の区画で、砂質の土壌で色が薄いのが特徴です。
表面には白い石が散らばっています。
いつも北風が良く吹いてブドウを乾かしてくれますが、痩せてすっきりしたワインになります。
こちらはブドウ樹の列が南北に向いています。


と、このように全く異なる区画です。

写真で分かるように途中には一部石灰岩が露出した場所があり、崖のようになっていて、滑らかに繋がっている訳ではないことも重要です。
実際、下部のグラースと上部のブレでは50メートルの標高差があります

ニコラさんは、この二つのキュヴェを生産するに当たり、
同日に収穫
樽や全房の割合等醸造の条件

を全て同じにして、
テロワールの差が表現できるか、挑戦したとのことです

ラベルでは土壌の特質に合わせて「レザムルーズ」の文字のフォントも変えています
分かります?

粘土質はゴシックで、砂質は飾り文字風


さて、お味はいかに??

どちらも税込みで20万円以上します
(これでも上代価格よりはかなりお値打ちなんですが

もちろん、
特級 ボンヌマール2022
特級 シャンベルタン・クロ・ド・ベーズ2022
もあります

4つ買って100万円でおつり来る、くらい、かなぁ・・・・

前のヴィンテージがあるのでそっちをおすすめいたします



熟成を待つって難しいなぁ

味を思い描くだけ、ってもっと悲しいなぁ














posted by cave MITSUKURA at 15:16| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2025年08月04日

ムルソー好きに是非


去年もかなり暑かったですが、今年の暑さは一段と厳しくてもう異常です
誰も昼間歩いていない…
20時過ぎの帰り道でも暑い


お知らせのページにも載せましたが、
来月9月1日より営業時間を11時〜19時に変更いたします

発注のリードタイムが変わったり、午前中に開店していた方が便利なので。
ワイン会も19時から開催するのでお店番が不要になりますし。

どうぞご了承ください




今はとにかく冷やして美味しい軽いワインがいいですが、今日はもう少し高級なワインを紹介します

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ギイ・アミオ ムルソー スー・ラ・ヴェル2021

長らく店頭になかったギイ・アミオ
シャサーニュ・モンラッシェのドメーヌで、特級モンラッシェ、1級ドモワゼルを生産するスターです

今は3代目のギイさんの息子さん二人が4代目として蔵を継承しています(さらに長男の娘さんが5代目として働いています)

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HPより、3代目ギイさん

FabriceHeloiseThierry.jpg
HPより、4代目兄弟と5代目お嬢さん

ここが昔、「アミオ・ボンフィス」という名前だったのを覚えてる方はどのくらいいるでしょうか??




ギイ・アミオはとてもいいワインを作っていますが、最近は値上がりが激しくてとても買えません

最後の1級ドモワゼルが売れて、はや2年ほど…
2021年のドモワゼルは88000円(税込)もするんです

どっひゃー
とても買えないわ…

買いたい方、取り寄せ可能ですのでお申し付けください
税込75500円で販売します
因みに特級モンラッシェは33万円(税込)です


そんな人気のワイナリーですが、今日のムルソーは非常にお値打ちです

村名のスー・ラ・ヴェルはここです ↓

ギイ・アミオ.png
HPより

平均樹齢は45年
21年はご存じの通り、霜害で収穫が非常に少ない年です。
夏の間も日照不足で気温が上がりきらず、完熟を待って9月の後半に収穫開始となりました。

今の暑さとは真逆のクラシックなスタイルです
16年の霜害と同じく、収穫は減りましたが、果実の風味が凝縮したいいブドウが取れています。

ですから、少ないながら品質は悪くないのです

こういう繊細なワインが個人的には好きです

完熟したブドウで高アルコールの骨太ワインになってしまう、23年のようなブルゴーニュは正直疲れます

定価は19800円(税込)ですが、ミツクラの店頭なら15800円(税込)で買えますよ
これは取っておきたい1本です〜





最後に、地下鉄伏見駅のエレベーター工事ですが、今こんな感じです ↓

IMG_4888.jpg

おーい、3年もかかって(いや5年か)、まだこれかい

やっぱり一人でやってるんでしょうかねぇ…

掘るだけならとっくに中村区ぐらいまで行ってそうです

とにかく、出口を封鎖してるのを、はよ解除してちょー
不便でしゃーないのです








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2025年07月31日

名もなき名門ワイン


昨日の津波警報は一日続いていてびっくりしました
東日本の震災があるまでほとんど気にもしていなかった「津波警報」、それまでいつも肩透かしでしたが、もう安易に考えてはいられないです



連日の暑さでバテ気味のてんちょ、南半球の寒い画像を見て寒さを想像してみます ↓

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カテナ(アルゼンチン)SNSより

アンデスは雪ですか〜




今日は人気ブルゴーニュの新商品を紹介します

BLAFR22_1.jpg

アンヌ・フランソワーズ・グロ シナチュール2022

こちらの作り手は大変有名ですので、あんまり説明はいらなさそうですが…

ヴォーヌ・ロマネの名門地主、グロ家の末娘のアンヌ・フランソワーズさんがポマールのこちらも名門パランの末裔(13代目)、フランソワ・パランと結婚してできたドメーヌです

グロの長男のミッシェルさんが「妹がリシュブールを欲しいと言ったので譲った」と優しい発言してたなぁ…
お兄ちゃん、本当にいい人です

ドメーヌ誕生から37年が経ち、今では二人の息子さんと娘さんも一緒に仕事をしています ↓

AFグロ.png
HPより(カロリーヌさんとマシアスさん)

ラベルに息子さんの「マシアス・パラン」の署名があります。
現在、息子さんは自分のドメーヌを立ち上げて独立していますが、AFグロのワインメーカーも兼ねています

他のドメーヌでももう次の世代がどんどん育っていて、時間の移ろいを感じますねぇ


そしてAFグロでは今日のワインが新登場

このワインはピノノワール100%ですが、所有する畑の色んな区画のブドウをブレンドして作られたものです
ですから、アぺラシオンもなく、ただのヴァン・ド・フランスとして販売されています。

それでも、価格は22000円(参考上代、税込み)もするんですけどね
1級と村名のブレンドなので価値は高いと思います。

年によってブレンドの内容は変わるそうですが、2022年は1200本のみの生産と大変少ないです。

店頭ではもう少しお値打ちです、うーん、飲んでみたい








posted by cave MITSUKURA at 13:37| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする