降れば土砂降り、な今年の梅雨

西日本の豪雨は恐怖です…
今年は台風も多くなりそうだとか、心配です

今日の名古屋はまた灼熱地獄です

湿度むわんむわん、息苦しい

あぢー
毎年の事ですが、ぼちぼちボジョレー・ヌーボーの案内が来ています。
作柄はまだ不明です、どうしようかなぁ〜
ですが数日前にモルゴンの一部で雹の被害があったそうです ↓

ロシニョール・フェヴリエさんSNSより
写真の様に、雹に当たるとブドウの実が割れて茶色く変色してしまいます。
もうこの粒は駄目です。
多くの粒がこうなると房ごと捨てないといけません。
被害が一部で済めばいいんですが

今日は入荷予定のワインについて書きます

13日木曜入荷なのですぐです。

フォンセカ・ギマラエンス トゥニー・ポートNV

ポートワインです

これはお手軽なランクのポートですが。
ポートはポルトガルのお酒で、ワインの発酵途中でブランデー(グレープ・スピリッツ)を添加して発酵を止めた、酒精強化ワインです。
作り方はスペイン、アンダルシア地方のシェリーと同じです。
ポルトガル北部のミーニョ地方(ヴィーノ・ヴェルデの産地です)を流れるドウロ川流域で生産したブドウで作られ、古くは河口のヴィラ・ノヴァ・デ・ガイアで熟成させた物でなければなりませんでしたが、1986年に法改正があり、ブドウの産地での熟成も認められるようになりました。
そんな前からOKだったんだー、もっと最近だと思ってた

この昔の熟成場所のヴィラ・ノヴァ・デ・ガイアがある港街がポルトというので、ポートワインと呼ばれる訳です

ブドウは白も黒も認められており、ドライな白から深い赤の高級品まで、名称によって規定が異なります。
DOPワインです。
実は、ポートワインは世界で一番最初に産地呼称の規定が出来たワインです

1756年に成立したこの規定(フランスのパプより180年程早い!)では、ポートワインを名乗る事のできるブドウ畑の区画が明確に認定され、カダストロと呼ばれる6段階の序列によってランク付けされてました。
こんな早い時代に、産地規定の概念があるってすごい

更に、添加するスピリッツのアルコール度数と割合(量)、熟成樽の大きさ(550Lでパイプと呼ばれます)まで決められています。
18世紀にこのような細かい規定を作るくらい人気だったポートワイン、偽物が多かったんでしょうなー
ところで、
昔の日本には「〇〇ポートワイン」と言うのがありましたが、ポートワインとはポルトガルの産地呼称ですので、他国のお酒が名乗る事は権利と商標の侵害に当たるとされ、現在はこうした名称は変更されています。
最初は美味しいポートワインの名前にあやかろうという緩い気持ちだったんでしょうけど

オーストラリアやカリフォルニアでも同じポートを名称に使った甘口の酒精強化ワインがありましたが、現在では同様にポートを名乗るものはありません。
…カマンベールチーズもやめよう
ガストロノミーに欠かせないポート、こうしたお酒を知らないのはもったいないと常日頃思うのですが、日本人はあまりお酒に強くないので食後酒を嗜む人が少数派ですから仕方ないかな

ポートは名称以前に、タイプがあります

大まかな分類ともいえる、このタイプの違いを知っておくだけでも、食通の尊敬を勝ち取れそうです

特に海外では。
まずは、一番よくあるルビーポート

宝石のルビー色をしてるからこう呼ばれています。
赤色なので黒ブドウが原料で、3年以上の熟成を経なければなりません。
最高級のヴィンテージ・ポートはこのタイプです

特に優れたブドウが取れた年のみの生産で、ヴィンテージ宣言をして認められなければなりません。
次にお馴染みなのが、トゥ二―ポート

トィに―、トーニー等カタカナ表記が色々あるかな。
Tawny=褐色の、という言葉通り、ルビーポートを更に熟成させて茶色くなったものを指します。
コルヘイタ、という既定の物が代表です。
上記の二つを知っていれば十分かと思います

他には、
辛口で熟成の短いホワイトポート(白ブドウが原料)
メーカーが勝手に名乗ってるヤングトゥニー(ルビーとホワイトのブレンド)
ロゼ
なんてのもあるんですが、あんまり日本では見かけません

今日は品種の名称は割愛、馴染みが無くて混乱しそうなので

で、今日のフォンセカです

フォンセカはポートワインの生産者でも5本指に入る老舗で、1815年4月8日の最古の入札記録が残っています。
輸出業で拡大したフォンセカは、1820年代に海運事業者のギマラエンス社と提携し、社名をフォンセカ・ギマラエンスと変更しました。
特にロンドンへの輸出が大成功し、毎年輸出を伸ばしていくのですが、すぐにポルトガルは内戦に陥り自由主義者のフォンセカはロンドンへと追放されてしまいます。
ロンドンにも事務所を構えたマニュエル・ギマラエンスの尽力によって商売は継続しますが、彼らが晴れて帰国できたのは100年近く後の子孫の時代の事です。
今でもポルトガル屈指のポートワインメーカーとして邁進するフォンセカ、素晴らしい眺めの畑をいくつも持っています ↓

HPの動画がすごい

https://www.fonseca.pt/en/vineyards-and-douro
行って見たーい

今日のワインは、はじめも書きましたように一番ベーシックなルビーポートです

お手軽な値段で、お料理のソースに使うシェフもいます。
ブドウは、
ティンタ・アマレーラ
ティンタ・ロリス
トウリガ・ナシオナル
トウリガ・フランセーザ
ティント・カン
ティンタ・バロッカ
…よく分かりませんが

トゥーリガやロリスくらいしか聞いた事ない。
甘口ですが、アルコール度数は20%ありますので飲みすぎ注意です

40度のブランデーやウィスキーは飲めなくても、これくらいならいける方も多いのでは。
これだけで飲んでも、チョコやドライフルーツと一緒でも。
もう少し高級品なら、葉巻をくゆらせながら、って言うのもいいらしい(てんちょ、喫煙しないので)
どちらかと言えば冬のお酒かな、飲んでみてください
