2024年05月23日

トカイ オレムス訪問 醸造所編

今日は今回の旅の大本命、オレムスを訪問しました‼️
朝は雨が降っていましたが、出かける8時過ぎには晴れ間も出てました🌞
曇ったり、照ったりといったところ。
湿度が高いので蒸し暑かったかも💦

宿から車で20分くらい、途中にはグランドトカイ社の大きなボトルの形の看板があったり、ボッチェと呼ばれるフルーツの白い花が咲いていたり。

オレムスに行けて嬉しいー✨✨
営業さんとブランドマネージャーさんに感謝‼️

IMG_3546.jpeg

↑ これがオレムスの醸造所です
斜面に建っていて3階構造になってます。
ここが3階部分。

だからこれだけ見ると小さく見えるかもしれませんが、内部はかなりの広さです。


模型 ↓

121.JPG
屋根に土をもって草を生やしてあります

この建物はこの土地から取れた岩を壁や道の材料にして作られているそうで、保水性の高い黄色い岩と火山性の黒い岩が特徴的です。


139.JPG
壁は黄色、歩道は黒

IMG_3545.jpg

道の向かいにショップがあります ↓

IMG_3547.jpeg

そして、美女の谷でも見た、斜面を掘ったセラーの入り口がいくつもあります。

入り口はずらっと10か所も並んでいます。

IMG_3514.jpeg

最初、これもう使ってないのかなーと思ってましたが、いやいや全く現役バリバリでした‼️
セラーの見学した時の記事でまた詳しく書きます
迷路でした…💦

まずはテラスでペトラッチの畑を眺めながら、マンドラスで乾杯🥂

IMG_3518.jpeg

よく冷えててとても美味しいです。

マンドラスは17年と比べると現行の2021年の方がより酸が強く、切れのあるシャープなスタイルになっています
今回、すべての訪問を通して、アスー6プトニュスを飲んでもフルミントの酸の強さを感じました
それが長熟の要因でもあり、温暖化でフルミントはもっと注目されていくのではないでしょうか。

しかし、朝の9時だよ、しかも車なので、吐き出してます🚗 
あーもったいない😭
後半は全部飲みましたけど。

IMG_3517.jpeg

↑ 真ん中の木が3本立ってる辺りがペトラッチという高級辛口ワインの区画です。

マンドラスはフルミント100%の辛口で、複数の区画のブレンドです。
オレムスの入門的ワインです。

キレのある辛口、いい酸味があって、フルーツのアロマがたくさん✨
美味しいです。

対して、ペトラッチは単一区画のフルミント100%で、樹齢70年超えの古木のブドウを使用しています。
(だからマンドラスよりずーっと高い)

トカイの畑はどこも垣根仕立てですが、このペトラッチは密植の棒仕立てになってます㊙️

遠くから見ても周りと見た目が違うのですぐか分かるくらいです。

詳しくは次の畑編で。

今回も設備を色々見せてもらい、醸造や熟成の説明を聞くのは他社と同じですが、オレムスはすごい⭐️

行く先々にワインが準備してあって、辛口から.なんとエッセンシアまで、移動しながら試飲もすると言う粋な計らい❤️❤️❤️
(残念ながらペトラッチは飲めなかった)

IMG_3531.jpeg

レイトハーヴェスト2021と3プトニュスス2018

最初は醸造所、グラヴィティシステムを導入してますので、ブドウはまずここ、3階に搬入されます。

IMG_3520.jpeg
選果台を通り、除梗されて、2階で圧搾


オレムス以外でも、今回訪問した全てのワイナリーで圧搾機は円筒型(プヌマティック)を採用していました
アスー(貴腐)のブドウを絞るにはとても時間がかかるので、均等に圧力が加わる円筒型の方が効率が良く、果汁の質も良いのだと思います。
半日以上かけて圧搾するそうです。

IMG_3526.jpeg


131.JPG
昔使っていたエッセンシア用のアンフォラ

129.JPG
5プトニュス2017と6プトニュス2014、後ろにエッセンシアが飾ってある

この下に発酵設備があって、さらに下へ降りると保管庫があります

オレムスでは世界100か国に向け、生産量の90%以上を輸出していますが、全てのワインはいったんスペインの本部へ向けて出荷され、そこから世界へ向けて送られるそうです
ハンガリーは内陸なので、スペインの港から直接発送する方が管理効率が良いので、というのも理由の一つだそうです。


IMG_3539.jpeg


IMG_3540.jpeg


IMG_3543.jpeg

黄色の山〜
そのまんま、山吹色のお酒です✨✨

セラー編へ続く




posted by cave MITSUKURA at 19:27| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

ハンガリー訪問 その2


初めて来たトカイ✨
ブドウ畑の眺めはフランスと変わりません。
やっぱり綺麗です。

最初の試飲予約は泊まってるホテルが経営してるワイナリーで(した)
トカイの隣の村、タルカルにあります。

グロフ・デジェンフェルド⭐️⭐️⭐️⭐️
お貴族様の所有のホテル、広くて素晴らしい。

詳しくは試飲の紹介で書きます〜

094.JPG

IMG_3479.jpeg


広大な庭があって、鳥のさえずりが常に聞こえます
朝、散策してみたら、畑にウサギがいたり。

91.png
大きなチェス

IMG_3482.jpeg

ウェルカムドリンクがあった‼️
よく冷えてて美味しかったです❤️

IMG_3477.jpeg

ワインは辛口のミュスカ、モスカートとは全く違って綺麗な酸があるさわやかなスタイル✨

紋章が素敵なラベル
フルミントの辛口スパークリングもありました


夕食はホテルで取るので、その前に隣の自社畑丘の上のチャペルへ行ってみました🚗
(自転車で登ってきてる若者がいて、感心。
かなりの坂なんで)

IMG_3489.jpeg

このチャペルは古くはありませんが、マリアテレジアの名前をつけてます。

IMG_3491.jpeg
下から見るとこんなです

上からはかなり良い眺望でした‼️

IMG_3484.jpeg


IMG_3488.jpeg
チャペルを頂点に、その下はフルミント
下部にハーシュレベリュ

途中に少しだけサルガムシュコータイ(ミュスカ)の3種を植えています。


こちらも開花寸前、一部で開花始まりでした

IMG_3494.jpeg


フルミントは葉の切れ込みが大きいのが特徴です

IMG_3495.jpeg


IMG_3493.jpeg
雷が鳴って来たので退散。
ホテルに戻ったら土砂降りになってきてセーフ。

夕食はうーん。
もう一度食べたいかと言われたら…

スパークリングをグラスで飲んで、
今度は赤に挑戦。

IMG_3501.jpeg


フェケテランカ?っていう品種らしい
何度発音しても笑われた💦

果実味多めで美味しいです❤️
ロゼもグラスで飲みましたー

よく飲んだので、早めに寝ます







posted by cave MITSUKURA at 12:28| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

ハンガリー訪問記


おはようございます。
てんちょ、お休みをいただいてハンガリーに来ております‼️

連勤で留守番してくれてるスタッフに感謝です✨✨

今年の往路は昨年より、かなり疲れました💦✈️
飛行機は満席、最近はずっとそうなんだとCAさんから聞きました。インバウンド盛況ですね〜
北極海ルートだと14時間もかかるので、長いし。

さらに、フランクフルトからブダペストへの乗り継ぎ便がただでさえ遅い出発なのに、遅れまくってブダペストに着いたら日付変わってました…

リスト空港に着陸前にブダペストの夜景が綺麗だったので、それは良かったですが。

IMG_3438.jpeg
鎖橋やイシュトバン教会辺りもよく見えました✨✨
という事で、初日は空港ホテルで寝ただけ。

二日目から車で西へ、トカイを目指して移動。
途中でエゲルに寄りました‼️🚗

ガソリン車はめちゃくちゃガソリンの減りが早い💦去年のハイブリッドと比べるとかなり燃費悪いー

ハンガリーの高速道路には料金所がなく、利用者は事前にナンバーや利用期間を登録してvignette(ヴィニェット)と呼ばれる利用証を購入しないといけません。
レンタカーは料金に含まれてるので買わなくて大丈夫ですが。

田舎へ向かうので道路は空いてます。
ハンガリーも、やっぱりヨーロッパだなぁ、っていう広い空、ひたすら続く畑(何か野菜ですね、ブドウはもっと先からしかなかったです)、真っ直ぐな道
…そして爆走する地元の人達

てんちょは安全運転で🚗🚗

エゲルは西部では歴史のある街です‼️
大きなエゲル城もあって観光地です。

まずはワイン産地の、「美女の谷」へ🍷
なんでこういう名前なんだろう…

エゲルの南東にある丘に囲まれた場所で、斜面を掘ってセラーになってるお店が並んでます

IMG_3440.jpeg  
IMG_3441.jpeg
長屋風です。

手前をレストランや居酒屋にして、試飲もできるお店になってます。
 
一軒入ってみました‼️
 
IMG_3444.jpeg
壁は手掘り、奥へ行くほど黒いカビに覆われていて本当にセラーだったんだと感動✨🍷


IMG_3445.jpeg

ハンガリーの人、みんな親切です、観光客慣れしてるんですかね。誰でも英語です。
ハンガリー語は挨拶くらいしか覚えていませんが、それでも、
「おっ、ハンガリー語話せるの?」と、喜んでもらえて嬉しいです✨
(そして、もちろん話せる訳ないです)

ファルサンさんというこの方、祖父から3代目で自分の代になって20年くらいだそうです

IMG_3443.jpeg


IMG_3446.jpeg

試飲は白のオラスリズリング
こちらのワイン、どれもラベルが可愛いです❤️

1本買いました〜

ブドウがようやく登場。
IMG_3447.jpeg

IMG_3451.jpeg
若木です
花が咲く寸前でした‼️



そして、エゲル城の方へ移動🚗

IMG_3454.jpeg
街並みが中世から残ってていい雰囲気です


エゲルではもう一つ目的がありまして、
それはミナレットに登ることです‼️

ミナレットとはイスラム教のモスクに備わってる塔で、礼拝の時間を知らせたりするのに使われました。
ハンガリーがオスマン帝国に侵略されていた時のモスクはもう全て破壊されてしまってますが、このミナレットだけはどうしても倒せなくて、仕方なく残してあったんだそうです。

オベリスクみたいに街中にポツンと立ってます


IMG_3475.jpeg


IMG_3458.jpeg


この塔、想像以上に階段が狭い‼️

IMG_3472.jpeg
絶対にすれ違えません。
一人800フォリントでした。


ハンガリーの通貨はフォリント。
EU加盟国ですがユーロではありません、ブダペスト市内ではユーロとの並行表示も多かったですが。

この時、1フォリント=0.44円 でしたが、現金の両替は分が悪い
こんなお金です ↓

224.JPG

結構登りました、太ももプルプル💦

塔の上には見晴らしの良いテラスがあります✨
こっちも激狭ですが。


IMG_3466.jpeg

IMG_3463.jpeg


IMG_3468.jpeg
登ってよかったー
曇りですが、気持ちの良い風が吹いてました
(車では途中、土砂降りに合ったりしましたが一度も傘使わなくてラッキー)
気温は25度くらいのはずですが、雨のせいか蒸し暑いかな☔

と、そんな事してたら、
トカイの試飲に間に合わない事が判明‼️
時間、読み違えてました…

急いで安全運転でトカイへ移動🚗
オービスなかったと思う

20分遅刻してしまった。
そしたら試飲は明日の夜に変更、すみませんー

次へつづく。












posted by cave MITSUKURA at 11:52| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年05月20日

ネットショップのチルド送料ですが


梅雨入りは6月になるようですね
今年は雨が少ないし、短い梅雨になりそうだとか。



カーヴミツクラのネットショップをご利用の皆様、ありがとうございます
プリューレ・ロックは明日から出荷開始です。

この時期以降には常温発送ではなく、チルド配送をご希望の方がほとんどだと思います。
ネットショップにはチルド送料の項目がありますので、忘れずにカートへ追加をお願いいたします。

分かりづらいかもしれませんので、図解してみます

チルド送料を見つける方法は2つあります。

1.一覧から探す

まず、トップページのバッカスをクリック ↓

チルド代.png

いらすとやさんのバッカス(赤丸)を押すと、
ワインの登録の新しい順にワインが出てきます。

このページの左にワインの項目一覧があります。
チルド送料はその一番下にあります ↓

チルド代1.png



2.検索する

ページの上の右端にある虫眼鏡のマークをクリック ↓

チルド代2.png
小さいですがここから検索できます

チルド、と入力すると出てきます ↓

チルド代3.png


ご注意:「クール」ではありませんので「チルド」で検索してください

どうしても分からなかった方はメモ欄に書いていただけましたら、こちらで追加いたします
ご注文お待ちしております。








posted by cave MITSUKURA at 17:57| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年05月19日

尾根のぶどう酒 アメリカから


雨が降り出しそうでまだ降っていない名古屋です
そのせいか、湿度がやや高い。



今日は有名ワインを紹介します
実は初めての入荷です。

IMG_3430.jpg

リッジ
左から、
コラトリス ピノノワール2018
ガイザーヴィル2020
モンテベロ2010


リッジをご存知の方は多いでしょう

リッジは、カリフォルニアサンタクルーズ・マウンテンにあるワイナリーです。

リッジfig01.png
HPより 以下同様

カリフォルニアでも高級ワインが多い、ナパやソノマがあるノースコーストの南に位置しています。
サンフランシスコを挟んで、北がノースコースト、南がセントラルコーストなのですが、サンタクルーズ・マウンテンは標高が高く冷涼で周辺地域とは異なる条件を備えているためにセントラルコーストには含まれず、独自のAVAを名乗っています

サンフランシスコ湾の外側にあり、かなり冷たい海風が吹く地域だそうです。
カリフォルニアって、南国のイメージですがサンフランシスコ周辺や北側はとても寒いんだそうです



リッジはカリフォルニアでもかなり古い起源をもつワイナリーで、1885年にイタリア系の医者のペローネ氏がモンテベロの丘陵の頂上の土地を買ったことに始まります。
ここが山の尾根であったことから、リッジRIDGE=尾根、と呼ばれていました

この時、建設されたモンテベロワイナリーのセラーや建物は今でも醸造所として使われています。
最初のワインは1892年です。

その後、1959年に所有者が変わり、リッジはスタンフォード研究所のエンジニア3人の共同経営となります。
驚くべきことに、彼らは本業の仕事を研究所でしており、週末にだけワイナリーへやってきてブドウを手入れしたり、収穫・醸造をするようなスタイルで、ある意味「行き当たりばったり」のワイン作りをしていましたが、ワインは連続で素晴らしい出来となり、1961年にはさらなる増産に向けてワイナリーを刷新したりしています

今では信じられないようなやり方ですね
そして、これは畑のポテンシャルの高さを裏付けることにもなりました

さらに1969年には歴史的な醸造家となる、ポール・ドレイパーがリッジに加わります
彼はそれまでのやり方を改め、計画性を持ったワイン作りを始め、新しいリッジを作り出すことに成功します
彼の作った1971年にモンテベロ(赤)が1976年の「パリ試飲会事件」で5位に入賞したことは大変有名です

天然酵母で手を加えないワイン作りが世界に知られることになり、その後のワイン醸造に大きな影響を与えています

リッジfig_contentid.jpg

このポール・ドレイパーさんもスタンフォード大学の出身です。
(哲学で学位を取得しています)

ソムリエの世界大会で「この人は誰?」と写真が出題されるほど、ワイン会では重要な人だと認識されており、2015年にはデカンター誌で「醸造家が選ぶ最も尊敬する醸造家」のトップ5に選ばれた。
2016年、80歳で引退しています。


日本でリッジが良く知られているのには、もう一つの理由があります。
それはオーナーが日本の企業だからなんです

リッジは1986年に大塚食品の所有となっています
ボンカレーやポカリスウェットで有名な、大塚です

てんちょも、もっと早く店頭に置きたかったんですが、何故かご縁がなかったんです
今回、ようやく扱えるようになって嬉しいです。


では、個別のワインを見ていきましょう

まず、
コラトリス ピノノワール2018

これはリッジが50年ぶりに作ったピノノワールで、この名称では2018年が初リリースとなっています
(過去にリッジは1971年に一度だけピノノワールを作っています)
サンタクルーズの町の西にあるコラトリスという地区で、かなり冷涼な気候でピノノワールに向いています。

概観は中々濃いめに見えますが、味わいはとてもエレガントです。
よくあるカリフォルニアの甘いピノノワールではありませんので、ブラインドで産地当てしてみると面白いかも


ガイザーヴィル2020

ガイザーヴィルはノースコースト、ソノマ群アレキサンダーバレーにある区画です。
1966年がファーストヴィンテージで、現在樹齢130年にもなる古木があります。
日照に恵まれながらも昼夜の寒暖差が大きく、ブドウには理想的な環境です。

この区画はジンファンデルをはじめとした混植で、カリニャン、プティシラー、ムールヴェードルなどが畑で「既にブレンド」されています。
アルコール度数14%越えで、凝縮したワインですが、口当たりは優しめ。
まだやや若いですので、数年熟成できれば完璧かも。

モンテベロ2010

リッジを代表するワインです
標高の高い急斜面に開かれた畑で、ここもかなり冷涼な環境です。
ほとんどが黒ブドウですが、一部シャルドネも植えられています。

モンテベロの赤は、カベルネソーヴィニヨンが主体のボルドーブレンドで、カリフォルニアの1級シャトーなどとも言われています。
セパージュは年によって若干違っており、2010年はカベルネソーヴィニヨン74%、メルロー20%、プティヴェルド4%、カベルネフラン2%です。
14年も経っているとは思えないほどの若々しい味わいですが、ゆっくり飲んで香りの変化を楽しむといいでしょう



最近のリッジは昔に比べると、色も赤くて透明で(前は真っ黒だった)、ずいぶんエレガントになったような気がします。
世界中のワイン全体で言えることでしょうが、「エレガントなワイン」が現在のトレンドでもあります。

カリフォルニアには色々と素晴らしいワインがありますが、リッジを飲まずして「カリフォルニアワイン観」は完成しないでしょう
是非、体験してみてください〜













posted by cave MITSUKURA at 14:42| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年05月17日

しかしてその実体は


今日は綺麗に晴れています
朝晩は寒さを感じるくらいなので、これくらいが一番いいですね

3月の冷えでキャベツが高騰してるらしいですが、
今年は今の所は何だかんだ言ってもまだ涼しい??
この10年くらいは猛暑の年だと、GWでも暑くて倒れそう…なんて事もありましたよね




今日は初心に帰るようなワインを紹介します

IMG_3421.jpg

レクスプレション・ド・ポイヤック2019

シンプルなラベルですが、中身が実はすごい

今日のワインはド定番、フランス、ボルドーの赤ワインです
ボルドーの左岸、メドックの中にあるポイヤック産です

ポイヤックは左岸の頂点とも言っていい程、レベルの高いシャトーが沢山あります
格付けの1級になっている5つのシャトーの内、3つがここにありますし。

やっぱり、1等賞はラフィットじゃないかなぁ
(公式の何かがある訳ではありませんので、あくまで個人的な意見ですが)



今日のワインですが、マルゴーにあるワイン商のユリス・カザボネが買いブドウで作っています。
この会社は設立75年目ですが、今では巨大企業になっています

このネゴシアンは、元々1976年に3人のワイン業界人が集まり、ボンタン騎士団のワインを供給する目的で設立された蔵です。

ボンタン騎士団は、1949年にメドックとグラーヴの生産者や販売者たちが集まり出来た組合(ギルド)のようなグループです。
両地区のワインの質の向上を目的として出来たもので、功労者には騎士団の一員として称号の授与が行われています。
(日本人でも何名もいます)
ボンタンは木の手桶の様なもので、昔、ワイン作りに使われていました。
職人のワイン作りを象徴するものとして名称に使用されています

その後、1989年にシャトー・ラトゥールの事業部長がこのネゴシアンの経営者となり、それによってメドックのほぼ全ての格付けシャトーとのつながりを築くことが出来ました
今日のワインの秘密はここら辺にあります

さらに1994年になって、マルゴーの2級シャトーのローザン・セグラを所有するシャネルがここを買収。
現在のオフィスがマルゴーにあるのはそのためです(ローザン・セグラの隣です)

こんな感じ ↓

ユリス・カザボネ.png
真隣

もう少し引くとこうです ↓

ユリス・カザボネ1.png

現在ではワイン専門店としてもお店を構えています、総在庫300万本を誇っています。
すごい。
マルゴー行く方は是非寄ってみてください
円高の時に行きたいですねぇ

…紹介できる写真がなくて残念



今日のワインは、
カベルネソーヴィニョン88%、メルロー11%、残り1%がカベルネフラン+プティヴェルドというセパージュです

このワイン、非常に複雑でいい香りなんです
ボディはミディアム〜フルで、いかにもメドックの典型的ボルドーな飲み口なんですが、本当に美味しいのです

アメリカや南半球のワインでは中々こうなりませんね
ニューワールドのワインもコスパ良いですし、まろやか濃くて深みがあるんですが、
洗練度や複雑さがもう少し欲しいところかも。

その点、このワインは変化もするし、高貴さが感じられるいいワインです

秘密はブドウの供給元です
まー、そりゃー、2番目のオーナーさんシャトーのブドウを使ってるから当たり前かもですが
ネゴシアンなので、どこからブドウを買っているかは公表されていませんが、「あのシャトー」らしい
(書くと叱られるかな

この前まであった2017は売り切れてしまいましたが、それも同じ内容で好評でした
この「秘密」を知らないであろうお客様もリピートしてくれて嬉しかったです。
良さが分かる人がいてくれました〜

5大シャトーの片鱗を安価で楽しめます
一葉さんでおつり来ますので。

是非お試しください〜









posted by cave MITSUKURA at 15:15| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年05月16日

ブルゴーニュセミナーやります


曇り空ですね、もっと快晴になるかと思ってましたが朝まで雨降ってました


来週、5月21日火曜にプリューレ・ロックが入荷します

2021は量が少ないので、他のバックヴィンテージも少し分けていただけました
種類は多いですが、各本数は1本、多くても3本しかありません。

そして、いやー、高いです



さらに、先日簡単に書いておきましたが、
イベントページに6月4日に開催します、ブシャール・ブルゴーニュワインセミナーの案内を載せました

ブシャールセミナーワイン.jpg

コロナ前にシャンパーニュセミナーの講師として来てくださった西山さんが再び来店して講師を務めてくれます
西山さんは、ブシャールを退職されて独立、現在はアンバサダーとしても活動されています。

当日は本格的なお話が聞けると思いますし、いいワインが飲めるので、是非ご参加ください〜




posted by cave MITSUKURA at 14:29| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年05月12日

絶海の孤島ワイン


不気味な空模様ですが、今夜の名古屋はそこまで荒れないだろうという予報です

昨日から太陽フレアの影響で普段見られない地域でもオーロラが見られたようで、シャンパーニュの生産者もいくつかSNSにアップしてます
はっきりと赤紫色に輝いてます ↓

IMG_3417.JPG
Mrie-Helene Waris-LarmandierさんSNSより拝借

すごーい



今日は普段あまり飲まないであろうワイン(の仲間)を紹介します
とってもお手軽な入門編の1本です。

N3775_G08.jpg

エンリケシュ&エンリケッシュ マデイラ フルリッチNV

マデイラ(またはマデラ)はご存知でしょうか?
シェリーやポートと同じ、酒精強化(フォーティファイド)ワインと呼ばれるワインの仲間です

フランス南西部のマディランではありませんので。

フォーティファイドワインでは、
シェリー
ポート

が圧倒的に有名で、次に
マルサラ
マデイラ
マラガ
ヴァン・ド・ナチュレル
(バニュルス等)
があります

マデイラを愛飲してる方は日本ではとても少なく、ほとんど安価な物が製菓用に使われているのが現状でしょうか。
高級マデイラの良さを知ってる方は非常に稀。


マデイラはポルトガルのお酒ですが、作っているのは大西洋の沖、モロッコの西600キロの島=マデイラ諸島なんです

ここ ↓

マデイラ.png
赤い〇がマデイラ諸島
黄色の矢印はリゾートで有名なカナリア諸島でここでもワインは作られています


マデイラ諸島はここ10年くらいで非常に知られることになったんですが、何故か分かりますか?
この島出身の超有名人がいるんです。

それは、
クリスティアーノ・ロナウドです

ロナウド知らない方はまずいないでしょうけど(サッカー大音痴のてんちょでも知ってます)、彼はマデイラ諸島のフンシャル島の出身なのです
島には彼の銅像まで建ってます。
島のサッカーリーグもあって、クラブチームも二つあるんですって。
流石ポルトガル



では、ワインの概要を簡単に説明します〜

まず、マデイラワインの誕生と歴史について。

マデイラ諸島には大航海時代が始まるころ、15世紀の初めに開拓民がヨーロッパから移住してワイン作りを始めていたようです

マデイラワインは大航海時代なくして誕生しえなかった、ある意味皮肉な産物でもあります。
ポルトガルやスペインを出港した船は、アメリカ大陸を目指して航海する途上にあるマデイラ諸島でワインや食料の最終補給を行っていました。
ここからは大海原しかありませんので、重要な寄港地だったはずです

船に積み込まれたワインは赤道付近を通過する際の独特の風味を持つようになり、それが島のブドウの特徴を増幅させるようなプラスの効果をもたらしました。
それが人気になると、その風味を出すためにわざわざワインを船に乗せて赤道を航海して戻ってこさせたこともあったくらいだそうです

その後、18世紀になってポルトガル・スペインに代わってオランダ・イギリスが台頭するようになり、船の建造や航海技術が向上するとマデイラ諸島へ寄る船が激減してしまいます。
ワインの販路を失った生産者は、ワインを蒸留してブランデーにして保管し、一部をワインにも加えて保存性を高めようとします。

これが功を奏し、
加熱とブランデー添加の合わせ技で新しいお酒が誕生したのです

ワインに熱、って基本的には絶対NG行為なのですが、例外的に上手く行くこともあるんですね
皆様はご自宅のワインは熱や日光にさらさないでください

この伝統は現在も受け継がれ、マデイラワインは島の重要な産業になっています



次に栽培や醸造について。
マデイラワインの製法は非常に独特です

マデイラ諸島の中心であるフンシャル島は断崖に囲まれた山なりの土地で、海からの強風にさらされる過酷な環境です。
内陸も急斜面が多く、ほとんどの畑が段々畑になっています ↓

マデイラワインQG-Vinha-2.jpg
生産者HPより、以下同様

作業大変だろうなぁ

ブドウはポルトガルの土着品種ばかりなので日本人には馴染みがなく、聞いたことがない品種ばかりだと思います

マデイラワインのブドウは、
白ブドウ:セルシアル、ボアル、マルヴァジア、テランテス、ヴェルデーリョ
黒ブドウ:ティンタ・ネグラ、バスタルド
となっています。

し、知らない
…マルヴァジアとヴェルデホはかろうじて分かるかなぁ

因みにこれがテランテスです ↓

マデイラワインTerrantez.jpg
いいブドウです


製法は、まず普通にスティルワインを作る過程でブランデーを添加します。
ここまではシェリーやポートと同じです、添加のタイミングによって甘口〜辛口と調整します。

その後、落ち着かせたワインを加熱します

加熱方法は二通りあります。

1.カンテイロという小屋に樽を入れ、天然の日照を屋根のガラス窓越しに当て太陽熱で加熱する方法。
高級品に使われる手法で、10年〜15年熟成の物が多い。
元々気温が高いマデイラ諸島だからできる方法ですが、今なら日本でも十分可能だろうなー

2.エストゥーファと呼ばれるタンクの中にワインを入れ、タンクの外または内側に通した管にお湯を循環させて加熱する方法。
50度のお湯で3か月程度かかりますが、カンテイロよりも早く出来上がり、場所を取らないのも利点です。
安価なマデイラはこのやり方で作られています。

どのワインもマデイラを名のる場合には最低3年の熟成期間を経ないと出荷できません。
長い熟成品には、レゼルヴァの表記が認められています


さて、ようやく今日のワインですが、
生産者のエンリケシュ&エンリケッシュは、1850年創業。
ポルトガル初代大統領アルフォンソ1世の孫が始めた蔵です

1425年にエンリケ航海王子の命で出帆した探検家のホアン・ゴンザレスが初めて植樹したブドウ畑を所有しています
創業から間もなくして、うどん粉病やフィロキセラの害を被り、困難な時代がありましたが、買いブドウなしの方針を現在も堅持している数少ない蔵であり、島を代表する地主として有名です

本社は近代的な建物で島の南側で、海がよく見える場所にあります ↓

マデイラワインEdificio-HH.jpg
樽が見えますね、リゾートっぽい

カンテイロやセラーは畑の近くです ↓

マデイラワインHH-Cellar-Quinta-Grande.jpg


今日のマデイラは、エストゥーファを使った入門編の甘口です
ティンタ・ネグラ・モーレ100%
加熱後にソレラシステムで2年熟成させてバランスよくしています。

価格は2000円台とお手頃です

琥珀色の甘口で飲みやすいですが、アルコールは19%。
飲用以外には、製菓やお料理のマデラソースに使われたりすることもあります

今日のマデイラは甘口なのであまり感じませんが、加熱したドライな乾いた後味があるかもしれません。
マデイラらしさ、でしょうか。
是非、現地で飲んでみたい。
大西洋の島に行くことあったらいいなー

マデイラ、飲むこと少ないでしょうが、ミツクラの店頭にありますので、お試しください〜

















posted by cave MITSUKURA at 15:19| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年05月11日

緑のワインの季節が来た


今日も眩しいくらいに晴れてます

6月上旬にブルゴーニュのセミナーを開催することになりました
只今、詳細を詰めておりますので告知までお待ちください



今日はちゃんとワインの紹介をします
時間いっぱいある。

夏に美味しい爽やか白ワインです

シュロス・ゴベルスブルグ 5d00.png

シュロス・ゴベルスブルグ グリューナー・ヴェルトリナー2022

オーストリアの辛口白ワインです

コアラやカンガルーのオーストラリアじゃなくて、ウィーンの方です
お間違いなきよう。

シュロス・ゴベルスブルグニーダーエステライヒ(オーストリアの北西地方、ワイン作りの主要産地)でも老舗の名門です

ニコライホフ
ドメーヌ・ワッハウ

などと並んで、歴史の長い蔵として有名です

シュロス・ゴベルスブルグ(シュロスは城の意味です)は、ワイナリーと城の両方の顔をもっています。

元は城の近くにあったシトー派の修道院がワイン作りの起源となっています。
このワイン作りはとても古く、1171年から記録が残っていて、それを根拠に現在のワインのラベルにも1171年創業と記載されています ↓

IMG_3415.jpg

日本だと平安時代末期、鎌倉時代に入る直前です。

お城は、ウィーンから北に車で30分くらいのカンプタールにあります

Schloss-2020-c-Moosbrugger-320x202.jpg
HPより、以下同様
観光もできます

ランゲンロイスのすぐ南 ↓

シュロス・ゴベルスブルグ.png
この地図でウィーン以外の地名が分かる方、まずいないだろうなぁ

余談ですが、ドナウ川添いには多くの有名な修道院や古城があります。
もう少し上流にはメルク修道院があり、ウンベルト・エーコのバラの名前の主人公のアドソが若き日をつづるのがメルクです。
城壁に囲まれた要塞みたいな建物で、観光客にも開放されています。
レッヒの帰りに寄りました ↓

IMG_0810.JPG
2013年、もう閉館間際だったのでちらっとだけ


ゴベルスブルグのご近所の修道院のワイン作りが始まってから600年余りのち、1740年に城は持ち主の貴族が経済的困難に陥って修道院の所有となります。
そこで、修道院はこの城をワイン醸造の拠点として使い始め、そのまま今に至ります。
元々はお城と修道院のワインは別物だったのが、ここで合流することになりました

その間には、2度の大戦やソ連の支配下時代など、困難な時代も多いのですが、ゴベルスブルグ城のワインは確かな品質でその名を広めています

城は現在も所有は修道院なのですが、1996年に長年醸造長を務めた修道院長が引退するに至り、民間人のモースブルッカーさんに長期賃貸契約という形で醸造を委託しています。

このモースブルッカーさんは、チロル地方のレッヒの出身です

Michael-Moosbrugger-c-Regina-Huegli-1-320x202.jpg

レッヒはオーストリアの東端の雪深いリゾート地で、今でも上級スキーヤーの間では人気の高級スキー宿が沢山あります。

てんちょ、1回だけレッヒ行きましたが、周辺の町や山が全部リフトやスキールートで繋がっています。
すぐ隣がリヒテンシュタインです。
最短の周遊が4時間だったかな、とても広いし、急斜面だし、これは上級者向けだわって思いました

もちろん、てんちょはスキーはやっていません。
ゴンドラで中腹まで行ってビール飲んで帰ってきました

IMG_0781.JPG

IMG_0792.JPG
これ、普通に携帯で撮ったんですが360度スキー場でどっちを見てもポスターみたいでした


話をワインに戻しまして。
モースブルッカーさんは、城と修道院の醸造の歴史を継承することを第一に考え、伝統を踏まえてそのスタイルを変えることなくワインを作っています
既にいい畑があり、特別な改革は必要なかったんでしょう

Ried-LAMM-Herbst-Okt-2013-c-Michael-Moosbrugger-320x202.jpg

整然とした畑、リラ仕立て(枝をY字に伸ばし日照を調整するやり方)になってます

1000年以上も前の建物で作るワインって、ロマンがありますねー
地震大国の日本では難しい…

Gobelsburg-Kreuzgang-Keller-c-Michael-Moosbrugger-4-320x202.jpg
出そう、夜一人で見回りするの嫌だなぁ


今日のワインは、ドメーヌの最も基本のワインです
発酵も熟成もステンレスタンクで行っており、樽は使っていません。

オーストリアのワインは元々熟成させず、1年以内に飲み切るのが普通でした。
新酒を待ちわびてお祭りがあるくらいです
よりフレッシュな物をすぐに飲むことが出来たから、恵まれたワイン産地だから可能な事ですね

グリューナー・ヴェルトリナーはそうした飲み方にうってつけの品種です
綺麗な酸があって、果実味と良いバランス、香りも豊かで青リンゴや白桃、洋ナシの様です
ワインによっては微発泡してることもあり、清涼感は格別です。

とにかく冷やしてください
ぬるいと魅力が半減です。
アルコール度数は12.5%、もっと軽く感じますが。

軽やかで余韻は短め、酸はしっかりありますが和食でも無理なく合わせられると思います
価格も非常にお手頃なので安心して挑戦できますよ。

この品種、フェルトリーナーと書く事もありますが、本来はアルファベットの表記通りにヴェルトリナーだったらしい。
どっちでもいいみたい

そろそろ、こういうワインが恋しくなって来ました
アウトドアでも是非、お試しください〜








posted by cave MITSUKURA at 17:39| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年05月10日

言い得て妙な方言好きです


今日は快晴、昨日までの強風も収まって(てんちょ、突風で日傘折れました)朝の寒さが嘘みたいです

今日はワインは一切登場しません。


連休明けって暇なんだろうなーと思っておりましたが、今日は何かと非常に忙しくてびっくり
大変ありがたい事です

という事で、ブログ書く時間が無くなってしまいました

↑ 名古屋弁で「時間がのうなった」って言います。

てんちょの出身地、岐阜県東農地方では、小さい頃には
つもい
(=サイズが小さいの意味
 「靴がつもい」「この服、肩がつもい」って使います)
っていう方言があったんですが、今では誰も使いませんねぇ

名古屋弁の、
もうやっこ
(=共有する、一緒に使う
 「仲良くもうやっこしなさい」ってよく言われました)
これも、今では聞くことないです、いい表現なのに

方言を笑う人がいますけど、味のある奥深い言い方だと思うんですけど

あー、ワインの話はまた明日。
さらば。





posted by cave MITSUKURA at 17:43| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする